書くのがあまりに畏れ多くて、今まで避けていたに等しいが、やはりこの人のギターについて触れないわけにはいかない。
ギター仙人こと今剛(こんつよし)。
日本で最も優れたギタリストの1人である。
正直、凄すぎて何から語れば良いかわからない。
尊敬してるギタリスト〜その15「今 剛(こん つよし)」
巧い
1958年2月23日生まれ
北海道の釧路出身
レコーディングやライヴで参加したアーティストを引用しよう。
五十嵐浩晃、稲垣潤一、井上陽水、喜納昌吉、今井美樹、宇多田ヒカル、甲斐バンド、笠原弘子、角松敏生、かまやつひろし、河内淳一、川江美奈子、吉川晃司、CHAGE and ASKA、class、崎谷健次郎、さだまさし、佐藤竹善、佐藤博、SunSet Swish、寺尾聰、中島みゆき、布袋寅泰、松田聖子、松任谷由実、松原正樹、水谷豊、矢沢永吉、山本達彦、渡辺美里、ASKA、ATSUSHI (EXILE)、YUI、Sowelu、mink、倖田來未、絢香、福井舞、徳永英明、hiro、古内東子、吉田兄弟、福山雅治、鬼束ちひろ、持田香織、伊勢正三、河村隆一、platinum、SMAP、葉加瀬太郎、中島美嘉、スキマスイッチ、泰葉、Soulja 、原田徳子、小松康伸
そうそうたる顔ぶれである。
僕の中では宇多田ヒカルと福山雅治のイメージがある。
ギタリストには2つのタイプがいると思う。ひとつはスタジオミュージシャンとして、職人的になんでも弾きこなすギタリスト。もうひとつはバンドの中でテクニックよりもその情熱で魅せるギタリスト。
自分で書いておいてなんだが、これはものすごく乱暴な分け方である。それでも世の中にはテクニックよりもそのフレージングのセンスで人々を魅了するギタリストはたくさんいる(それでもテクニックは僕が語るのもおこがましいほど当然みんな巧い部類)
そんな中で圧倒的な技術に加え、人を惹き付けてしまうフレーズを弾けるギタリストは、そういない。
当然ながら人には好みがある。それでも今剛のギターは誰もが「この人、巧い」と一瞬で判別できるテクニックではないだろうか。
何を持って「ギターが巧い」とするか。
フレージング、音の正確さ、ピッチの安定、リズムのキープ等、それぞれに思うところがあるだろう。その中でも僕は巧いギターとは「調和」ではないかと思う。
今剛のギターはそれだけのテクニックを踏まえても、楽曲の魅力を損なうことなく、魅力を押し上げる力を持つ。これが自己中心的なプレイであれば、調和を壊してしまうだろう。
それがないということが、上記に挙げたようなミュージシャンたちが今剛のギターを求める理由ではないだろうか。
それを踏まえた上であらためて言いたい、今剛のギターはとにかく「巧い」のだ。
職人芸
たとえば、ジャムセッション。
そこでのアドリブでの対応の早さ、音を掴む感覚、そして頭に鳴らすイメージ、それを演奏して次に繋ぐこと。
当たり前の事を書いているようだが、このスキルがいかに高いかが問われることになる。
今剛という人はそのステータスが全て頂、一音一音がオーバーキルである。
アドリブのテクニックとは則ち、引き出しの数にある。
僕のようなポンコツギタリストは手癖のような、定番みたいなフレーズしか浮かばない。
今剛のギターを聴くと「あぁなんでこんな素敵なメロディを産み出せるんだ」と泣きたくなる。
アドリブ性のあるフレーズを的確なテクニックで鳴らす、ギタリストに求められる仕事など、これくらいなものである。それをあまりにも高次元な音で奏でる点に今剛の魅力はある。
それは仙人であり、職人芸の域なのだ。
たとえば、パン職人はその日の気温と湿度で記事の水と粉の配分などを変えるという。それは理屈ではなく、培ってきた知識と技術によるものだ。
職人が「見て盗め」というのは、まさにこういうスキルのことをいうのだろう。
現代は「見て盗め」の時代ではない。
では今剛のギターを徹底的に解剖して、同じ機材で同じように弾いたら、その音は出るだろうか。
僕は出ないと思う。
マニュアルで100を出せても、それ以上は出せない。
職人芸とはつまり「見て自分の感性を通して見たスキル」を昇華することにあるのではないだろうか。
デジタル
今剛の特徴として、ヴィンテージ志向がない点が挙げられる。
メインギターはProvidenceのオリジナルモデル。
ロー・インピーダンス変換回路である“VITALIZER”が内蔵されていたり、こだわりが詰め込まれている。もろちんシグネチャーモデルも出ているので、気になる方は髪を伸ばして購入をオススメしたい。
現在は新品で38万くらいである。
ギタリストは売れてくると自然とヴィンテージ志向も高まるのだが、今剛はむしろ未来を見ている。
新しいテクノロジーを取り入れ、そのサウンドに盛り込んでいる。
デジタルであることよりも、アナログなことをギタリストは好みがちである。
しかし、今剛にとっては自分の頭にある音を鳴らすのにデジタルは格好の手段なのではないかと思う。
デジタルの最も強い魅力といえば、再現性の高さにある。
先の話と相反するようだが、今剛本人は再現できるのだから仕方ない。
理想の音を数値に、バロメーターに置き換えることができる。
それは安定さも必要もされるスタジオミュージシャンには、打ってつけの手段とも取れる。
今剛自身が仙人であり、魔法のようなギタリストだが、そんな彼が魔法使いと称すのが、この人。
1:00前後のじゃれ合いを見よ。
そしてコメントを見ればその信頼が分かるだろう。
――普段から今さんのギターを調整している、志村昭三さんがセットアップしている点もこのギターのポイントです。
そう、彼は不思議でね、どこをどういじっているのかわからないけど、すごく良い音になっちゃうんですよね。“何したの? ” って聞いても、“いや、べつに” って言うけど(笑)。ちょっと魔法使いみたいな人なんです(笑)。音もよく伸びるし、ピッチもバッチリ、全然狂わない。良くできていますよ。
もはやガンダルフとサルマンが互いを讃えあってるようにしか見えない。
ということで、ギター好きでなくても、今剛の魅力は伝わると信じている。
是非、機会があれば生で体感して欲しい。
☆尊敬してるギタリストシリーズ
- 新藤晴一
- ジョン・メイヤー
- トミー・エマニュエル
- ゲイリー・ムーア
- マシュー・ベラミー(MUSE)
- ノエル・ギャラガー
- グレッグ・バーグドルフ
- 菊地英昭(THE YELLOW MONKEY)」
- 長岡亮介/浮雲
- オマー・ロドリゲス
- 三輪テツヤ(スピッツ)
- 滝善充(9mm Parabellum Bullet)
- アベフトシ/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
- Joe Satriani(ジョー・サトリアーニ)
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↑今剛モデルのVELVET COMPも出てます。欲しい
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