2018年6月20日水曜日

小説投稿サイト「小説家になろう」の人気作品が異世界ものばかりだった件






昔から本を読むことが好きだった。
おそらく活字中毒の母の影響からか、よく本を読むようになった。

それが高じて、書くことにも興味が沸き、こうして約2年、ここで駄文を撒き散らしている。

こんなブログであっても、毎日それなりにアクセスいただいて、書いた記事をちゃんと読んで貰えていて、とても有難い気持ちだ。

だが、その文章は歌詞という作品があることの大前提で書かれたものなので、僕が一から生み出したものではない。ほぼ二次創作とも云える。

小説を読む度に、いつかは一作くらい自分の作品として書いてみたいと思う。

分かる人にしか分からないが、まさにラーメンズの「小説家のような存在」にあるような。

簡単に説明すると、ラーメンズのコントのひとつで、ある人気小説家と編集者の話。原稿を取りにきた編集者が作家と話していくのだけど、その小説家の正体は…という話。これだけ書いても分からないだろうが。

あのコント(というよりホラー)では「誰でも一生に一本くらいは面白い小説を書くことができる」ということがキーワードとなるが、まさにそんな気持ちで、一本くらいなら書けるんじゃね?という安直に繋げてしまうのだ。

いつか瀬尾まいこ的な小説を書いてみたいものだ。





しかし、そんな時に限って久しぶりに三島由紀夫とかを読み返してしまい「あ、俺は小説なんて書けないわ」と文豪たちに無残にも切り捨てられた。
無理だよこんなの、書けない。

そんな時に、小説を投稿できるサイトとやらを知った。
なるほど。三島を参考にするからいけないのだ。

今回はその話で、内容はタイトルの通りである。






異世界ものが多すぎる件




小見出しはポルノグラフィティの曲からの引用なので悪しからず。

サイトとは、投稿小説では最大手と言われている「小説家になろう」である。他にもあるらしいが、よく分からない。とりあえず、見るなら最大手だ。
それに何やら「なろう」ユーザー間で色々揉めているようだが、とりあえず、見るなら最大手だ。

どんな作品があるのか、やんわりと見てみようとサイトに行く。そして、人気作品を見るため、ランキングを見てみる。

すると。

トップ10のほとんどが異世界もの、もしくはファンタジーだった。唯一、現実カテゴリの作品もあったが、それも前世が絡むような物語らしいので、限りなくファンタジーだ。

僕にとっては、その状況こそ、まさに異世界のようだ。

ランキングを一応追ってみたのだが、だんだんとタイトルだけでお腹いっぱいになってきた。

例えると「牛のステーキ ニンニクバター醤油ソース 唐揚げ添え」みたいなメニューばかりが並ぶ飲食店に行った気分だ。

そうして見ていると、カテゴリ別のランキングというやつがあった。なるほど、さっきのは総合ランキングで、異世界もののラノベが全体の中でも人気なのだな、と思ってカテゴリ別を見てみた。

きっと印象も変わるはずだ。

その結果が次の小見出しである。









異世界ものが多すぎる件(パート2)




小見出しはポルノ(以下略)


以下にカテゴリと、これを書いてる今現在の一位の作品タイトルを書き出してみよう。

異世界〔恋愛〕
→セティス家にようこそ (作者:君田熾世)

現実世界〔恋愛〕
→どうやらこの世界は男女比がはちゃめちゃなようで。(作者:テリン)

ハイファンタジー〔ファンタジー〕
→勇者パーティを追放されたLv99道化師、【大賢者】になる~遊び人は賢者に転職できるって知ってました?~ (作者:妹尾尻尾)

ローファンタジー〔ファンタジー〕
→世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) (作者:クロル)

純文学〔文芸〕
→壊れた砂時計 (作者:藍羽 あかり)

ヒューマンドラマ〔文芸〕
→超強力な土魔法使いの実力。土建チートで巨大建造物を作って世界を変えてしまっています (作者:天野優志)

歴史〔文芸〕
→第三帝国に転生したが転生先は某総統でも将軍でも貴族でもなく士官候補生だった (作者:みりん)

推理〔文芸〕
→薬屋のひとりごと (作者:日向夏)

ホラー〔文芸〕
→近くのハンバーガーショップで女子高生が話してたんだけど (作者:ジェームズ・リッチマン)

アクション〔文芸〕
→12ハロンのチクショー道 (作者:野井ぷら)

コメディー〔文芸〕
→【連載版】あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。(作者:佐崎 一路)

VRゲーム〔SF〕
→New Age (作者:焼きうどん)

宇宙〔SF〕
→異星の砂漠にて、人型機械は躍動す――METALIC/MANEUVERS (作者:北京犬(英))

パニック〔SF〕
→なんとなく生き延びてしまったので、頑張って生きようと思う (作者:のんびり死体)

童話〔その他〕
→最強の騎士はウサギになりました。ピョンスロットとゆるふわ王女の冒険 (作者:あけちともあき)

詩〔その他〕
→目は奇妙な気球のように無限に向かう (作者:檸檬 絵郎)

エッセイ〔その他〕
→所謂リベラルに分類される人々の方が、排外主義的だったり差別的に感じるのは何故なのか? (作者:ロロサエ)

その他〔その他〕
→ロリサキュバスは見た! 追放されたSSSランク戦士と賢者と魔法使いとその他多くの者で形成されたスローライフ集団の愛憎劇! ~温泉若女将だけが見たメイドの悲しき過去~ (作者:稲荷竜)



「あ、俺は小説なんて書けないわ」

それにしてもカテゴリがやたらと細かい。
しかも、その棲み分けが全くわからない。ハイファンタジーとローファンタジーは何が違うのだろうか。

純文学、詩、エッセイ、ホラー辺りはそれっぽい作品だった。
かといって、純文学の5位のタイトルが『私以外の全人類が異世界に召喚されました』だったから油断ならない。

以下、他にどうしてもツッコミたいポイントをいくつか挙げたい。

現実世界カテゴリで「男女比が1:40の、男が極端に少なくなった世界。そんな世界にいつのまにか転生していた主人公」という説明文だったが、現実世界とは何なのか分からなくなってきた。

それと歴史カテゴリで「転生」はいいのか。

ミステリ好きとしては、推理一位の『薬屋のひとりごと』はどんな話か気になって、説明文を読んだ。


薬草を取りに出かけたら、後宮の女官狩りに遭いました。


そ、それってファンタj…くぁwせdrftgyふじこlp
まぁ、内容はミステリなのだろう。

タイトルをコピペしていくうちに『あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。』が変なツボに入ってしまい、思わず触りだけ読んでしまった。


批判したいわけではなくて、それだけ異世界とかファンタジーの需要が多いんだなと驚いてしまった。

みんな現実逃避したいんだな、と思った今日この頃。






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