2025年9月29日月曜日

※PW制【ライヴレポ】FANCLUB UNDERWORLD 6 横浜 day.2(夜公演)





ということでFC会員だけ見られるよう、パスワード制限を設けたのでFCUW6の内容について書いていくことにする。

普通にネタバレしていくのでご注意いただきたい。

横浜2日目の夜公演は18時開演と社会人殺しなので、当日は午後半休を取った。

2日目は昼公演もあるし、初日は19時開演なのにどうして……まぁ早く終わる分には助かったのだが。

会場はKT Zepp Yokohama。初めての会場だが、比較的アクセスは楽だし、何より音が良かったので良い会場だ。


入場。
整理番号が圧倒的終盤だったので、開き直って2階席へ。先に入っていた相棒と合流。

入場のとき、ライヴハウスとしてはあまりないなと思ったのが、整理番号で入ったあと、中でもう一度番号呼び出しがあったことだ。

なぜ二度手間を?と疑問だったんだけど書いてて気づいた。今回は身分証明がチケット+身分証+電子会員カードだったので、先にIDチェック終わらせたかったのか。


ステージには幕が掛かっていて「foo?」のコンセプトカラーのピンクをベースに「FCUW6」とか「PornoGraffitti」などの言葉が映って、たまに動いていて。

開場中のSEはなく、環境音的に”INNERVISIONS”のイントロのティリッティリッが流れている。


定刻になり客電が落ち、幕に2人のシルエットが映され、アルバムタイトル、トラックリストなどが出て湧き立てる。
曲名が動いて幕全体に映る演出からのタイトル→メンバーのリアルのシルエットが映る流れは、予測がついても気分が高揚しない訳がない。この瞬間を切り取って疲れた時に何度も見たい。


いよいよ幕が落ちた。
2階席でもよく見える、さすがライヴハウス。
こういう時、なんかいつも急いで幕を回収しているスタッフを見てしまう。

FCUW自体が本当に久しぶりだけど、テーマは分かっているし、正直にいえばあまり身構えてはいなかった。

しかしながら結果的に、終わってみたら今まで以上にノックアウトされることになる。


1. INNERVISIONS

アルバム順どおりに”INNERVISIONS”からスタート。
自分は2006年のポカリスエットのイベントライヴ以来。

岡野昭仁は原曲にも近いエフェクトがかったヴォーカルで、皮肉の効いた歌詞を高らかに歌い上げる。

昼公演も見ていた相棒からサポメンは先に聞いていて、玉田豊夢がドラムと分かったので、玉田豊夢が叩く”INNERVISIONS”に期待に胸を膨らませていたが、相変わらず想像以上のものを叩きつけてくれる。

実は最近知ったんだけど、原曲のドラムってずっと生ドラムだと思ってたら、実はこのアルバムで生ドラムを使っているのは"Report 21"だけなんだって。

あと新藤晴一がレスポールを弾いてくれたことも嬉しい。サンバーストのだったけど、1960年製のではないよね?(遠目だと判別つかなかった)

岡野昭仁の歌はちょいちょい歌詞があやふやな箇所があったものの、ライヴハウスで久しぶりに喰らう歌声に圧倒される。

ステージはシンプルで後ろには「Fanclub Underworld 6」とオシャレなフォントで出ていて、これが曲によって色が変化してりしていって楽しい。


2. グァバジュース

2009年の東京ドームぶり。
ちょっとこの後の怒涛の展開で正直記憶が曖昧なんだけど、それをもってしても、とても良かった。

全体的には統率され尽くした動きのラバッパーたちだがFu-Fu-のところは結構人によって分かれていたかな?と思う。

新藤晴一は引き続きレスポール。
僕はこの人の弾くレスポールで人生が変わったので嬉しい。

岡野昭仁はタンバリンを持っていてサビとかで足に打ちながらリズムを取って歌っていた。後で痛くならないのだろうか。
今年、某oasisのタンバリンヴォーカルを東京ドームで見られないことが確定しているので、この姿を目に焼き付けておく。


昭仁:みんな元気?わしらがポルノグラフィティじゃ!
秩序が、保たれてるね。みんなちゃんと自分のスペースを確保して最後まで楽しんでください!

晴一:元気ですか! 元気ですか!
いつもはもっと大きい会場で「後ろまで見えてるよ」って嘘をついてるんですが、今日は本当に後ろまで見えます!

晴一:アルバムが20……何年まえ?
昭仁:24年前だって
晴一:24年前って考えると。だって、当時はスマホもないし、Suicaもないし、地デジでもなかったでしょう。プレステも2くらいでしょ?
昭仁:セガサターンくらいですかね?
晴一:セガサターンかどうかは分からないけど
昭仁:そこ拾うんだ

ちなみにこの辺りとかも岡野昭仁がマイクなしで「おう」とか「そうだね」とか相づち打っているのが普通にここまで聞こえてきて面白い。


ふと客席から叫び声がして。

昭仁:おぅ!なんて言った?1回だけ反応してやるわ!1回だけね!
客席:因島行きました!
昭仁:ありがとう!さぁさぁ、キリがないから次に行きましょう


昭仁:今日は「foo?」に因んだライヴということですが、中にはライヴでよく演奏している曲もあります。そんな曲たちはいつも違う感じで聴いていただこうかと思っております。
原曲の感じで聴きたいって人もいるだろうけど、今回はそうさせてください。
ということで、次は限りなく生の音、生の声が届くように演奏したいと思います。”サウダージ”


3. サウダージ

岡野昭仁がマイクなしで歌い出す。
アレンジとしてはTHE FIRST TAKEベースの「ワズビル」ver.に近い。それ自体は何度か披露している。
しかしながら入りのサビを歌い終えて、バンドが入り1番Aメロへ入った瞬間、度肝を抜かれた。

岡野昭仁は再びそのままマイクなしで歌い始めた。え、まさかそのままフルで歌うつもり?

その、マジだった。

いくらライヴハウスとはいえ、後方にいる自分たちまでハッキリと歌が聴こえてくる。
たぶん腰辺りに下ろしていたマイクがほんの微かに音を拾っているようだけど、限りなく本物の生声の”サウダージ”だ。

何が凄いってこの日は昼夜の2公演あったのに、その夜公演でもこれをやってのけた。怖すぎる。

後にMCで「1日2公演でこれを歌い切れてよかった」と自分でも言うくらいチャレンジングなものだった。最後の転調とか最初に空を飛んだ鳥が飛べるほど鳥肌立ったもの。

バンドサウンドも歌に合わせてなるべく音を絞りながら演奏していた。

可能な限り削ぎ落としたことで、曲に込められた感情が剥き出しになっているように聴こえた。


やはり”サウダージ”って演奏回数はトップクラスに多くて、自分でも何度ライヴで聴いているかわからないんだけど。
それでも、これだけやってきた上でまだこんな姿を見せてくれることに驚かされる。音楽に完成はないのだ。



4. 愛なき・・・

以前、岡野昭仁の配信で弾き語りはあったものの、ポルノグラフィティとしては2006年の横浜スタジアム以来。

1つ前が生音に近い”サウダージ”からこのズシンとしたバンドサウンドの落差よ、静と動を使い分けた流れが上手すぎる。イントロのドラム入った瞬間に震えたもんな。

原曲との差でいうと、おそらくこれが1番大きかったんじゃないかな。アレンジというよりは、精神面の印象として。

原曲にはまだ若さ故の危うさみたいなものも混じっているけれど、今のポルノグラフィティが奏でるそれは違っていた。ここで感じたものは今回のライヴの根底に通ずると思う。

言葉にするのが難しいのだけど、感覚でいえば当時の”アキヒト”を今の”岡野昭仁”が歌うってメタ的な視点が強く入っているように感じた。

なんというか、本人たちの曲なのだけど当時のポルノグラフィティをカバーしてるみたいな聴こえ方をしたんだよね。いつものロマポルとかツアーで昔の曲を演るのとは少し違っていた。

もうちょっと言えばやはり”VS”で過去の自分と向き合うものにも通ずると思う。

仮に同じフレーズを弾いていても、重ねた年月がもたらす音の説得力は、原曲とはまた違ったものになっている。

そうした時に”愛なき・・・”は特に、現在のより大きくなった包容力をもって包み込んでいた。
まさに最後のサビに出てくる「強烈なエナジー」そのものであった。

新藤晴一はたぶんジミー・ウォルシュのレスポールJr.かな?を弾いていた(たぶん)。


次は”オレ、天使”がくると構えていると。
最初の天使の前口上でいきなり「あ、オレ、Cupid」と告げられる。嘘でしょ?????

天使の語りの内容は今回のツアーに合わせて「これだけやってきて、ファンクラブツアーがまだ6回目ってどういうことだ?」とか入ってて笑えるんだけど、本当に来るの?と疑心暗鬼でいたから、ちょっと頭で覚えきらなかった。


5. オレ、Cupid

やりやがった!マジかよあの野郎ッやりやがった!(画像略)

戦慄した。

本当に”オレ、Cupid”来るんだもん。
この曲は後のMCで岡野昭仁が「詳しいことは語りませんが」と言っていたので、代わりに僕が語ろう。

ポルノグラフィティの4thライヴサーキット 「Cupid (is painted blind)」(2001~2002)で披露されたツアー限定のアレンジバージョンである。歌詞もアレンジも全く異なっている。

僕は初めてライヴに行ったのはもっと後だし、この辺りは映像作品としても発売されてない時期なので知らない人も多いと思う。
自分もほとんどは知識として知っているだけで、記憶も朧気だけど、以前に衛星放送でこのツアーが特番されたものをダビングしてもらったくらいなものである。

まさか令和の世に復活するとは思ってもみなかった。

ちょっと話がそれて申し訳ないのだけど、ドレスコーズというバンドがいて。
そのヴォーカルの志磨遼平(しま りょうへい)という人が「ロックバンドのライヴは再現性を求められないのに、演劇は再現性が許される」ということを以前言っていた。

その上で志磨遼平は、自身のメジャーデビュー10周年のライヴで以前のライヴの再現をブロック毎にいくつか披露していた。それがとても良くて。

漠然とそんなことを思い出すように、ロックは衝動の音楽だから「再演」を求められないということが頭にあったんです。

そこに”オレ、Cupid”が叩きつけられたわけで。
そんな凝り固まった僕の脳は思わず梟さんのような反応をしてしまう。


(引用:集英社 ヤングジャンプ『嘘喰い』より)



もちろん前曲でも触れたように、今のポルノグラフィティが演奏するわけだから、当時とも違っているはずなんだけど(そもそも比較材料がない)、それでもやっぱりこの”再演”は嬉しすぎる。

歌詞は当時の会報に出ていたとのことだがまだ僕はラバッパーでなかったし、昔の会報を再販みたいなときもこの辺りは対象にはなってなかったので見ていない。

アレンジとしてはだいぶダークさが増していて、先週観ていたせいもあるけどチェーンソーマンの世界のCupidとすら思える。

歌詞にライヴ後を示す「耳鳴り」って何回か出てきて印象的だったけど、ライヴハウスだとより強く実感できて良い。

それでいて、後半は少し疾走感を増して、なんとなくなんだけど、イエモンの曲っぼいなって印象を受けた。吉井和哉が歌っていても違和感なさそうというか。
歌詞で赤い空も青い空も出てきた気がするんだけど、あれはあのネタ?※
※Mステで”オレ、天使”を披露した際に赤い空と青い空を間違えて空青すぎワロタになった

てことで、ここで本気で頭が真っ白になってしまったため、今回のレポは全体的にいつも以上にふわふわしてますのでご了承ください。


6. サボテン Sonority

正直なところ、こちらは結構期待していた。
というのも前回のFCUW5で”ヒトリノ夜”をインディーズver.で演奏してくれたからに他ならない。

結果、無事に聴けて本当に嬉しかった。
それでも”オレ、Cupid”で脳が思考停止していたので、分かった瞬間は「は、はわぁ」となった。

シングル版の”サボテン”と違い、歌詞が過去形になっていることで、よりより寂寥感をもたらす。その上で今のポルノグラフィティが奏でると、より重層性を増すというメタ構造になったと思う。

また、”サボテン Sonority”はスライドギターではなくなったギターフレーズ(原曲はちょっとシタールっぽさもある)がまたなんともいえない郷愁をもたらす効果もあって。ようやく生で聴くことができて嬉しい。


7. Name is man 〜君の味方〜

この2曲の流れで情緒がバグり散らかしてるところにこのイントロが来るとホッとさせてくれる。
穏やかで和やかな空気が会場に漂う。

そういえば、この曲だったと思うんだけど、ステージ後方ですごい勢いでスモークたいてて「どした?」って思った。

このあとメンバー2人も言うけれど、今の時代性ではミスマッチな価値観だと思う(少なくとも今のご時世に「不器用」で片付けてはいけない)。
けど、そんな気恥ずかしさみたいなものがノスタルジーとは繋がってもないとも思っていて、その辺りが聴いていた穏やかな気持ちになれる要因ではないかと思う。

個性が強すぎるアルバムの曲たちの中で、こうした曲がこういうタイミングで入っているのが、「foo?」を名盤たらしめているのだろう。バランス良いな。


昭仁:ありがとうございます。それにしても「俺は男だから」って今の時代にはね。伝わるのかっていう
今の子たちだったら「大好きだなんて言えない」なんて歌ったら「いや、言えよ」って思うだろうね
晴一:「大好きだなんて言えない」に「大好きだなんて言えない(恥ずかしいからそう言ってるんだよ)」って付け足さなきゃいけないかね
昭仁:「俺は男だから」っていうのも随分、昭和的な価値観なわけですけど
晴一:相手に言っちゃいけないわけでしょ?「お前は男だろ」とか。
「俺は男だから」うん、だってオレ(自分を指さして)男だもん

昭仁:そういうことを気をつける時代ということですよ
晴一:「俺は男だから(男だけじゃなくても)大好きだなんて言えない(照れ隠しでそう言ってるんだよ)」ってするのか……長いな


ここ最近でも「無言の帰宅」の意味についてSNSで話題が上がっていたのもあるけど、こういう言葉に対する捉え方が難しい時代になった。
こうしてブログを書いている僕も決して他人事ではいられない。

言葉も意味も時代と共に移り変わる。自分だって知らない言葉や、間違って使っている慣用句だってあるはずだ。誠にごめんなさい。
良き言葉も悪しき言葉も、それを学び今に活かすことを、自分は大切にしていきたい。


昭仁:これも20年振りくらいに演奏します。”デッサン#2 春光”を聴いてください


8. デッサン#2 春光

ようやく聴くことができた楽曲。
以前演奏したのはc1000タケダのキャンペーンイベントのライヴでやったくらいだ。

曲のテーマ的にもなかなかライヴでやるっていうのが難しいだけに、有り難いことだ。

この曲に関しては間違いなく、今のポルノグラフィティだからこそ伝えられる説得力があったと思う。

ふと思い出したのは2019年のアミューズフェスで。
そこで”愛が呼ぶほうへ”の演奏前に岡野昭仁はこんなことを言った。

僕らも20年やってきて、人の親にもなって。愛とかそういうものに対しての捉え方が10代、20代の頃と比べると変わってきました。次の曲で「父の背中」って歌詞がありますが、僕らも人の親になったので、大きな背中を見せられるようにならないとな、という想いで演奏します。

”デッサン#2 春光”は新藤晴一が父親を亡くしたときに書かれた曲である。

かつて父の背を見てきたメンバーが、いつしか父となり子どもたちに自分の背中を見せている。
それを思うのはちょうど今年、スペインにいた岡野昭仁をスペシャスタッフが訪ねた特番を見たからだ。

長距離の度に岡野昭仁とスタッフだけでなく、カメラの外に岡野昭仁の息子も同行していたという。
さらには岡野昭仁は父との死別を歌った”歌を抱えて”を2年前のソロアルバムに収録している。

そうした時に、さらっと流してしまったけど”Name is man 〜君の味方〜”の「それでも背中で語ろう」も、今では恋愛だけでなくこういうところにも繋がっているのではないかと(狙ってるわけではないのだけど)。

24年という月日の重みが、ここに繋がった。
ライヴ中は色々手一杯だったけど、こうして改めて振り返りながら込み上げるものがあった。


年月の重み。いや、俺はマジでハードオフ八王子大和田店で売ってたチェト・アトキンスのモデルのエレガット※ほしいとかちゃらんぽらんなこと言ってる場合ではない。

麗しきポルノファンの淑女様の連絡お待ちしています(これ書いた瞬間に垂れ流してたYouTubeでゼクシィの広告流れて困った)。

※アゲハ蝶とかオー!リバルとか、今回もサウダージで使ってたあのギターモデル





さて、ここでメンバー紹介。

玉田豊夢(ドラム)
皆川真人(キーボード)
高間有一(ベース)
tasuku(ギター・バンマス)


昭仁:ここでファンクラブライヴらしい企画をやりたいと思います!


☆ポルノグラフィティの楽曲に1番マニアックなのは誰だ!フレーズ当てクイズ
※こんな雰囲気のタイトル

ステージメンバーが曲のほんの一部を演奏するので、それを客が当てるというもの。回答者は入場整理番号からランダムで当てられる。そして正解者にはあの例の手羽先が貰える(難易度により本数が変動)。

これがあまりに難しすぎて。

同じ曲を今後の公演でまたやるかもしれないのでここに答えは書かないけど、自分でさえ半分くらいしかわからなかった(というかギターの方の勘違いで全5問が全4問になった)

で、なんでそんなフロム・ソフトウェアみたいな難易度調整になったかというと。


昭仁:難しい?リハで「これ簡単すぎん?」って言ってたんですよ。分かるんじゃない?って。というか僕らはポルノグラフィティなので当たり前なんですけど


元凶いた。

信頼してもらえるのは有り難いが、さすがにファンを買い被りすぎである。難しすぎだろ。
わりと歴戦練磨っぽい雰囲気のラバッパーたちが揃ってなお、一様に頭を抱えるレベルであった。

そして、ある曲の時あまりの難しさに当てられた方が分かんないよってなってギターを見つめていると。


晴一:そんなに(難しくて)キレで睨まんでも。俺のせいじゃないから!
昭仁:めっちゃキレてますね(嬉しそう)

人が怒られてるのを見ると嬉しくなるタイプのヴォーカリストだ!
※実際回答者の方はそんなに怒ってはいない(と思う)


そんなクイズコーナーを挟んで曲へ。


9. ミュージック・アワー

アルバムでもデッサンからのMアワって流れ、いつ聴いてもどんなだよって思うんだけど、それもあってクイズとかで間を取ってくれたのは有り難い。

わりとベーシックよりな”ミュージック・アワー”だけどオープニングのジングルがちゃんとFCUW6仕様になっていた。

新藤晴一が最近でも「寝てても演奏できる」と豪語しているけど、この揃いに揃ったラバッパーの精鋭たちも寝ながら変な踊りできる人たちが揃ってると確信させられる揃いっぷり。
上から見下ろすと危ない集会すぎる。

新藤晴一は黒テレを弾いていて、やっぱり良い音だなと思わされる。
最近はフェンダーの現行機種の話題も出ていたけど、FCツアーは結構サービス的に使ってくれてるんじゃないかと思ってしまう。



10. 空想科学少年

曲が始まると。

????????

と成るほど超絶なアレンジがされていて驚かされる。もはやリミックスと呼べるくらい別モノ。

アレンジを言葉にするのが本当に難しいのだけど、よりリズム感を強調したダンサンブルなものになっていた。tasukuの弾くリフとかもループミュージックっぽい要素が入ってるように聴こえた。
ギターサウンドもかなりカラッとした印象で、サウンドの再構築と言ってもいいと思う。

それがどうだったかって言うと、アレンジとしてはここ数年で1番でぶちのめされた。
自分にとって抗えない性癖ぶち込み全乗せアレンジ。この感覚はFCUW4の時の”Monster”の超絶テクノアレンジに通ずる。

いや、これ円盤にしようよ。このライヴを残さないのは後世に申し訳ない。


正直にいえば”オレ、天使”と”空想科学少年”は直近で「ワズビル」ツアーでも演奏していたので、始まる前はお気楽に構えてたのですよ。

結果的にその2曲が自分を刺しにきた。本当に怖すぎる。


昭仁:まだまだ盛り上がっていけますか?まだまだ行くぞ!


11. Report 21

メトロポリタン イン ヨコハマ

こういう曲をライヴハウスで聴いてなんぼだと思う。
爆発しそうなほどの興奮が、フロアから会場全体を揺らしてゆく。

まさに歌詞にあるソリッドで、エッジの効いたサウンドが混沌の未来となった今を駆け抜けてゆく。

心より先に身体が動いてしまう。

何気に自分がライヴで聴いたのはこれが2回目だし、前回は2008年のロマポルまで遡るし、しかもあれは野外だったので、箱でこの熱量を体感できたことが嬉しい。

こういう時の心の浮き立ち方が、自分は心底ギターキッズだなって思う。

昭仁:ありがとう。次で「foo?」からは最後の曲です。


12. 夜明けまえには

アルバムラスト曲。
散々ブログで色々とポルノグラフィティのことを書いてきたんだけど、実はあまり触れていないが、個人的にはとても大好きな曲である。

特にCメロ以降の展開は、いつ聴いてもちょっと泣けそうになる。特にキーボードの音色がこれぞエモーショナルという感覚になる。
元々のメロディ、アレンジの良さがある上に、アルバムのラストトラックということも大きい。

僕は今まで言ったことがないことがあって。

それは、この曲のフレーズに「もう大丈夫」というフレーズがあるけど、これに救われたことがある。

それは歌詞の文脈とかそういうことは関係なく、ただただその時の心情と、ポルノグラフィティの歌が重なった瞬間であった。

自分にとって、とても恩が大きい曲なのである。
こうして、聴くことができて本当に嬉しかった。

この曲はジャクソン5のI'll be there”をかなり意識している。




できれば曲を聴いて、歌詞の翻訳とかも見て欲しいんだけど、この曲を踏まえるとアルバムラストに”夜明けまえには”が来ることが、より感動的になると思う。


晴一:こうして昔のアルバムをやってみて。
好きなアルバムって、聴きながら次の曲が聴こえたりとか、そういうことがあったりするじゃないですか。
今のサブスクを否定するわけではないけれど、アルバムはもっと(自分の胸と客席を指差す)ここが近い気がして。
まぁ、昔のアルバムの曲でもたまに聴いてあげたら、入っている曲たちが喜んでくれると思います。


この「アルバムを聴く喜び」については、CD全盛期を過ごした自分にはとても響くものであった。

あの頃、僕がCDをレンタルしていたレンタルビデオ店は、今は更地になってしまった。
”クラウド”の歌詞のようにノスタルジーになってしまいそうだけど、それでも当時聴いた音楽たちは、間違いなく自分の身体の、人生の一部になっている。

それから音楽を好きになって、たくさんのアルバムを聴いたり、かつてはMDで自分なりの最強アルバムを作ったりしていた。今でいうプレイリスト的に。

サブスクの便利さは言うまでもないけど、あの頃自分がアルバムというものを大切に聴き続けてきたことは、自分にとって忘がたい経験となっている。



晴一:そんな想いを最後の曲に込めたいと思いますので、曲紹介をお願いします
昭仁:初めてのパターンですね。改めて、君たちがいてくれたから、ワシらは迷わず進むことができました。
迷ったときに君たちの声が「ポルノグラフィティもっとやれや」とかそういう声が届くんです。
最後にまだリリースされていない新曲を聴いていただこうと思います!”THE REVO”


13. THE REVO

ここまで、ちょっとメタ的に24年前のポルノグラフィティの再解釈的な印象を印象を受けていたところに、最後に届けられたポルノグラフィティの現在地。

このブログでは散々書いてきたけど、新藤晴一の「現役のバンドとして新しい曲も演奏していかないといけない」ということを以前していたという話。
これがその答えなんだと思う。

ここまで何回か「メタ的に」とは書いてきたけど、やっぱりある種のマルチバースの「foo?」を体感するライヴという印象があって(それがたまらなかったんだけど)、ここで正真正銘の現在(いま)を見せつけられた。

明らかにここだけ音のドライヴの乗り方が違っていた。
それは明確に、この曲だけは未来へ視線が向いているからに他ならなくて。

ラバップの部屋で流れた音源も良かったのだから、ライヴハウスでこんなの聴いたら言うまでもないだろう。「foo?」から24年経った現在地で、こんな曲が届けられることは喜びでしかない。

それにしたってフェスとかを含めてもライヴで数回しか演奏していない仕上げりとは思えないものになっている。これ、年末のぴあアリーナとんでもないことになってるぞ。

曲数はたった13曲なのに、あまりに濃いライヴ体験であった。


生声

晴一:信じてもらえないかもしれませんが、直はもっと早くやります
昭仁:ラバッパーありがとう!ラバッパーって言うんだよね?
これからも楽しんでもらえるよう頑張ります。年末もあります、よろしくね(記憶朧気)


後で気づいたけど、そういえば今回は「自信持っていけ!胸張っていけ!」がなかったなと。

でも、すごくポジティブに捉えると「言わずとも君たちはもうわかってるでしょ?」って信頼されてるのかなって。いや、知らんけど。

ポルノグラフィティを舐めているわけではないんだけど、今回は正直、本当に喰らってしまった。
僕マジで今年は正月に見たPulpのライヴがベスト
信じてたんです。……抱えてきたもんが違ったわ。

こうして聴いてみると「foo?」の曲たちは
2010年代になってからはやってない曲がこんなにあったのかと思わされる。

再発見であり、再発展の現在地をまざまざと見せたけられた、それが今回のFCUW6であった。

便宜上「好き」とかいう言葉も使うけれど、やっぱりポルノグラフィティに対するそれは、ちょっと他のアーティストには一線を画す感情で。
やっぱり、これほど共に歩んできたアーティストは他にいないんだよね。

終わったあとに相棒と居酒屋で打ち上げをしていたけど、自分たちの人生にいくつものターニングポイントをくれて、辛い時にもそこにいてくれたのがポルノグラフィティであった。

もっと言えば、ポルノグラフィティが居てくれたから、まだ人生を続けられた、という瞬間が確かに自分にはあったのだ。それにこの夜が加わった。

それぞれの胸の中にある「foo?」を抱えながら、僕らは未来を生きてゆくのだろう。

夜明けまえ、そこは暁であり、きっと午前5時なのだろう。







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