ヴァイオリニストのNAOTOのデビュー20周年ライヴを見届けた。
NAOTOの52歳の誕生日でもあった3時間半に及ぶセレブレーション、自分はポルノグラフィティに関する部分についてレポを書いておきたい。
と思ったのだけど、全編素晴らしかったので後半で、思い出せる限りダイジェスト的に箇条書きで残しておきます
※いつもどおりMCは記憶からの雰囲気再現なので、実際は言い回しが違ったりしてると思います
ポルノグラフィティ
2019年ポルノグラフィティの20周年を祝う東京ドーム公演2daysの2日目。センターステージにNAOTOがサプライズゲストに現れた。
そして2025年、今度はNAOTOのデビュー20周年の舞台にポルノグラフィティが駆けつける運びとなった。
ポルノグラフィティはこの翌日に北海道の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in
EZO」に出演という結構な強行スケジュールである。
たしかNAOTOもポルノ20周年の時に前日とかに本人のライヴが入ってたと思うので、お互いそれでも出たいと思っての出演と思うと胸が熱くなる。
ポルノグラフィティの紹介がされると、「これポルノの単独か?」という歓声。そもそもポルノグラフィティ経由でNAOTOのファンになったという方も相当数いると思うので、それも不思議ではないが。
ヴァイオリンの音色から、岡野昭仁がアカペラで歌い出す。
”サウダージ”
やはり来たか。ドヤれるのはここまでだったので、唯一腕組みして味わう。
こうしたイベントにおいて、やはりこうした最大公約数に伝わる曲の力というものは、掴みとして強すぎる。
久しぶりのNAOTOのヴァイオリンによる”サウダージ”ということで、「あぁ、これだ……」という気持ちになる。
しかしながら、今回はバックバンドがNAOTOのバンドメンバーなので、いつもとはまたひと味違った印象で、よりアダルトな印象を受けた。
国際フォーラムの隣の棟まで聴こえるんじゃないかという岡野昭仁の歌声に圧倒される。
新藤晴一はテレキャスターを弾いていて、アレンジされることが多いギターソロも今回は原曲寄りのものになっていた。
熱量がまた一段と上がった場内。キーボードの音色が流れ、あの曲のイントロが流れる。
”うたかた”
たぶんイントロ冒頭数秒、気を喪った。
いくらなんでも反則すぎる、こんなことがあっていいのか。
NAOTOが二胡を弾いている。
これが意味するものは、僕にとってあまりに大きい。
2005年6月。場所はまさにこの東京国際フォーラムAホール。
「C1000タケダ Presents 7th LIVE CIRCUIT "SWITCH"」
所謂「春SWITCH」と呼ばれるツアー前半戦のライヴだ。
僕はここで人生2回目のポルノグラフィティのライヴを目撃した。
そこで僕はNAOTOが二胡を演奏した”うたかた”を聴いていたのだ。
それが、20年の時を経てまた同じ場所で見ることができて、ちょっとこれは泣くなという方が無理だった。
そもそもこういうイベントでこんなレア曲ぶち込んでくれるな。
「暁」ツアーの時はアレンジされていたので、こうして原曲寄りのアレンジはかなり久しぶりだと思う。
翌年の横浜スタジアムはヴァイオリンで、2009年の東京ドームは琴によるアレンジだったし。
二胡のオリエンタルな音色が会場を独特の世界観へ誘う。
イントロがきたときの会場のどよめきが、もう完全にファンの反応なのである。みんな、やってるな。
NAOTO:ポルノグラフィティ!
岡野昭仁:こんばんはポルノグラフィティと申します。ヴォーカルの岡野昭仁です!そしてギター新藤晴一!
NAOTOくん20周年おめでとう!
NAOTO:最近ね、会ってもお互い病院の話とかそんなんばっかりで
昭仁:病院に、保険に
NAOTO:健康に
昭仁:あと薬
NAOTO:薬ね。お互い歳をとりましたねぇ
NAOTO:さっきやった”うたかた”という曲で僕は初めて二胡を弾いたんです。しかも付いてたペライチの説明書だけ読んで。それから何とか弾けるようになりました
NAOTO:ポルノグラフィティは自分にとってとても大きくて。2人はバンドメンバーだからって、ステージから下ろしてくれないの。
普段ストリングスって演奏ないときはステージから捌(は)けるのよ。捌けるってのはステージから下りることね。だって、やることないから。けど、ポルノは「バンドだから」って理由で下ろしてくれない。周りを機材で囲ったり
昭仁:出られなくしてね
晴一:シェーカーとかやってましたもんね
NAOTO:あとポルノグラフィティで思ったのは、みんな何でできないところを練習しないんだろう?って
昭仁・晴一:(大爆笑)
NAOTO:だって1小節できないところがあるなら、そこだけ練習すればいいのに、また頭からやるの
昭仁:ストイックじゃね
NAOTO:「こっちは時間で雇われてるんだよ、高いよ?」ってずっと怒ってたもん
晴一:NAOTOさん、それはロックだからです。
晴一:でもNAOTOさん、芸大の音楽科出てこうしてロックバンドのライヴに出るってどんな気持ちだったんですか?だっていきなり後ろにポンプさんがいるわけでしょ? ポンプさんなんて、ド・ロックな人じゃないですか。芸大だと打楽器科とか?
NAOTO:たかしが打楽器科ですよ
昭仁:おお、たかしー!大きくなって
たかし:1つしか歳違わないじゃないですか
昭仁:そうね
たかし:昨日、YouTubeの対談見たんですけど、俺参加したの「D4-33-4」(2ndツアー)ですね
NAOTO:そうそう、その頃に俺は渋公でたかしを客席から見てたの
2人には悪いけど、僕ずっとたかしを見てて「たかし、こんな大きなところで叩いてるなんて」って泣いてた
昭仁:こんなに話してて時間大丈夫なんですか?
NAOTO:大丈夫、あなたたちが最後のゲストだから
昭仁:清塚さんの話で押してるんじゃないですか?
NAOTO:清塚くんはあれでも今日は気を遣ってくれた方よ
昭仁:あれでですか
NAOTO:あれでもね
NAOTO:ポルノグラフィティにはあと2曲お付き合いいただきますが。次の曲は、どうしても僕のワガママでやらしてもらいたいと言って。演奏というよりは、こんなに演奏中に身体を動かしたりとかいうことは、あまりなかったんです。それがポルノグラフィティに参加して、(踊りながら)こんな動きをするようになった
実は僕とnang-changで手を振ったりとかやってたんですよ?
昭仁:そうなんだ
NAOTO:だから次の曲でたくさん身体を動かしたいなって
昭仁:次の曲では、サビで変な踊りがありますので、皆さんも良かったら踊ってください。すぐに覚えられます
”ミュージック・アワー”
MC中からもうみんな〝察して〟ザワついていた。
当日もとても暑い日だったのでド夏に聴く”ミュージック・アワー”は爽快だ。
やっぱりこれ単独だろってくらいみんな動きが揃ってる。もう完全にポルノグラフィティの世界に引きずり込まれている。
NAOTOのライヴだから半分ホームみたいなもんだろうとかも思うんだけど、ロッキンとかそういうフェスでもそうだから、もはやポルノグラフィティという吸引力がおかしいのだ。
宣言どおりNAOTOもとても身体を動かしていて、バンドメンバーたちも思い思いに動いている感じがとても楽しい。
NAOTOは曲中のダイヤルとか恋する♡ウサギちゃんなんかもノリノリでやってた。
そのまま流れるサウンドに場内からまた歓声。
♪幸せについて~本気出して~
昭仁:考えた、探していた
”幸せについて本気出して考えてみた”
実はライヴに向けてNAOTOのYouTube動画を見返していたときに、”サウダージ”と”幸せについて本気出して考えてみた”の1人で弾いてみたの動画も見ていたので、やってくれて本当に嬉しい。
吹き抜ける音、突き上げる拳が会場を貫く。
身体中から幸せが溢れ出すくらい、ただただ楽しい。なんて幸せなライヴなんだ。
つまらないこと、嬉しいことを繰り返すことが人生だとしても、ライヴという場所はいつだって僕らの人生を勝ち越しさせてくれる。
溢れるほどの幸せを抱きしめて、僕らはまた今日を生きていく。また次の幸せを探して。
いつ以来だろう?というギターソロの新藤晴一とNAOTOの向かい合った掛け合い。
向かい合わせではなかったけど、アルバムバージョンだったからか2006年の横浜スタジアムを思い出した。
終盤でドラムのたかしこと、齋藤たかしがスティックをクルクル回しながら楽しそうに叩いてたのが印象的だった。
右腕が死ぬとしてもアウトロを永遠に聴いていたい。
拳を振り上げてる時に岡野昭仁が「みんなでNAOTOへ届けよう」と捧げて、岡野昭仁もイェーイってNAOTOに手を振ってたんだけど、途中からNAOTOも煽り返していて楽しかった。
すごく欲をいえば、「ビタスイ」とかロマポル幕張みたいな、追加アウトロのヴァイオリンがとても好きだったのでそれが再現されたらなと思ったけど、それは贅沢な話である。
改めてポルノグラフィティとNAOTOの化学反応の素晴らしさを噛み締め、これが当たり前のように毎回味わっていた過去に思いを馳せる。本当に贅沢だったな。
こうなったらポルノグラフィティの30周年ではNAOTOに是非フルで戻ってきてほしいものである。
ポルノグラフィティはアンコールでも登場したので、そこに話を移したい。
【アンコール】
NAOTO:アンコールありがとうございます。
この後にステージメンバーの紹介。
伊藤ハルトシ(Gt,Vc)
⼭⽥章典(B)
⼤⾕舞(Vn)
齋藤たかし(Dr)
⽥中義⼈(Gt)
松本圭司(Key)
みんな本当に凄すぎて「うめぇ」「すげぇ」しか語彙力なくなる演奏。1人1人で金が取れるメンバーたちで、なんて贅沢な時間だったんだろう。
NAOTO:そして、今日歌ってくれた人達を呼ぼうと思います。ポルノグラフィティ!
歓声とともにポルノグラフィティが再登場。
NAOTO:これも僕がワガママでお願いした曲をやりたいと思います。みんな歌ってください。
あとNAOTOの「あと何か言っておくことあります?」みたいなフリに、岡野昭仁が「告知的な?あったかな?」みたいなやり取りしてたの面白かった。
いや、新藤晴一がガットギター持った時点でマジで?と思っていたのです。
なぜなら始まる前に、うちの母が。
母:”アゲハ蝶”やるだろうね
と言っていたから。そこに自分は「いや、やんないんじゃないかな。たぶん”ヒトリノ夜”とか”瞳の奥をのぞかせて”とかだと思う」って言ってたんですよ。
あ、やるんだ、もうビビったよね。
うちの母こういう謎の直感があって恐ろしいの。
2016年の横浜スタジアムで初日行ったあと「1曲目本当に予想外だった」って話を家でしたら「ハネウマ?」って言い当てたの。第六感ある??
”アゲハ蝶”
もうやるものはしょうがない。
これもバンドサウンドがいつもと違って、新しい”アゲハ蝶”の姿を描いていたと思う。めっちゃ良かった。
音楽を通して愛し愛されたミュージシャンたちが奏でるサウンドは、夏の夜に優しく響いていた。
ちなみに僕はずっと内心で母へ「いま手をついているのですが」と思っていた。
ここから大黒摩季を再びステージへ呼び込み”ら・ら・ら”。
実は本編の時に大黒摩季が1曲で曲の半分しか歌ってなかったのでちょっと心配してたんだけど、ここでしっかり歌い上げていて圧倒されていた。
途中で岡野昭仁もデュエット的に入ってゆく。
主メロの歌声も去ることながら、コーラスに回ったときのハモリも良すぎて、これ音源でリリースしてくれないかな。
2人ともとてもカリスマ性のある歌声なのに、こんなに美しく交わるなんて。
一昨日リリースになったばかりのultra luxe vintage。かっこいい。さっそく今日のなおとさんのライブで使ってみる予定です。 pic.twitter.com/mkySzq4tJC
— 晴一 (@blackcaster) August 15, 2025
ちなみに新藤晴一はここで満を持して最近手に入れたというテレキャスターを使用していた。いや、予告していた割に使わなかったんだなとか思ってたら、ここでやられた。
最後は繰り返し「今日も明日もNAOTOに会いたい」とこの夜限りの歌声をみんなに届けた。
あとここで世代別で歌ったりしてたんだけど、50代のところでしっかりポルノグラフィティ2人とも歌ってた。
音楽はどれも素晴らしいのだけど、改めてこうした「みんなが知ってる曲」の存在って、こういうイベントですごく大きいなと感じた。
ライヴは最後にケーキが出てきてみんなでハッピーバースデーを合唱して終演となった。
さて、ここからはポルノグラフィティ以外の部分のライヴレポをダイジェストで。
正直、最初はポルノのとこだけ書くつもりだったからより記憶が曖昧なので細かいニュアンスの違いはご容赦を。
【ライヴレポ:ダイジェスト】
会場SE
開演少し前にB'zの”LOVE PHANTOM”が流れて、本気で俺はビックリした。
幼少期にテレ朝で放送した「X-ファイル」が自分の人生の全てを決めたので、それと”アゲハ蝶”を同じ夜に聴くとかどうかしてる。
※”LOVE PHANTOM”が日本版のエンディングテーマだった
清塚信也
”チャルダッシュ”から。日本随一の腕前の音楽家たちが本気で遊んで本気で演奏してる姿がもうとんでもない。
清塚:NAOTOおめでとー!
NAOTO:ねぇキミ、打ち合わせで出てこないって段取りだったよね?
清塚:あれー?気づいたらここに瞬間移動しちゃってた
清塚:ほら見てぇこんな大きいところで。みんなチケット代支払ってきてるんだよ
NAOTO:やめなさい!
清塚:いやーさっきもお客さん手拍子してくれて、全然リズム合ってなくて。お兄のお客さん大丈夫かな?って
NAOTO:やめなさい!会場広いから時間差があるの!
清塚:そっかー!てっきりお兄のお客さんリズム感ないのかと
清塚:僕らは「のだめカンタービレ」で一緒になってねー。それから「一緒にクラシックやりましょうよ」って誘ってるのに全然やってくれなくて
NAOTO:清塚くん普段あんなだけど、ピアノは本当に巧いんです。日本でも有数の、世界に通用するピアニストで。
彼からクラシック一緒にやろうよって言われて、自分はそれについていけるように改めてちゃんと練習しなきゃって思わせてくれたんです
そんな感じでもう最高のMCの掛け合いだったんだけど、曲が始まるとピアノを表現の全てとして体現する圧巻の演奏。
特に2曲目のドラマ「コウノドリ」から”Baby,God Bless
You”はちょっと涙腺をやられた。
押尾コータロー
言わずもがなの日本随一のソロギター
NAOTO:さっき清塚くんが僕のことをお兄と呼んでいたけど、押尾さんはまさに僕のお兄さんのような存在で。
さっきの曲もギター1本なのにベースの音とか叩いた音とかが入ってて、本当は1人でも完結できちゃう人なんです。けど、今日は僕のリクエストで一緒にやらせていただきました。
実はそれを見ていて僕も1人で色々とできないかと試行錯誤するキッカケにもなりました
押尾:でもNAOTOくんのヴァイオリンを聴いていると、1人なのに主線でない時も色々な音が聞こえて、まるで弦楽四重奏みたいに聴こえますよ
NAOTO:……恐縮です
その後”Big Blue
Ocean”で観客席でウェーブしたり楽しかった。ギターの音色の可能性が無限大すぎる。
NAOTO:押尾くんには残ってもらって、本日のシークレットゲストに登場していただきます!
世良公則!
マジでビックリした。まさか世良公則を生で見られるとは。しかもリハなしの歌声だったと聞いてもっと驚いた。
ちなみに一緒に行ったうちの母は世代なのでもっと驚いてた。
DEPAPEPE
DEPAPEPEも初めて、ようやく見られて嬉しかった。
三浦拓也と徳岡慶也の2人によるギターの掛け合いがなんと心地好いことか。
押尾コータローからの流れからといい、ギターってなんて表情豊かな楽器なのだろう(清塚信也の目に入ったら絶対反論される意見)。
その2人に寄り添うNAOTOのヴァイオリンも、この夜で最もリラックスして明るかったと思う。
NAOTO:実はDEPAPEPEも20周年ですよね
三浦:そうなんです
NAOTO:そして明日はすぐそっちの日比谷野音でDEPAPEPEの20周年ライヴがあると。僕も参加させていただきます
まぁ、ここにいる人は明日来てくれると思いますが、ぜひ来てください。
三浦:明日出て貰うんで、ギャラは言って来いですがらね
NAOTO:内容は違うけど、これはセット販売みたいなもんですから
TEAM NACS(コメントメッセージ)
森崎:20年前の「COMPOSER~」の時から音楽をなってくれて
大泉:あれ?NAOTOくんが20周年で「COMPOSER~」が20年前ということは、我々そんなペーペーに頼んだってことですか!?
森崎:いや、デビュー20周年だけど、その前から音楽活動はやっていたから
大泉:あぁそうでしたか。てっきりいきなりペーペーに頼んだのかと
森崎:クラシックだけじゃなくて色んなジャンルに精通してるってことで紹介されたんです
シゲ:私事ではありますが、NAOTOさんは僕の披露宴でも演奏してくれて。それに亡き母のためにソロコンサートまでやってくれて。頭が上がらないです
大泉:NAOTOくん持ち上げるのはそれくらいで
いいんじゃない?あのとっつぁん坊やがねぇ。
大泉:でもNAOTOさんが全国放送の、某音楽番組で僕らの話題を出してくれてね
森崎:音楽を深堀りする番組ね
大泉:古田新太が色々と言う
森崎:特定されるからやめなさい
大泉:そこで「森崎さんの話は曲をつけるのは大変」って言ってましたよ
森崎:なんで急に観客の前で貶める?
大泉:NAOTOさんのことは僕は音楽ではなくカレーの師匠として見てますから。全国どこにいってもNAOTOさんに聞くとオススメのカレー屋さんを教えてくれる
TEAM NACSのメッセージ本当に面白くて、そのままYouTubeに載せてほしい。
そういえば3人が喋りすぎて安田顕と音尾琢真がほぼ話さないのも面白すぎた。
大黒摩季
大黒:バンドメンバー結構知ってる顔ばかり
NAOTO:北海道出身が多いんです。摩季姉も北海道ですしね
NAOTO:摩季姉は僕がそれこそストリングスの1番後ろにいる頃から名前を覚えてくれていて
大黒:「そこの金髪くん」って言ってた
NAOTO:名前じゃなかった……金髪で良かったぁー
大黒:ねぇNAOTOって名前紛らわしくて
NAOTO:紛らわしい?
大黒:だってもう1人いるじゃん、騒がしくて色が黒いのが
NAOTO:誰?
大黒:ナオト・インティライミ
NAOTO:あぁ、そういえば彼も同じ誕生日なんですよ。今日も誘うかと思ったけど、彼も誕生日だから……って
大黒:いや、アヤツの話で時間使うことはないって
”希望のうた~カワセミのように”
NAOTO:2011年の震災の後に福島県須賀川市というところを訪れて、そこで「NAOTOさん曲を書いていただけませんか」というお話をいただきました。
「ぜひ」とは答えたんですけど、僕はインストの人だから歌詞は書いたことなくて、それで考えたらこんな無理なお願いを受けてくれそうな方が1人浮かんで
大黒:その当時、病気をして。そこからメディアとかがさぁーっと波が引くような感じで、周りの人も腫れ物に触るような感じになってしまって。落ち込んで、腐ってしまっていたの。
けど、唯一NAOTOくんからその話をいただいてすごく救われた。
私は作家で、歌い手とは思ってなくて。
NAOTO:いやいやいやいや
大黒:ううん。だから表現することとか、誰かにそれを求められるということが、本当に嬉しかった
”希望のうた~カワセミのように”は前半は歌詞がスクリーンに流れNAOTOが主線のメロディを演奏、後半は大黒摩季の歌が入った。
NAOTOとポルノグラフィティの対談でもあったが、普段はハスキーな声でありながら歌い出すとあの大黒摩季の歌声なのだ。一瞬で心を掴まれた。
話の中で病気のことにも触れていたが、自分もネットの情報レベルであるが「もう歌えないかもしれない」という状況もあったという。
ここ最近でもTHE YELLOW
MONKEYの吉井和哉が咽頭がんになったという件があり、生で歌声を聴けることのありがたみを何度も噛み締めてきた。
この夜も同じであった。
こうして歌声を聴くことができる、ただそれだけで幸せなことなんだということを忘れてはいけない。
NAOTO
そして何より、この夜の主役NAOTOである。
前にも書いたけど、この人のヴァイオリンが、僕にとっての美しいヴァイオリンの音色なのである。
クラシックの素養を活かして、それをヴァイオリンとしてポップソングに昇華する。それはなかなかできることではない。
Poper(ぽっぱぁ)として曲の構成もかなりj-popを意識していると思っていて、たとえ歌がなくとも多くの人に届きやすいと思う。
改めて、NAOTOの創るメロディは本当に心地好いと思って。個人的には”TWIN
DRAGON”(ギターも最高)、本編最後に披露したデビュー曲”Sanctuary”のメロディラインは本能的な音楽を聴く喜びをもたらしてくれる。
NAOTOは「色々な方に支えられてきた20年」と語っていたけど、NAOTOだからこそ色々な方がそれを支えていたのだろう。
そして観客に歌わせる場面とか時折しっかりと金髪鬼軍曹の姿を見せてくれて嬉しかった。
この夜に学ぶことは「音楽にジャンルは関係ない」ということだ。
ジャンルなど整理学に過ぎない。
音楽というものが、世代もジャンルも超えて1つに集約される。
3時間半というかなり長尺なライヴでありながら、こんな夜が終わってほしくないと何度思ったことだろう。まぁもうバスもなくなってタクシーに乗ることになったんだけど。
【おまけ】
最後にミュージシャンたちが捌けた後。
NAOTO:昭仁くん、捌ける方向、反対だったんだよね

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