Twitterを見ていて、なんとなく荒れてる様子が伺えた。
直接的に見なくてもその端々の言葉とニュアンスから、ポルノグラフィティの公式へグッズが買えないことへの憤りがぶつけられているということは伝わってきた。
確かに、先行販売が始まってからわりと短いスパンで売り切れが続出したというのは見ていた。
再販が決まったのも見ていたけれど、瞬殺だったようだ。
その矛先が運営に向かっている、と。
普段ならわざわざ火事場に行かないが、今回は少し考えさせられる内容だっただけに、公式へのリプなどを見てみた。
なるほど。いくつかの問題が複合的に重なった感じかと納得した。
色々な意見があると思うが、少し整理したい。
①先行販売の売り切れ
発端は9月開催のしまなみロマンスポルノのグッズの先行販売で売り切れが続出したことだ。
今回のしまなみロマンスポルノはグッズ含め収益が全て寄付される。これは以前記事を書いたのでそれを見て欲しい。
それがあったので、今回はいつも以上にグッズを購入するということへの期待が高まっていた。そして先行販売で申し込めばライヴ当日に並ばなくても、グッズを手に入れることができる。
しかし、告知もされている通り、先行販売はあくまでも"先行"であることを忘れてはならない。
グッズは本来ライヴ会場で買うもので、あくまでも運営側の善意として先行販売している。
故に当日までに配送をしなければならない責務がある。生産と配送には限界があるので、潤沢に用意しておくなど無理なのだ。
ましてや、今回は開催するか否かの決断という命題があり、なおさら普段よりも生産数が追い付かないと想像できる。
先行販売の状況で生産数も見直されるかもしれないが、物を作るってそう容易くないことは分かっていて欲しい。
「売れるんだからいっぱい作れば良いじゃん」というのは簡単だけど、それが売れ残った場合に責任を取らなくてもいいならそれもできるだろう。
しかし、商品には必ずロット(最少生産数)がある。
そして今回はグッズの収益も寄付するのだ。
つまり、どれだけ作ろうと儲からない。そこで大量の在庫が売れ残った場合、誰が責任を持つのだろうか。
それを思うと僕はやはり「いっぱい作れば良いじゃん」とは一概に言い切れない。
②ショッピングカートに入れるは仮押さえか
ショッピングカートについて「カートに入れた時に仮押さえできないか」という意見が多く見受けられた。
確かに数量に限りがあるなかで、カートに入れておきながら買えないというのは悔しいだろう。
こういった状況でそういった不満が出ることは分かる。
しかし、考えてみて欲しい。
今回の状況が"異常"であるだけで、普通の時にそのシステムであったらどうだろうか。
アスマートに限らず「カートに入れる≠購入できる」というのは普通にあることだ。
これって、何のために?と思うこともあるかもしれない。
それは、カートに入れたまま買わない人がかなりいるということなのだ。
物を売るという経験をした人ならそんなケースに心当たりがあるのではないだろうか。
「予約をしたのに取りに来ない」
というケースだ。
僕は昔、某CDショップでアルバイトをしていたが、事前に予約をしていて取りに来ないということは"ざらに"ある。電話で取り置きを頼まれて、取りに来ないなども同様だ。
CDショップの場合は一定期間取り置きして来ない場合は売りに出したり、予約であればキャンセル待ちの人に割り当てることになる。
電話で住所、氏名、連絡先まで伝える店ですら、そんなことになるのだ。それがワンクリックでカートに入れるネットなら?
果たして今のネットのショッピングサイトでカートに入れたままになってる商品がどれだけあるだろう。
たとえば、カートに入れた時点で商品を"確保"しておけるシステムだとすると、誰かがカートに入れたままになって買えないという事態になる。
もちろん一定期間カートに入れておくと削除されるシステムもできなくはないが、それを入れることもコストが掛かる。実際、世の中のアーティストグッズだけに絞ってもそこまでしなくてはないなら事態というのは、そうない。
よっぽど限定品を売るとなれば別かもしれないが、大抵の場合はそこまで手を掛ける必要性はない。
それに一定時間過ぎたらカートの仮押さえがキャンセルされるとなっても、そのキャンセルタイミングでまた商品が復活するということになる。
「売り切れ」画面がキャンセルの度に「購入可」に目まぐるしく変わり、早押しクイズの如く早くクリックをした人が確保できる。
それを「10時の開始を待ってたのに買えなかった」という方が納得出来るのだろうか?
それならキャンセル待ちを先着にするということもあるかもできるが、繰り返すように、それをコストを掛けてやるには到底見合わないだろう。
③転売ヤー
グッズの希薄化で1番懸念されるのが転バイヤー(転売屋)だ。
「グッズの購入に個数制限をして」という意見はそこに繋がると思う。
この問題に"悪意"が入る余地はそれしかない。
転バイヤーが買い占めていたとしら、明らかな悪人はそいつらだ。
近年でも限定生産品が買い占められ、ネットや中国で転売されているという問題がかなり見受けられる。
もし今回グッズが買えない人が増え"レア化"した時に高値で売り捌こうという邪な考えの人間がいても
不思議ではない。
この世で最低の行いである転バイヤーへの対策はひとつしかない。
"転バイヤーから買わない"
というだけなのだ。
これはチケットもそうだけど、転売ヤーは当然ながら仕入れなければならない。
転売で儲けようとするほど、その仕入れ額は膨らむことになる。それが売れなければ、大きな赤字となる。メルカリ、ヤフオクなど、見掛けても買わないようにしよう。
購入数の制限については、しても悪くないと思うが、そこはやはりモラルの問題なんだよね。
"常識的"な世の中ならこんな事態は起こらないんだから。
それが恒常的に起きるならば対策が必要だが、いつもみんな売り切れ続出という程買わないでしょ?
ということで、思い付くままに書いてみた。
あらためて、開催されることだけでも有難いことだし、収益を寄付というのは想像以上に凄いことなのだ。
限られた状況で、運営側も少しでも楽しんで欲しいと努力している。
もちろん買えなくて悔しい気持ちもよく分かる。
けど、だからといって感情的に人に怒りをぶつけてはいけない。
みんな節度を持って考えられたら、楽しいはずのライヴが台無しにならなくて済むんじゃないかな。
悪徳転売ヤーは例外。
最後に悪徳転バイヤーに一言。
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