2017年7月5日水曜日

穂村弘『短歌をください』短歌を難しい世界だと思ってる全ての人へ






「短歌」

と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

大抵の人は日常生活の中で馴染みがないからピンと来ないんじゃないでしょうか。
なんとなく「難しいもの」とか「ややこしいもの」というイメージを持ってるかもしれません。

しかし、そんなイメージを払拭できる、そんな素敵な本を紹介したいと思います。


穂村弘『短歌をください』









現在も連載中で単行本はシリーズが3作まで出ています。



読者投稿の短歌



穂村さんは現代の歌人です。
短歌はもちろん、エッセイもとても面白いです。

そんな穂村さんが雑誌『ダ・ヴィンチ』で短歌をくださいというコーナーを持っています。
毎回テーマが決められ、そのテーマにまつわる短歌を読者から募集します。同時にテーマなしの自由律の短歌も募集し、一緒に掲載されています。

投稿するのは一般読者でありながら、毎回とても面白い短歌が並びます。まぁ中にはセミプロの方もいるようですが。

掲載された短歌について、穂村さんの解説が載ってます。この解説が重要かつ大きな魅力でもあります。

どんな短歌が載っているかはこの記事の最後にまとめてますので、最後まで読んでいただけると幸いです。



短歌の解説



取り上げた短歌の優れた点を穂村さんが紹介する。目線の解説や、韻の踏み方など、一読で気づけなかったポイントも分かり、より分かりやすく短歌に触れられます。

1つ例を出してみましょう。3巻のサブタイトルにもなって、個人的にも大好きな短歌です。


脱け殻の君など見たくないけれど 君の脱け殻なら見てみたい


たまたまこの回『ダ・ヴィンチ』で読んだんですが、読んでからずっと心に残ってました。

この短歌について穂村さんは以下の解説を書いています。


面白いですね。「抜け殻」「君」「見る」という言葉を繰り返しながら、上句と下句で鮮やかに世界が転換されています。


どの短歌を見る目線もとても穏やかで暖かく、穂村さんの人柄が滲み出てるなぁと思ってしまいます。

僕のようにひねくれた人間は本当に穂村さんの解説を煎じて飲まなければなりませんね。



時には穂村さんが掲載した短歌の改悪例も載せていて、その改悪例と投稿された短歌を比べることで、優れている点が明確になるというのも興味深いです。

例えば、下記の短歌。


ロート胸、1月生まれ、汚れた血、共通点を見つけるたびに運命かもと思う


この句について穂村さんは下記の改悪例を出します。


左利き、吹奏楽部、一人っ子、共通点を見つけるたびに運命かもと思う


こうして改悪例と見比べると投稿作品の秀逸さが分かりますよね。
人と人との共通点としてまず「ロート胸」が出ることの凄さです。

このあとにちゃんと字余りについても優しく指摘が添えてあります。









こんな短歌が載ってます




では実際このシリーズに掲載されている短歌をいくつか抜粋してみましょう。



総務課の田中は夢をつかみ次第戻る予定となっております


一秒でもいいから早く帰ってきて ふえるわかめがすごいことなの


歯ブラシをくわえて乗った体重計 重いのだな歯ブラシって


CDを手にしただけで音楽を聴けたら良いな天使みたいに


もし俺が宇宙人でもとりあえずいい人止まりで終わるだろうな


どの道を帰ってきたの全身に悲しみの匂いこびりついてる


(7×7+4÷2)÷3=17

※読み方「かっこなな/かけるななたす/よんわるに/かっことじわる/さんはじゅうなな」



#あと二時間後には世界消えるし走馬灯晒そうぜ


ペガサスは私にはきっと優しくてあなたのことは殺してくれる



1~3巻からアトランダムに抜粋しました。

いかがでしょうか。結構クスっとしてしまったり、ハッとしてしまう短歌がありませんでしょうか。

この中で気になる短歌があれば是非とも全巻揃えましょう。


では最後に僕が一番撃ち抜かれた短歌を載せて終わりにします。



好きでしょ、蛇口 。だって飛びでているとこが三つもあるし、光っているわ



くらくら。


【こんな記事もあります】
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ハルカトミユキで好きな歌詞フレーズ
「タヌキとキツネ」(著:アタモト)が可愛すぎて人間でいることが辛い







文庫出てました。













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