心霊ものが好きで「ほんとにあった!呪いのビデオ」をはじめ、様々なシリーズを見ている。
といっても、近年は本当に数が多過ぎて、とても網羅できる量ではないが、なるべく主要なものは見ている。何の義務感だろうか。
心霊ものの感想を書いてる人が好きで、見るたびに検索して眺めている。ホラーの感想はツッコミの勉強にもなるのでオススメしたい。
そこでよくサジェストされるのが「◯◯ 本物」や「△△ やらせ」などの言葉である。
面白いと思い、そのことについて書いてみたい。
本物かやらせ
そもそも僕は「やらせ」という言葉はあまり好きではない。
なにかとすぐ「やらせ」と言う人がいるが、そう言うことで面白くなることがあまりないからだ。
元も子もないが、心霊ものを楽しむ人で「これは本物か?」なんて目線で見ている人は、いるのだろうか。
「本物かやらせか」と気になっているのは、心霊ものを普段そこまで見ない人(つまりは普通の人)が、検索していることと思われる。
そこに、心霊もの好き(普通じゃない人)とそうでない人の決定的な差が生まれるのだ。
では、心霊好きは何を求めているか、そう言われるとまた、玉石混淆の趣味がある。本物っぽい路線を求める人、本物っぽさなんて度外視で強烈な映像を求める人どちらもいる。
近年、心霊ものが雨後の筍のごとく乱立したことによって、ホラーファンは映像に「刺激」を求めるようになった。なので、感覚的には後者が多いと思われる。
そして心霊ものの楽しみといえば、スタッフのドタバタ劇である。「そんなものいらねぇ」という派閥もあるが、心霊映像よりもスタッフの取材シーンで個性を出すシリーズは多い。
そんな取材シーンで個性を出そうとするほど、リアリティとは乖離していく。これも好きと嫌いがはっき分かれる要素である。
変に「騙されまい」とか「本物の映像が見たい!」と構えて見る人は、おそらくこの手のホラーは向かないのではないだろうか。
極論となってしまうが、「フィクションだと分かった上で、もしこれが本当なら?」という感覚で見るくらいのつもりで没入して楽しむべきなのである。
たとえば「ハリー・ポッター」の世界は実在しないのに、あの世界観を楽しんでる。実はホラーも同じで「そんな世界があるかもしれない」という世界観を楽しむものだと思う。
そう、ホラーとはファンタジーなのだ。
「ハリー・ポッター」に対して「え?これ本物なの?」と女の子に言えるだろうか、いや言えない(反語)。
「それじゃ『ほんとにあった!』は嘘ではないか」という声は大変正しい。だが、それを僕に言われても困る。
(これ消費者庁に「虚偽ですよね?」って言ったら負けるのでは)
解明
たとえば、あるBSの番組で海外の心霊とされるビデオを検証するものを見た。
キッチンでポルターガイスト現象が起きて、カメラが撮るなか、一瞬にしてキッチンの整頓されていたものが散乱しているというものである。
そこで「ビデオがブレた瞬間に編集して画面を切り替えている」と紹介されていた。
それを見ても「……でっていう」という感覚にしかならなかった。
「カメラを素早く動かした瞬間に編集点を入れる」というのは、投稿もののセオリー、というのは心霊投稿ものにおいては常習手段なのである。なので、テレビというメディアを使ってまで、それをドヤられても、という話だ。
繰り返すが「本物か偽物か」という点は面白いかどうかには直結しない。
「ほんとにあった!呪いのビデオ」も監督の趣向によってリアリティを求めるのか、地味な映像になっている時期も定期的に訪れる。
しかし「ほん呪」もいよいよシリーズはナンバリングだけでも80を越えた。それを追い掛けてきた視聴者は、もはや「本物」を求めているだろうか。
いや、本当に求めるものは「見ている時間を楽しめる映像 」なのだ。
一概には言えないが、近年は目に見えて「フィクションとノンフィクション」、「本物と偽物」、「本当とヤラセ」などに線を引きたがる傾向が強い。
本来オカルトなどというものは、白と黒の間にある「グレーの世界」を楽しむものだ。
「本物じゃない=つまんねぇ」と思うのは先入観である。そもそもホラーの世界は「本物っぽい、けどつまんねぇ」で溢れている。
「やらせ」は好きではないが、ホラーという予算のない世界でアイデアでそれを乗り切ろうとするスタッフが愛しいのだ。
それはもう「やらせ」という概念では語れない。
それでも名の知れた、数を重ねているシリーズたちにはそれなりに魅力がある。
真実を求めることは楽しさを追求することではない、そんなグレーを楽しめる力こそ、ホラーを楽しむ大切な要素なのだ。
全くフォローになってないな。
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