2017年12月22日金曜日

2017年を振り返る アルバム・オブ・ザ・イヤー TOP5





2017年も間もなく終わりを迎える。

ということで、少しずつ今年のまとめを書いていこう。

まずは音楽ブログらしく、2017年のベストアルバムを選出しよう。

昔は音楽誌に倣ってトップ50とかやっていたが、もはやそんな枚数とモチベーションを持てなくなってしまったので、トップ5という潔い縮小をさせていただくことにする。

どうでもいいか。





5位 John Mayer「The Search for Everything」







BECKの「COLORS」とかなり悩んだけど、久しぶりにじっくり聴いてあらためて感動したため、ランクイン。

病を乗り越えたJohn Mayer。近年の作品はカントリー要素が強く、どちらかといえばギターよりも歌に注力しているようであった。それは病によって歌声が危ぶまれた時期を乗り越えたことへの喜びと反動であったのだろう。その分ギターがちょっと抑え気味であったことが少しばかり残念であった。

そんな経緯を経てリリースされた作品は、今までのJohn Mayerの全てが詰まっていた。全乗せである。

キャッチーな楽曲、いつまでも聴いていたいギターソロ、そして全2作を通して得た歌の力。そこにR&B要素等が新たに加わり正に「The Search for Everything」の名に相応しい、輝かしい作品が誕生したのだ。


【感想】John Mayer「The Search For Everything」おかえりジョン・メイヤー



4位 ポルノグラフィティ「BUTTERFLY EFFECT」








ポルノグラフィティを4位に入れざるを得ない日がくるとは。

もちろん個々に見ていくととても大好きな曲も多いし、すでに尋常じゃない再生数を誇っているが、アルバムとしてみると散漫になりすぎている感があり、最後の方で少し食傷気味になってしまう。

それでもまぁ"夜間飛行"なんて、とんでもない名曲がいたり、新しいチャレンジであったり、止まることを知らない岡野昭仁のヴォーカル能力の向上であったり、今のポルノグラフィティをしっかり堪能できる1枚となっている。

もちろんツアーを聴けばまた聴き方が変わるとは思うのだが、アルバム作品として捉えた時には、個人的には「RHINOCEROS」くらいのまとまりの方が好みである。


【全曲感想】ポルノグラフィティ 11thアルバム「BUTTERFLY EFFECT」










3位 印象派「印象派は君に問いかける」








印象派が遂にリリースしたフルアルバム。
印象派の新しい曲を聴く度に、次にどんな音がくるのかワクワクしてしまう、音楽はこんなに自由で楽しい舞台なのだ。

タイトルトラック"印象派は君に問いかける"をはじめ、アルバムの中で様々な問いかけが投げられる。
一見するとふざけて遊んでいるような曲ばかりなのに、しっかり見ていくととてもふざけているなんて思えないシニカルさを秘めているアルバムである。

そんな中で"球状"はどこまでも普遍的で優しい輝きを放っている。

さぁ、これを聴いた君は今の時代をどう生きる?


【感想】印象派 アルバム「印象派は君に問いかける」は"今"聴くべき傑作



2位 ハルカトミユキ「溜息の断面図」








今の時代、こんな怒ってる人たちはいないのではないだろうか。今の若い世代にとって《諦めることだけが上手くなる》これほど強烈に響く言葉はないのではないか。

怒りは原動力となり、アルバムの推進力を保つための起爆剤となっている。しかし、随所に溢れているのは、希望である。

そんな欠片を拾いながら、最後に《そっと落としていった 最後の願いを/次の誰かが拾って歩きだす》という希望で終わる。

頭に焼き付けろ


【感想】ハルカトミユキ 3rdアルバム「溜息の断面図」全曲レビュー



いよいよ第1位の発表.2017年最も聴いたアルバムはもちろんコレ!



1位 ドレスコーズ「平凡」







華々しいファンファーレのようなホーン隊の音から志磨遼平、いや平凡さんが歌いだす《平々凡々こそ我らの理想/暴力的個性の時代 the end/ありきたりな第三市民の闘争/我こそ凡庸なるkingの登場 》

この部分だけでも「とんでもないことが始まった」と思わされてしまう。

アルバム全編を通して一言で片付けられる代物ではない。なんせリリースされてから今日まで何度も聴き返しているが、未だ全貌が掴めないのだ。
山田玲司のヤングサンデーの伝説の「平凡」回(6時間)は3回見た。


20世紀の資本主義の限界と崩壊、平凡とは、そんな問いかけがアルバムに詰まっている。歌詞カードだけ見れば、なんて取っ付きづらい内容だろう。

駄菓子菓子、いや、だがしかし、そこにあまりにファンキーでダンサンブルが楽曲に乗せることで、こんなに頭で悩まされ身体で踊らせるとんでもないバランス感覚のアルバムになってしまうのだ。

それはかつてピート・タウンゼントが放ったあまりにも有名な言葉「ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし逃避させてもくれない。 ただ、悩んだまま躍らせるんだ」を体現しているようで、この言葉への反発にも聞こえる。

僕はよく音楽の持つ時代性の大切さをここで書いてきた。これなのだ。
2017年という時代に、デヴィッド・ボウイもチャック・ベリーもプリンスもいなくなってしまった、今この時代だからこそ、リアルタイムにこれを体験できること、それこそが音楽をリアルタイムで楽しむこと、今を生きている特権なのだ。


ドレスコーズビギナーがアルバム「平凡」を聴いた感想と志磨遼平の魅力



ということでアルバム・オブ・ザ・イヤー TOP5でした。










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