2022年6月13日月曜日

【ネタバレ有】Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス 日産スタジアム Day.2 +セットリスト





『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』の日産スタジアム公演2日目を見た。

晴れ渡った空に響く音楽たちに、耳鼓(舌鼓的な意味で)を打ってきた。

そして大いにやられてきたのである。

圧巻のスタジアム公演を、自分なりに記録に残しておきたい。

※敬称略
※ネタバレ有り
※MCはちゃんとメモってないので、場所とか言葉のニュアンスは違ってる可能性高いです。雰囲気だけでも伝わればと思います





開幕



コロナ禍以降、自分にとって大規模なライヴはTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演だった。

それから更に人数は増え、収容人数7万人の日産スタジアムである。

最近、日産スタジアムでどれくらい音楽のコンサートがあったかは知らないが、座席の制限もなくこれだけの規模のライヴが行われるという事実が、ただ嬉しい。

会場へ向かう電車内、小机駅で降りる人の多さに、規模の大きさを実感させられる。

こうして一歩ずつでも、元に戻っていけばいいなと願う。
(個人的に観客の変な叫び声とか聴かなくていいからこれはこれでいいんだけど)

直近で行ったライヴがポルノグラフィティのホール公演の1万2千人だったので、いきなりの7万人の会場は、入場した瞬間から大きさに圧倒された。

同時に「帰ってこれた」という嬉しさも込み上げる。
なんやかんやで相棒と日産スタジアムでミスチルを見るのは4回目だ。

今回ももちろんスタンドである。
アリーナに行ける日はもう一生来ない気がする。

席は二階スタンドでステージとは反対の北側だが、その分ステージを正面に見れたので、演出をじっくり堪能することができた。

定刻を10分ほど過ぎて、会場にはストリングスの音が響く。曲は"優しい歌"だ。

その後に映像が流れる。森の中をさ迷う男女、そこに回転ドアがあって2人は交差する。
カメラアングルなどを含め「回る」ということが、このライヴのキーであることが示される。

ステージ中央に設置された、いくつもの縦長LEDスクリーンは可動式で、下に降りるとステージを隠す幕の役目を果たす。映像が終わり、あのギターリフが鳴った瞬間、場内にどよめきが起きた。



1. 終わりなき旅



完全に意表を突かれた。
普段なら大体最後の方でやるイメージなので、全く想定してなかった。やめて心の準備ができてない。

ということで初っぱなから泣きそうだ。
というか泣いてた。

肉眼で見えるメンバーは豆粒サイズなのに、ティラノサウルスサイズの音が容赦なく押し寄せる。

こんなの光景を喰らったら、若手ミュージシャンだったら「お前らこそ高すぎる壁だ」とギターを投げ捨ててるところだ。

もうこれで本編終わってもチケット代の元を取ったなと思っていると、曲の最後で桜井和寿は言った。

桜井:物事には終わりがあります。けれど、だからこそ今この瞬間、奏でる音を、声を大切にしていきたいと思います。
僕らが、Mr.Childrenです。


ズルい。反則だ、こんなオープニング。

ここで語られる「終わり」が「回る」と並んで、もう1つのセットリストの核となるテーマになっていく。

その1つがおそらくこの"終わりなき旅"から始まるオープニングで、当日は頭が飽和して忘れてたけど、Mr.Childrenが初めて横浜国際競技場(現:日産スタジアム)でライヴを行った2004年の「シフクノオト」ツアーの1曲目が"終わりなき旅"だった。



そして前回ここで見た25周年は"終わりなき旅"で終わったのだ。


2. 名もなき詩
3. 海にて、心は裸になりたがる
4. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌
どの曲もイントロから大きな反応が会場に響く。

容赦なく放り込まれるヒット曲たち。
ちょっと待ってと言う間もなく、ライヴの幸せに飲み込まれていく。

その間で改めて"海にて、心は裸になりたがる"はライヴ化けするなと痛感させれる。感覚的には、もはやほぼ音源とは別物の印象だ。

あと、たしか"シーソーゲーム"の時だったかな。

桜井:この一週間ずっと天気予報を見てました。そうしたら土日は雨予報で、そうかと思ってたんだけど、この天気。これ以上ないです。

と語っていた。


桜井:僕らの代表曲をやりたいと思います。もう何回も何回も演奏してきたけど、それだけ皆さんとの思い出を重ねた曲でもあります。そしてまたそんな思い出を上書きしたいしたいと思います。
いつもみんなの胸に流れているメロディ、そうなってくれました。

MCを聴きながら(代表曲どんだけあると思ってんだ)と思ってた。


5. innocent world
揺るぎない代表曲。いつもは一番のほとんどを観客に委ねるけど、今回は桜井和寿が歌い上げる。
けれど最後のサビ、センターステージで桜井和寿は改めて僕らにそれを委ねた。


いつの日もこの胸に流れてるメロディ


決して会場には響かなかったけれど、一人ひとりの胸の中でたしかに流れたメロディは、空気に乗らなくともステージには届いていた。


桜井:みんなマスクして、声を出せなくて、唄うこともできなくて。本当はみんなの歌が聴きたかったです。

たぶん会場のファン全員「むしろあなたがちゃんと唄う"innocent world"ずっと聴きたかったんだよ」と心の中でと思ってた思う。


桜井:それでも、みんなが声が出せない、唄えないなかで楽しそうにしてくれているのが伝わってきます。
こうしてホームである日産スタジアムに帰ってこれて、「ただいま」「おかえり」という気持ちを込めて、次の曲をお届けします。


6. 彩り
完落ちである。とても大好きな曲だけれど、タイミングとかでライヴでは聴いたことがなかった。それがようやく叶ったのだ。

歌詞としては自分のことに当てはめて重なるものもあるが、やはりこれはMr.Children、桜井和寿の想いそのものを唄っている曲である。

なんてことのない作業が
回り回り回り回って
今 僕の目の前の人の
笑い顔を作ってゆく

「回る」というテーマを音楽そのもので語っている"彩り"は、まさにこのライヴに相応しい曲であった。それはステージのメンバーの嬉しそうな顔を見れば明らかだろう。


桜井:ありがとうございます。めちゃくちゃ気持ちいいです。今この瞬間の想いが途切れませんように、そんな想いで次の曲を演奏します


7. 口笛
ほぼほぼ予告先発みたいに、曲前のMCで次の曲はわかるんだけど、いざイントロが流れると毎回やられてしまう。助けて。

人は歳を重ねるたび、途切れることが途絶えることになることが増えてゆく。そんな中で、重ねてきた30年という月日が今に繋がっている。

どこまでも情景描写が美しい曲だ。
負けないくらい、見下ろす日産スタジアムの光景は美しかった。


曲が終わり、センターステージで慌ただしくセッティングが開始される。

桜井:みんなの真ん中で何曲か演奏します

桜井和寿、田原健一、SUNNYの3人がセンターステージへ。
ステージにつくと、桜井和寿がそれぞれを紹介。

桜井:"あの2人"はいません。次の曲はゆったりした曲なのであの2人には「出てって」と言いました。僕も座らせてもらいます。なぜ座るかというと、車の運転席の座っているイメージで。デビューして30年で、それより前からあった古い曲です。それだけに、みんなの想いが詰まっていると思います。


8. 車の中でかくれてキスをしよう
アニバーサリーのシングルが多いライヴの中で、こうしてファンをちゃんと殺しにくる曲も並んでいる。エグい。
名曲なんだけど、名曲と言いたくない。自分のなかで大切にひっそりと抱えていたくなる、そんな曲だ。

それと田原健一がアコギを弾いているのが、珍しいなと思った。

桜井:ありがとうございます。では、あの2人を呼ぼうと思います。出てきてー!(ちょっと間があく)出てきて?

あの2人が現れ、センターステージに。
そして流れるイントロに会場から悲鳴に近い溜め息が溢れる。

9. Sign
センターステージから全方位に響くSign。
この調子でイントロごとに心拍数上がったら死ぬんじゃないかと心配になってくる。

時間の美しさと残酷さを知る

という歌詞があるけど、ここで響いたのは間違いなく、重ねた時間がもたらした至福の美しい音だ。


映像が流れ、メンバーは元のステージへ戻る。
そして、桜井和寿がアコギを鳴らし、唄い出す。






10. タガタメ
世界がこんな状況だから、こんな時代だからこそ、聴きたかった、やって欲しかった曲。
映像はちょっとロシアン・アバンギャルドっぽいコラージュで、あえて明るい色彩を強調した映像になってて、それがむしろ曲のメッセージをより強める効果になっていた。

"タガタメ"は当時日本で起きた子どもが被害に遭った事件たち、そしてアメリカのイラク侵攻が元になっている。

子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき
かろうじて出来ることは
相変わらず 性懲りもなく
愛すこと以外にない

終盤の叫びに近い歌。
ただ、ただ音楽を愛して。ただ、ただ音楽を信じて、重ねてきた30年という月日。

音楽は問い掛けだ。
言葉と文字を超えて、その音と歌は僕らの心に突き刺さっていく。

そしてそんな曲の後に何を演奏するのか、それこそが重要だよな、と"タガタメ"を聴きながら、実はそんなことを考えていた。


11. Documentary film
それが"Documentary film"だとわかり、感嘆の想いだった。

ある時は悲しみが
多くのものを奪い去っても
次のシーンを笑って迎えるための
演出だって思えばいい

この歌詞は決して綺麗事ではない。
"タガタメ"から続けて聴くことで、そのメッセージはより強くなった。たとえば天災が、たとえば戦争が、たとえば事件が、たとえば疫病が僕らの生活に暗い影を落とした時、それでも前を向かせてくれたのが、いつだって音楽だったのだから。

この曲の歯車の映像もまた印象的だった。おそらく時計の歯車のイメージだったと思う。


12.  DANCING SHOES
もしかしたら、1番聴けて嬉しかった曲かもしれない。アルバム「SOUNDTRACKS」が、本当に大好きで、それは何より1曲目の"DANCING SHOES"にやられたからに他ならない。だからこそ、アルバムツアーがなかった(おそらくご時世的にできなかった)ことが、とても残念だった。

だからこそ、こうしてライヴで聴けた喜びが胸を満たしてくれた。その音は想像していた何杯も強烈に脳ミソを揺さぶってくる。

「半世紀へのエントランス」と題されたツアーで、「四半世紀やってりゃ色々ある」という歌詞の曲をやってくれたことの喜び。
欲をいえば、他の曲の映像は曲から派生したモチーフをうまく使っていたけれど、この曲は鎖で繋がれた女性が踊るという、わりと歌詞そのままの映像だったのが残念ではあった(個人的に歌詞のモチーフをそのまま使う趣向の映像が好きではないため)。


13. LOVEはじめました
無機質に淡々とした機械声がタイトルを告げる。
ひねくれているようで、実は真っ直ぐな曲だ。ライヴでの熱量が加わると、とても肉体的な印象に変わる。

そんな事を思っていたら、この曲終盤で火が出る演出があった。ホール以下の小さい規模のライヴを見ることが多かったので、こうした半野外のスタジアムで、大掛かりな特効を味わえる幸せ。
こんな光景が、また帰ってきてくれたことが嬉しい。


14. フェイク
15. ニシエヒガシエ
16. Worlds end
攻撃的な曲が続く。暗くなってきた会場に、照明の演出もそれに合わせて明滅が強くなる。これだけ唄ってきて尚、桜井和寿は左右へ会場を駆け回り、衰えぬ歌声を聴かせる。優しいMr.Childrenもいいけれど、やはり攻撃的なMr.Childrenは、最高だ。

演奏の熱量も高まって、本当に見所ありすぎて目と耳が足りない。

ちなみに「"Worlds end"やって欲しいなと思っていたので、やってくれて嬉しかったです」と小学生の作文みたいな感想を書きたくなるほど嬉しかった。
花火が上がったのは、この辺りでしたっけ?


桜井:新しい曲を聴いてもらいます。たくさんの曲をやってきて、何年もみなさんに大切にされたことを感じて。この曲も、皆さんの想いを受けて、これからどんどん愛されて大きくなっていけばいいなと思います。

17. 永遠
タイアップに寄せている歌詞だと思うので、ちょっとそこまで入れ込んでは聴けていなかったのだけど、こうして改めて聴くと。

時は行き過ぎる
そこになんらかの意味を
人は見出だそうとするけど
冗談が過ぎる

という歌詞が、皮肉なようでいて、重ねた日々への感謝のようでもあると感じた。もちろんそこに。

たとえ神様であっても
死ぬまで許さない

と続くのが痛烈で、痛快だ。


18. others
このタイミングで演奏されたことも驚きだったけれど、それよりも驚かされたのが、アレンジだ。

曲としてはセンターステージでやってもおかしくない、しっとりと切ないものだけど、間奏が大幅にアレンジで追加され、とてもダイナミックな展開になっていた。

アレンジてか魔改造だろ、あれ。


19. Tomorrow never knows
イントロで崩れ落ちてた人がいた。当然、自分も「あぁ、きた」と心を身構えるような気持ちになる。

会場に掲げられた手の数だけ、それぞれの人生の"Tomorrow never knows"がある。そこには間違いなく、目に見えない強いエネルギーがある。ヒット曲をヒット曲たらしめるのは、そういうことなのだ。

そうした想いはたとえ言葉にしなくとも、表情に、沸き起こる拍手に、全てが詰まっている。これこそが、音楽が人と人を繋ぐということなのだ。

コロナ禍に入って、出口の見えない暗闇が僕らを包んだ。けれど、その先には、またこうして7万人が作り上げた景色が広がっている。決して幸せで、これで良かったと言い切ることはできないかもしれない。

けれど、暗闇の中に伸ばした手が掴んだものは、少なくとも癒えることのない痛みを引き連れて辿り着いた、1つの答えなのだ。


すっかりクライマックスのように語ってしまったけど、本編はまだ終わらない。というか、終盤ずっと「本編最後の曲です」みたいなテンションが続いたので、感情が追いつかない。


20. 光の射す方へ
イントロの激しいアコギがゾクゾクさせられる。
まさに"Tomorrow never knows"で手を伸ばした暗闇に射す一筋の光のように、曲に導かれるように。


散らばってる点を拾い集めて
真っ直ぐな線で結ぶ

 

30年の歴史を紐解き、並べられた曲たち。
なるべく最大公約数が喜んでくれるよう、願って演奏された曲たち。

30年の軌跡を辿るように、7万人一人ひとりの人生を辿るように。その点がいま線となって、この日産スタジアムへ繋がっていた。


桜井:まだまだ行くよ


21. fanfare
22. エソラ
楽しい、どこまでも楽しい。ここまで20曲だけど、全体的に濃いせいか、体感としては30曲くらい聴いた感覚だった。
それでもまだまだ終わらない宴に酔いしれる。
特に"fanfare"はここで聴けて、こんな幸せに満ちた気持ちになれることが、本当に嬉しい。

"エソラ"ではテープが飛んでいたけど、もちろん二階スタンドの自分には届かなかった。余ってる人は一報ください。
それにしても"エソラ"って、昔はあんまりしっくり来なかったんだけど最近は普通に好きになってきた。歳だろうか。


桜井:たくさんの曲をお届けしたくて、最後に何を聴いてもらおうか、ずっと考えてました。2年間待っててくれて、握り続けてくれてありがとう。


23. GIFT
この曲について、どうしても思い出すのが25周年「Thanksgiving 25」のMCだ。
序盤で"GIFT"を演奏する前に桜井和寿はこう言った。

『Thanksgiving』と題しているとおり、何をやるのか期待していることでしょう。今日はその期待を遥かに、遥かには言い過ぎ? いや、遥かに越えるように考えに考えてきました。その中でこの曲は外せないなという曲をやりたいと思います

それだけMr.Children、特に桜井和寿にとって大切な楽曲であるとわかる。

Mr.Childrenにとって、音楽とはギフトなのだ。
それはもちろん、受け取る僕らに対しても掛け替えのないギフトでもある。

25周年の、あの時とは違う。
最後の合唱は、会場に響くことはない。けれど、そんな必要はないくらい、みんなに聴こえていた。

モノクロな僕の毎日に
~"彩り"


ほら 一番きれいな色
今 君に贈るよ
~"GIFT"

それは、まるで"彩り"へのアンサーのように。
音楽に限らず、趣味とは人生に色を付ける行為なのだと思う。中にはモノクロがいいという人もいれば、僕のように趣味で破産しかける人間もいる(ギターはほどほどに)。

どっちが正しいとかそんなものはなくて、ただどれかを選びながら、人生は進む。
色が答えではない。色を答えにしていくのが人生なのだ。

20数曲に凝縮されたMr.Childrenの音楽たちは、それでも溢れんばかりの色彩を放っていた。
どこまでも純粋に、音楽の喜びを奏でる彼らだから、僕らはMr.Childrenの音楽を愛しているのだ。

無限にある色から、これから何色を選ぼうか。




アンコール




桜井:たくさんの曲を聴いてもらいたくて、どんな曲がいいか考えてきました。「あの曲やってくれてよかった」とか「あの曲聴きたかったけどやらなかった」とか。その中で「これが聴きたかった」と言ってもらえるように、次の曲を演奏します。


24. HANABI
みんな声は出せないのだけど、それでもどうしようもないほどの悲鳴に似た歓喜に沸く。元々の人気をもってしても、1番反応が大きかったと思う。
なぜかと思ったら、その前のドーム公演ではやってなかったんだね。だからか、まさに桜井和寿の思い通り(狙い通り)だ。

本当に凄いと思うのが、あれだけ90年代にダブルだ、トリプルだとミリオンヒットを飛ばしてたMr.Childrenで、サブスクリプションの1位の曲が2008年にリリースされた、この"HANABI"だ。

お世辞抜きに、本気で今の若い子にさえ通じる共通言語となっているのが、この"HANABI"だ。最大公約数とは、このことかもしれない。


メンバー紹介・MC
※すみません、さらに記憶がめちゃくちゃ曖昧です。ニュアンスが伝わればと思います


桜井:まずはキーボード、そしてヴォーカル。
長い付き合いになりました。彼が僕の歌のハモりを入れてくれるおかげで、僕は自由に唄うことができます。キーボードそしてヴォーカルSUNNY。


書くタイミングなかったんでここで書くけど、SUNNYのキーボードもハモりは、今回も本当に見事だと思う。しっかり出すとこは出しつつも、バンドの支えに徹する姿は毎度職人芸だと思う。


鈴木:ここで普段言えない方々へ感謝を。まずは、見てください、このステージ。最高でしょう?うちのスタッフは日本一! 終わったらこれをバラして、昼まで掛かるんですよ。みんな見えないけど、少し見える人もいるけど、陰ながら支えてくれるスタッフに感謝を。
そして、家族、友人、昔から支えてくれた方、デビューしてから支えてくれた方。それともう会えなくなってしまった方、すべてに感謝を。
そして! なにより、君たちがいなければ我々はステージに立てません!いつもありがとう!


ちなみにJENは前日MCで噛みまくったらしく時折セルフツッコミを入れてた


桜井:続きまして、ベース中川敬輔
※ここでナカケーが「JENのこのテンションの後やるのか…」とボソっと溢したのがウケた

中川:いつも各会場のアンケートを読んでいて「いつもありがとう」と書いてくれてることが多いんです。けれど僕らの方こそありがとうなんだけどなぁと思います。
今日もみんなの手拍子とかが僕らを包んでくれて、とても幸せです。
僕らの出したい音、やりたいことをこれからも続けて、みんなの声が僕らを導いてくれれば、これから40年、50年とやっていけると思います。


ナカケー優しいよ、ナカケー……
このMCが本当に良くて。


田原:繰り越しになりますが、たくさん曲をやってきて、みんなの想いが、湖面、湖面じゃないか海面みたいにみんながキラキラとして見えました。これからも皆さんの生活に一歩でも近づけるようになればと思います。いつまでできるかわからないけど、これからもよろしく。


田原さん※が喋っただけで嬉しいギターオタク。
※敬称略だが自分の中では「田原さん」が固有名詞である


桜井:今日はありがとうございました。
こうして日産スタジアムに帰ってくることができて。今までは当たり前に、いや当たり前ではないんだけど、普通にスタジアム公演をやれていたのに。次に会うときはマスクを取って、デッカイ声で唄いましょう。その時まで。そんな気持ちを込めて、最後の曲をお届けします。


25. 生きろ
実はここで初めて聴いた新曲。
明確な意図があったわけではないけど、なんとなく自分の中でそれが正解な気がしていたのだ。

瞼腫らして
泣き明かした夜は
薪をくべた炎の中で揺れている

瞼を腫らし、涙を流し、祈るほかにないのか?という悔やみ、苦しみ。

自分は小さな点(いのち)の一つでしかない
その当たり前を突きつけてくるんだ

散らばってる点を拾い集めて、つないだ線。


僕はアルバム「重力と呼吸」で、

それに伴って歌詞の書き方も変わってきた。「重力と呼吸」では、生きるとは、自分とはという大きなメッセージは影を潜め、ごく身近で具体的な景色を歌う歌が目立つ。

──リスナーの想像力をあまり信用していないっていうか、もうきっとここまでのことを深く掘り下げて書いても理解しないだろうな、ただ通り過ぎていかれるだろうなっていうのがあるんです。だから、意図的に淡泊に言葉を書いているところはあります

こう語った桜井和寿に、本当に悲しみを抱いた。
その音に、その歌に、その言葉に支えられてきた人間にとって、これほどの悲しみはなかった。だからこそ「SOUNDTRACKS」の"DANCING SHOES"に涙したのだ。

そして、今のMr.Childrenが音で語った想い。

ここから
またひとつ 強くなる
失くしたものの分まで
思いきり笑える
その日が来るまで

心打たずにいられるだろうか、胸揺さぶられずにいられるだろうか。

そして紡いだ想いがたどり着く、たった三文字のメッセージ。

これ以上ない想い。

生きろ

30年の月日があった。
彼は小脳梗塞で、その歩みを一度止めた。

それでも音楽界のトップランナーとして、その喜びを伝え続けてくれた。

語弊を恐れずに言えば、僕らがMr.Childrenに惹かれるのは、彼らもまた決して完璧な人間たちではないからだ。
欠けてるものがない人間なんていない。だからこそ、僕らは人と繋がって、その隙間を埋めていく。

欠けているものが多いからこそ、たくさんの隙間を、音楽が埋めてくれる。

満たされるとは、そういうことなのだと思う。


その音楽に触れることで、日常に少し色が付いたり、辛い時に少し前を向かせてくれる。僕らはそうやって、人生を歩んできた。


もう、音楽を不要不急だという人はいない。

鈴木英哉の言葉にあったように、ステージを造り上げたスタッフも、集まったファンも、演奏するメンバーも、それぞれの人生で、それぞれの選択をしてここまできた。

誰も、不要なんかじゃない。

ここに集まった笑顔がそう語っている。

それを知っているから、僕らはまだ見ぬ明日を恐れず生きていける。

そんな日々が、これからも続く、これから始まる。

だってここはまだ、半世紀へのエントランスなのだから。


Mr.Children 30th Anniversary Tour「半世紀へのエントランス」
@日産スタジアム Day.2 2022/6/12

【セットリスト】 
1. 終わりなき旅
2. 名もなき詩
3. 海にて、心は裸になりたがる
4. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌
5. innocent world
6. 彩り
7. 口笛
8. 車の中でかくれてキスをしよう
9. Sign
10. タガタメ
11. Documentary film
12. DANCING SHOES
13. LOVEはじめました
14. フェイク
15. ニシエヒガシエ
16. Worlds end
17. 永遠
18. others
19. Tomorrow never knows
20. 光の射す方へ
21. fanfare
22. エソラ
23. GIFT

24. HANABI
25. 生きろ




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