2026年6月1日月曜日

【完全ネタバレ】20thライヴサーキット“水”ライヴレポ 三重県文化会館大ホール





2026年5月29日 

oasisのノエル・ギャラガーが59歳になった日。

そして、私事だが僕自身39歳になった日。

ポルノグラフィティの20回目のツアー「水」の三重公演に参戦した。

誕生日にポルノグラフィティのライヴを見る、僕の人生の大きな、大きなスタンプの一つをようやく押せた。

そして、なんて感無量な夜だっただろう。

そんな記録をここに記す。

まだツアー中のため、ネタバレ注意です。
この記事の取り扱いについても十分ご注意ください。




20thライヴサーキット“水”




まず、前置きになるがこのツアーの僕のスタンスについてを少し。

今回のツアーは初日の千葉と、この三重公演に参戦予定であった。

結果的に、これを読んでるような強火ファンたちはご存じのとおり、初日の千葉公演含め、序盤4公演が延期となった。

ツアー初日を見れるというのは結構な歓びなので、そのショックはなかなかのものだったのが、最近歌声が化け物じみている岡野昭仁も人の子だったと実感できたのでよしと思うことにしてる。

ということで、結果的にこの三重公演が自分の水ツアー初日となった。ちなみに東京は全滅しました。

なぜ三重公演を申し込んだかというと、なんせこの日が僕の39歳の誕生日だったからである。サンキュー、ポルノ。
誕生日にポルノグラフィティのライヴに行くのは、僕の悲願なのだ。三重の方にはご容赦いただきたい。

さて、そんなツアーについて。

中のMCで触れるので先に簡潔に触れておくと、通常はアルバムのリリースに伴うツアーであるが、今回はアルバムを出さず、あえてツアーで曲を先行披露して“育てていく”というコンセプトだ。

その指針としてEP「種」が2026年2月に配信リリースされた。“はみだし御免”を含め5曲が収録されたこのEPに打ちのめされた。

アルバム「暁」で20年は食えるとか思ってたのに、まだこんなの出てくるの怖すぎる。しかもこのフルアルバムという進化が秋に待ち構えているのだ。

まだこれが成長過程なのである。
そんなこと思えないくらい、圧巻のライヴであった。




“水”三重公演




個人的に、三重は15年前くらいに伊勢神宮に行って以来である。
当時、友人たちとレンタカーで行ったんだけど、免許取りたてなうえに、高速教習をまともに受けないまま(渋滞あるからという理由でシミュレーションで終わった)、いきなり東名高速で高速デビューをしたのだ。
初高速が名古屋でよく死んでなかったと思う。





名古屋経由で津に着いて、ツアートラック撮影したり、グッズを買ったりしてるうちにあっという間に開場時間に。
それにしても珍しいほどの快晴なうえに、ツアートラックの場所が開放感あって、とても良い感じだった。

入場はスムーズで、席は真ん中少し後ろくらいの中央。
つまり、ステージは見渡せるし、音はPA卓近いから良いという場所であった。

ほぼ定刻くらいで暗転。

まず、ステージセットである。

少し遠目だったので、ステージ上に置かれたファンタジーみたいな鉱物(石とステンドグラスの組み合わせっぽい)から、ステージに照明が点いた瞬間現れた大きなツリーに圧倒された。この世界観、好き。

サポートメンバーに続き、新藤晴一、岡野昭仁が登場。

そして、スクリーンに映る文字は。


 「冷たい水をください」


新藤晴一のレスポールのアルペジオと岡野昭仁の歌声で、ライヴは始まった。
個人的に“峠の鬼”で始まると思っていたので、びっくらこいた。

自分の新たな1年の始まりに、人生で1番大切な曲を歌ってくれた、それだけでもう泣けてしまう。


“アゲハ蝶”の最初のサビだけ歌い、一旦音は途切れ、雨音のなか“サボテン”へ。こんな始まり想像つくわけない。


“サボテン”
実質の1曲目が“サボテン”というのは、改めて意外な選曲だなと思った。
もちろん水というテーマの中で雨、サボテンへあげる水など、いくつも要素は入っているが。

1番終わりで一旦ブレイクが入って「まさかメドレーで始まるの?」という驚いてたら、2番は雨音から歌と鍵盤だけで始まり、徐々に音数を足してくアレンジになっていた。こういうアレンジ好き。

あと間奏のロングトーンのギターは過去にも色々なパターンあるけど、今回はスライドバーを使っていて、音色がとても美しかった。


スクリーンには続いて、


 「水面に浮かぶ」


という言葉が水に浮かぶ。


“月飼い”
そのまま続けて“月飼い”へ。
ファン人気が高いだけあって、歓声が大きい。

最後のサビに入るところで少しブレイクが入るアレンジがとても良くて、“サボテン”に続き“間”の演出が効果的だ。

それにしても、水にまつわる失恋曲が続くことで、ここで一つの“区切り”みたいな感じがする。

アウトロからそのままスクリーンにツアータイトルが出る。演出格好良すぎる。GIF画像にしてくれたら5時間連続で見てられる。



“IN THE DARK”
まさかやるとは思わないよ。
アルバムツアー以降であまりやらなそうな曲だし、「∠TARGET」ツアーも思い入れが深いので、とても嬉しい。いや、そもそも思い入れが深くないツアーなんてないんだけど。

改めてとても不思議な曲だよなと思う。
もちろん心象風景の表現ではあるけど、ひと昔前の怪奇小説みたいな世界観。
暗闇が不安の象徴ではなくて、暗闇と戯れる方向にいくのが興味深い。

サウンド面でもギターのWahの音やフリューゲルホルンの気怠さもあるけど、どこかユーモラスさもある絶妙な音が好きだ。“ウォーカー”もそうだけど、決して派手な曲ではないが、こういう曲好きなんだよね。

テーマの水については後述。


暗闇の戯れに、tasukuのアコギが鳴り響く。

嘘でしょ?????


“一雫”
いや、水というテーマならピッタリということは分かるんだけど。

ライヴ冒頭から注がれたけれど失われてしまった水(愛)を求めて胃液しかない暗闇へ落ちてゆき、空の井戸から水は汲めないけれど、それでもなんとか絞り出した一雫の希望。
まるで水が流れるように、物語を紡いでゆく。

この曲はコロナ禍の「REUNION」で本編ラストに披露され、“ルーズ”で最高潮に達していた嫉妬が更にカンストした記憶。下手したらもう二度とやらないのでは、くらいに思ってたので、生で聴けて本当に良かった。
何がかはわからないけど、一つ報われた。

目を開けているのに、夢の中にいるみたいだ。

20周年の時に生まれた曲だけど、ここでは「それでも振り絞ってまた歩き出す」という意味合いとか、まさに長いツアーの先にあるアルバムも見据えているようなメッセージも込められているように聴こえた。


「この旅路の果てで待ってて」
このフレーズについて少し脱線するけど。

奇しくもポルノグラフィティと同じ1999年にデビューした嵐が今年5月31日で活動終了した。
自分は母に付き合ってラストライヴの配信を見ていたんだけど、水ツアーで見た未来への希望に対して、明確な「果て」を見たことで、ちょっと自分でも驚くほどグッときてしまった。

永遠はない。
だからこそ、僕らはこの瞬間を生きているのだ。


昭仁:こんばんは!三重、盛り上がってますか!

から「ワシらがポルノグラフィティじゃ!」。
等々、あとはいつものフロアとか性別ごとに掛け合い。


昭仁:この会場は思い入れが深くて。ポルノグラフィティが初めて全国ツアーをしたとき、ジャパンツアーだったかな? その最初の公演がこの会場でした。あ、D4-33-4だったかな?
⋯⋯たぶんよ? ワシの記憶違いでなければ

晴一:長いツアーを回ってるなかで、中盤の後半なんです
昭仁・観客:中盤の後半????
晴一:つまり、ツアーをやってきて、こう(離陸ジェスチャー)1番脂がのってきているところなので、良いライヴになると思います! 

昭仁:水ツアーということで、今回のライヴについて、僕はうまく話せないので、晴一から説明します
晴一:説明します。普通のツアーはアルバムを出して、アルバムを持ってツアー回るんだけど、今回はツアーの中でアルバムの曲をやって育てて、ツアーが終わったらそれをレコーディングしよう、ってコンセプトです


「説明します」の言い方が妙に神妙なレポーターみたいで笑った。


昭仁:ということで、新しい“種”を聴いてもらいます。タイトルは“Plastic viper”


“Plastic viper”
これがまたぶっ飛んだトリップな感覚すらあるサウンドで驚いた。“REUNION”や“土竜”なんかをまた一段とダークでドラッギーにしたような攻撃的な曲。

断片的な記憶しかないけど、「トーストにバター」とか「世界は半分」とか四字熟語がいくつか使われたり、自分を見つめ直すような歌詞もあって歌詞どっちだろう?と思っていたら、後のMCで岡野昭仁の詞曲と判明した。
“土竜”もそうだったけど、改めて最近の岡野昭仁ならではの歌詞の強さを感じる。早く音源くれ。


“アポロ”
ド新曲から最古参曲への振り幅よ。
問題無用で会場を一体にさせる。地域的なものかは分からないんだけど、東京でやる公演より三重の盛り上がり方はかなりライヴハウスに近い印象を受ける。客席なかったら、モッシュになりそう。

決して触れられなかった水槽の月に、それでも人類の夢としてその地に降り立った。
そう思うと、ここでエモーションがまた一段と高まる。

最後の落ちサビ部分を全体で歌うんだけど、そこの歌詞の出方がスター・ウォーズのオープニングみたいな仕様になってた。


“I believe”
これもイントロで信じられなくて、「嘘と言って?」っめ思っていた。
「BUTTERFLY EFFECT」のツアーでも未発表のアルバム曲。

昔アルバムの感想で流れで聴くには4曲目にしてはちょっと重すぎるって書いたんだけど、やっぱりある程度中盤〜終盤くらいにある方が合うと思う(アルバムとセットリストだから当然違うところはあるけど)。

当時の音源から比べても音や声の深みが段違いになっていると思う。「BUTTERFLY EFFECT」の時ですら進化凄いとか言ってたのに。

この曲は元々曲も歌も好きだけど、特にギターが好きで。
記憶が正しければなんだけど、ギターソロの最後の方のフレーズ変えて(増やして)弾いてたと思うんだけど、その部分がとても良かった。スタッフさん記録映像か、せめて音声だけでもくれませんか。


昭仁:楽しんでいただけてますでしょうか?
“Plastic viper”、“アポロ”、“I believe”と続けて聴いてもらいました。“Plastic viper”は本当にまだ新しい種で、“アポロ”は僕らのデビュー曲、“I believe”は今までやってなくてライヴでは初めて披露する曲、と初づくしの3曲を聴いてもらいました

昭仁:“Plastic viper”は僕が詞曲を書いたんですが、タイアップとかもないので、自由に書けてね


あと細かい部分は忘れたけど、たしか「曲への反応悪かったらボツになるかもよ?」みたいな話が出て、観客総出で良い反応を出した。


昭仁:何を書こうかと思っていた探していた時に「Plastic viper」って言葉が思い浮かんで。造語なんですけど
晴一:「Plastic viper」って本当に造語なの?
昭仁:造語、です。なんか、そういう(架空の)ドラッグみたいな、そういうイメージです。
……やったことないですよ? ドラッグ
晴一:プラスチックの、viperってなんだっけ?
昭仁:毒蛇よ。そういう毒蛇なのにプラスチックみたいなのが良いなって
観客(後方):カッコイイよ!
昭仁:なんて?
観客(前方):「カッコイイ」って!
昭仁:おお!ありがとうございます。結構、(どう受け取ってもらえてるか)ドキドキしてたんです。自分ではない何かになるみたいな、若い自分が何者かになろうとするとか


ここも詳細忘れたけど、新藤晴一に「話聞いてる?」みたなフリをして「いや、聞いてる聞いてる。特にツッコむところもないし」と返されてた。
あとたしか岡野昭仁が「デビューした頃、気づいたらタモリさんが横におったとか、ダウンタウンが横におったとか」みたいな話をしていたが、さすがに覚えきれん。


昭仁:歌詞を書くのは難しいですよ
晴一:例えばね、暗い部屋に月明かりが差し込んでそこで君の連絡を待っているって歌詞があるとするじゃん? それ自体は良いんだけど、「けど、俺52歳だしなぁ」って思ってしまう。何の連絡? って
昭仁:年齢的なことは仕方ないです
晴一:いま「恋する♡うさぎちゃん」って書けるかなぁ
昭仁:うさぎちゃんは厳しいかもね。でも他の動物だとなんだ? キンシコウとか?

なんでキンシコウがすぐ思い浮かぶんだ。
(自分は後で調べてあーこれかってなった)

晴一:⋯⋯「どこに行くの? こんな雨の中」って徘徊みたいだもんね

ここ、むせ返るくらい笑った

あと新藤晴一が「こういう年齢の自虐ネタやめたほうがいいのかな?」ってボヤいてたのも笑った。


昭仁:ということでEP「種」から3曲連続で聴いてもらいます。


“峠の鬼”
玉田豊夢、優勝。
冒頭で追加された三重県全体に響くような、文字通り鬼気迫る圧巻のドラム。
語弊のある言い方だけど、物叩いただけでこんなに心揺さぶられるんだから、ドラムってやっぱり凄い楽器だ。
玉田豊夢のドラムを愛する人間として、このドラムソロになんで赤スパ投げられないのか不思議で仕方ない。

これを喰らってしまうと、ヘビーと思っていた元の音源さえまだ重くなるのかと驚く。ライヴって凄い。
そのドラムソロからのイントロのギターが完全にスタジアムロックなんだよ。ハマスタで聴きてぇ。

楽曲自体の大好きで仕方ない気持ちもあるし、最初は歌詞の漢字が落ちて歌詞を縁取る演出から、終盤では歌詞全部を出している演出って、予想だけど「人を知っていく」ということにも掛かってるのかな。



“土竜”
“峠の鬼”からそのままの流れでイントロへ。
原曲もかなり振り切れている曲だけど、水を与えたことで更に成長している。

キレキレのサウンドに負けない岡野昭仁の歌の力。
特に2番の例の箇所。歌っててスゲー楽しそう。

原曲より少し溜めてからの「もう騙されんけぇ」で客席から歓声が沸き立ってすごく良い雰囲気だった。こういう盛り上がり方が大好き。

あと土竜のごとく地中を進むようなCG映像が印象的だった。途中の眼の映像は竜の眼かな。


少し間を置いて新藤晴一のギターフレーズから次の種へ。


“デッサン#4”
先日公開されたMVでも泣かされたんだけど、ライヴで聴くとやっぱりダメだ。
MVは流れず、シンプルに歌詞が表示されていた。基本的に種となった曲たちは歌詞出すようにしてるんだね。

さっきまでの殺伐さがなんだったのかというくらい、暖かくも切ない時間が流れる。

近くの人も目頭おさえていたけど、年齢を重ねるほど、より深くに刺さる曲だ。


MCの感じからして「種」でリリースされた曲たちも再レコーディングされるのだろうか?
「種」の時点であれだったのに、ライヴでこれを体感してしまうと、まだ進化の余地があるのかと恐ろしくなる。


昭仁:ツアーは1週間くらい間があきましたね
晴一:前回が仙台で
昭仁:先週の水曜とか? どれくらい経ったかな?
観客:10日!
晴一:うっそだー。そんな経ってないでしょ?
観客:9日!
昭仁:9日ですって、ほぼ10日ですよ。その間にクランチロールもあってね
晴一:レコーディングもしましたしね


ここからクランチロールの話へ。


昭仁:あの映像見ましたか?
僕らレッドカーペットじゃなくて、クランチロールはオレンジカーペットって言うんだよね。ああいうところが似合わなくてね
晴一:俺は、アンジェリーナ・ジョリーみたいな感じで歩いてたよ
昭仁:あなた、ずっとニヤニヤしてましたよ
晴一:それは笑顔よ。アンジェリーナ・ジョリーみたいな笑顔で
昭仁:アンジェリーナ・ジョリーみたいな余裕の笑顔ではなかったですよ。アンジェリーナ・ジョリーって、あとはなんですか? ブラッド・ピットとか
晴一:⋯⋯トム・クルーズとか。あとは⋯⋯
昭仁:ほら、もうこの3人くらいしか出てこない。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとか堂々としてたよ
晴一:彼らは慣れてるのかな
昭仁:慣れてるのかは知らないけど、堂々としとったよ


ちなみに新藤晴一は映像については「怖くて見てない」そうです。


昭仁:改めて、ああいうところにまた行くとは限らないけど、本当に次はなんとかしなきゃって反省した
晴一:でもさ、そういうところが俺たちの良さってことで良いんじゃない?
昭仁:いや、でもそっちはニヤニヤ顔だし、こっちは強張ってるし
晴一:けどさ、みんな俺たち2人にああいうところでビシッとしてほしいと、思ってないんじゃない?


昭仁:色んな国の記者の方がおって、誰が質問するかは決まってるんだけど、何を質問するかは事前に教えてもらえなくて
あなた、おすすめのライヴハウスって聞かれて「武道館」って言ってたけど
晴一:違うよ、あれ質問した人が「small venue(小規模の会場)」って言ってたと思うんよ。それを通訳の人が「ライヴハウス」って訳してた
昭仁:small venueって言ってたの聴き取れたんですね
晴一:あなたもスペイン語なら聞き取れるんじゃないの?
昭仁:ブラジルの記者の人が、ポルトガル語なんですよね
晴一:スペイン語じゃないんだっけ?
昭仁:ブラジルはポルトガル語よ。惜しかったなぁ、スペイン語だったら聴き取れたのになぁ。Hola!とかMuy  bienとか
晴一:みんな、これが彼の(スペイン語)語彙の全てですから


ちなみに僕自身も大学でスペイン語履修してました。語彙はほぼ同じです(あとDon de estaくらい)。


昭仁:ずっと顔が強張ってたんですけど、唯一僕がうまくいったのは、「日本のオススメのロックバンド」って
聞かれてB'zって良い発音で言えたことよ
晴一:でも海外の人ってB'zの発音そんな気にしないんじゃないかな?
それよりも、あなた「アニメの曲として全世界で聴かれるのはどうですか?」って聞かれて、「えーとジェネレーションに関係なくエキサイティングして」とか
昭仁:どう答えていいか分からなくなるのよ。なんか、少しは英語できた方がいいみたいな雰囲気になるの
晴一:往年のルー大柴さんみたいなことに


話した順番は違うかもだけどこんな雰囲気でした。最終的に「⋯⋯曲やろう!」で無理やりライヴに引き戻してた。ベテラン。


昭仁:さて、ここからはとても濃くてクセの強い種を聴いてもらいます。


聴き覚えのあるストリングスが流れ始める。

もはや今日何度目かわからない「嘘でしょ?????」という気持ち。クセが強いっていうから“みんなのカープ”とかやるかと思っちゃった。あれは思想が強い、か。


“暁”
“ルーズ”をやらないだけで、あとはご褒美みたいセットリストが更に更新されてゆく。なんでこんなもんまでぶち込んでくれやがる。

ライヴで聴きたい曲リストとして随時かなり上に来ているので、やってくれて本当に嬉しいよ。

さっきまでハリウッド俳優3人しか思い出せない老化を見せていたとは思えないくらいカッコイイ。
(そういえばnote有料部で言ってた某映画見たならカーペットネタあっただろと)

何度見てもラストで大地に膝をついて歌う岡野昭仁に痺れる。
ていうか“暁”がまだ種なのはヤバすぎないか。


“渦”
会場全体をなにか大きな渦が飲み込むように、全てをステージに引きずりこんでいく。
みなとみらいロマポルの時の“ラック”もそうだけど、やっぱりこの時期のTama曲には独特の力がある。

最後に演奏されたのは2019年の東京ドーム以来かと思う。
ドームでも圧倒されたけど、ホールサイズでくらう"渦"は壮絶だ。
たしかピンク系の照明だったと思うんだけど、精神の全てを引き摺り込まれてしまいそうだ。


“Zombies are standing out”
参りました。もう許してください。
この人たち頭おかしいんじゃないですか。
強烈。完全に観客の好みをわかってやってる。

これを書くにあたって、色々な人のレポを参考にさせてもらってるんだけど、どうやら半音下げになっているアレンジのようだ。自分は余裕がなくて全く記憶がない。

拳を振り挙げるけど、どこか亡者の手のような気持ちで挙げる部分がある。

相変わらず「ポルノ、昔聴いてたよ」って言われるけど、そんな方にぜひこの3曲を味わってもらいたい。


ここで岡野昭仁は一旦ステージをはける。


晴一:「種」のEPをつくっていて。ツアーを回ることは決まっていたから、なにかライヴで盛り上がる要素を入れようとなって。それならコール&レスポンスだろうと。コール&レスポンスって、ステージから皆に「声出せ!」って言うけど、コールも大切で。コールがしょぼいとレスポンスもできないでしょ。
だから、レコーディングの時にコンペをしたんだよね。それでそういうのってヴォーカルが得意と思うじゃん? けどね。実際は違いました。
勝ち取ったのは、ポルノグラフィティの最年少マネージャー山田くんです

マネの山田くん登場。真っ青な短ランに長い鉢巻きを巻いた姿。「押忍」って何回かやってた。急にFCUWみたいな空気になったな?

晴一:彼はまだ若いということで、会社でも上の偉い人たちがいるなかで、良い人も嫌な人もいるでしょう。そこで立ち位置を探しているところです。それがここかもしれません! 彼がここで自信をつけてくれれば、出世して社長とか会長になるかもしれません! そうしたら、ポルノをサザンオールスターズの上に置いてください
山田くん:(押忍ポーズ)


細かいニュアンスは違うかもだけど、大筋こんなことを言ってた(というか他のMC部分も同じ)


コール&レスポンスの説明をしたあと、曲へ。


“SETOUCHI BOYS”
さっきまであんな暗黒世界だったのに、いきなり瀬戸内海が見えた。こんな走馬灯だったら怖くて仕方ない。

ライヴで盛り上げるために生まれた曲、がライヴで盛り上がらない訳がない。

山田くん(基本敬称略のブログだけど、こう書きたくなる)の盛り上げが達者で「やってました?」ってなった。俺だったらあの短ラン着てポルノグラフィティのステージ真ん中で煽れって言われたら、あの短ランくらい青くなって泡吹いて倒れる。彼はきっと大物になる。

コール&レスポンスも楽しいけど、個人的にギターサウンドが好きな曲なので、レスポンスしなきゃとギターもちゃんと聴きたいがせめぎ合う。

途中でソロ回しが入って、その仕切りも山田くんがやってた。やっぱりやってました?

「種」の感想でも書いたけど、後半で岡野昭仁の声が入ってくるので、そこでステージに戻るという予想が当たって嬉しいんだけど、まさか山田くんが呼び込んでくれるなんて予想できる訳ないだろ。

ライヴ本編の良い意味での“閑話休題”となる曲になっていたと思う。



“ヴィヴァーチェ”
全体的に重めな内容の中で、こういう軽快な曲がくると助かる。※決して歌詞のテーマは軽くはない
“SETOUCHI BOYS”は一旦置いて、ここまで結構テーマ的には内向きなものが多かった中で、ここで物語は外に向き始めると思う。

自分自身が信じるもの、枠を飛び越えること。

岡野昭仁の真っ直ぐな歌詞が、凝り固まったような本編の曲たちを貫いていく。

「君の望みは?」

そう聴こえた。

自分とどう向き合うか。
そんな問いへのアンサーとは。


“アゲハ蝶”
冒頭でサビだけ演奏された“アゲハ蝶”が、改めてフルで演奏される。
テーマ的に“ヴィヴァーチェ”から地続きで自分と向き合うことを伝える。

これだけライヴの流れを考えてきてなんだけど、自分が生まれた日に、自分が1番大切な曲を演奏してくれた、それだけで僕は良いのだ。

ホールとは思えないくらい、大きなラララが会場を包む。今ここにいる証を刻むように。


“THE REVO”
FCUW6〜みなとみらいを経て、また一つ大きな存在感となった。
本編を通しても、自分と向き合った流れで沸き立った決意を表していると思う。

胃液に溶けかけ枯れ果てたような井戸から絞り出した一雫を鼓舞するように、力強い決意が歌われる。

サビの最後はこちらに委ねられたが、最後の最後のところでは岡野昭仁も一緒に歌っていた。


“はみだし御免”
声出しタイムの流れが続く。
この曲については初出のみなとみらいロマンスポルノ以来なので、観客が曲をちゃんと知って迎える初めてのツアーとなる。"THE REVO"は男にはキツすぎるキーなんだけど、こういうところは「任せとけ」ってなる。

なので冒頭の会場全体で響く声出しから、より力強さを増した。
それもあって、「種に水をあげる」ということについて、1番実感した瞬間かもしれない。
この叫びの部分どこかの公演の音を使ったら良さそうだよね。

最初のサビ終わりの「御免」をすごく溜めてから歌う流れは、飛べるほどの鳥肌が立つほど興奮した。


昭仁:次の曲で最後です。“愛が呼ぶほうへ”


“愛が呼ぶほうへ”
水ということで、もちろんやるとは思ってた(信じてた)んだけど、まさか本編ラストとは。ちなみに“はみだし御免”で本編終わると思ってました。

ステージの樹に満開の桜が咲く。なんて、美しい光景だろう。

失恋から始まって、自分を見つめ直したり、ドロドロした種たちを超えた最後に、愛に導かれる。

曲終わりに、リプライズとしてこのフレーズ部分が改めて歌われる。

 「綺麗な水をあげよう 望むまま」

“アゲハ蝶”で「冷たい水をください」と欲していた水を、最後は与える存在になる。

このブログでも何回となく書いてきたけど、これってミュージシャンとファンの関係と似ていると思う。
僕らは望むしかできないのに、彼らは「君たちがいたから」と言ってくれる。

改めて噛み締めていて、ちょっとゾッとしたのが、まだ満開の花ということなんだよね。

ここからまた種は実をつけ、新たな果実を生む。

愛に導かれるままに。








アンコール




メンバー紹介から。
いつもの流れなので割愛。サポメンズいつもありがとう。


晴一:三重は2年前とか4年前にもきたんだよね。資料によれば。ちょくちょく来ていて、前回来たときもギターを弾いて、歌を歌ってたと思うの。で、今回もギター弾いて、歌を歌って。で、この先もまた同じだと思うんだけど。
でも前回きた時よりも今回の方がより良いもんを見せようと思ってるし、未来は未来で今日より良いものを見せたいと思ってやってます。だから、これからもよろしく! 今日はありがとう!


昭仁:今回のツアー最初で、体調不良で延期になってしまい大変な迷惑をかけてしまいました。延期公演は決まったけど、元々の日程なら行けたのに、延期になった日にどうしても行けないという方もいると思います。
病床で横になりながら「プロ失格だな」とか考えていたんですが、徐々に体調も回復してきて、少しずつ元気も取り戻しいくうちに、ステージに立つ自分を想像しました。
甘えかもしれないけど、ステージに立ったら、皆さんが温かい声援をくれるだろうと想像して。それをこれからもお返ししていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします(めちゃくちゃ記憶が曖昧だけど、このようなニュアンス)


昭仁:さぁアンコールどうしよう? 変な踊りする?
ここまでやってきて、まぁまぁ肩に疲れ出てるだろうけど、変な踊りやりますか?


“ミュージック・アワー”
この時期のわりにグッズ並んでるだけで日焼けするくらい、本当に今日ポルノのライヴか?ってくらい暑い日だった。

こういう凝り固まった考察脳が、こうして無邪気に楽しめるのがこういう曲なのだ。

アンコールだからこそ、終わりたくない、終わってほしくないという気持ちが強い。それを塗り替えるくらい、楽しい、ただ楽しい。

年甲斐もなく飛び跳ねて、もう明日がどうなってもいい(結果:筋肉痛)。

「ミュージシャンも張り切って」のところでステージメンバー指差しならずっと「張り切ってる!」「張り切ってる!」連呼してて笑った。


昭仁:今日、最後の曲です。みんなで踊り狂って帰りましょう!


“ライラ”
久しぶりの“ライラ”で〆のパターンだ。

ひと昔前になんとか“ジレンマ”以外の締めを模索してて、結局最近は“ジレンマ”に戻ったけど、改めて“ライラ”も楽しい。ちなみに途中の合いの手の部分は完全に忘れてた。

途中の語り
昭仁:ポルノグラフィティは20回目の節目のツアーを回っています。長い、タフなツアーです。メンバーもスタッフもその長いツアーを一歩一歩進んでいます。なぜそれができているのか? それは君たちの笑っている顔が見たいからです

というニュアンスだったと思う。
*終わった直後の備忘メモに「20回目のツアー」「タフ」「一歩一歩」「笑ってる顔」ってあった。


「君たちの笑ってる顔が見たいから」

もう、何度泣かせるんだよ。

もちろんこれまでも何度も「君たちがいたから」って言葉に泣いてきたんだけど、「君たちの笑顔」って言葉、ズルい。だって、本当にあなたたちがいるから笑顔になれるんだから。

終盤は山田くん+スタッフが出てきてタオル回しも加わった。
体の水分の消費に「もしかして体内水分を献上するってこと?」と思わざるをえない。


【生声】
晴一:またちょくちょく来ます!
昭仁:ワシに言われたくないだろうけど、みんな次会うときまで元気でね!今日はありがとう!


今回、久しぶりに遠征をしたけど、津がとても良い街だった。
すごいどうでもいい話なんだけど、三重の女の子の店員さんが話すイントネーションがとても好きで、移住したいなって思った。

誕生日というものに、もうありがたみを感じる年齢ではないんだけど、それでも人生の大切な節目を、大好きなミュージシャンたちと迎えられたことは、僕の人生にとって大きな出来事だ。

これまでの人生で本当に色々なことがあって、本気で辛くなる瞬間だって何回もあった。

それでも岡野昭仁が、ポルノグラフィティがいつも「自信持っていけ! 胸張っていけ!」と言ってくれるから、僕の人生は続いてきた。

つまらないこと、嬉しいこと繰り返した結果、少なくともつまらないことに負けないくらいの喜びをポルノグラフィティがくれた。

ポルノグラフィティを好きでよかった。

生きてて良かった。


正直、ライヴに行く前に全曲聴き直していて「聴きたい曲あんま分からない」みたいな気持ちになってたんです。

期待してないとか、そういうことではなくて、何を求めているのか、自分で自分がわからなくなるみたいに。

だから、変に自分の中でツアーに対するハードルが上がってたんだけど、そんなものはただの杞憂だった。
何が聴きたい、もちろんそれはあるけど、僕はポルノグラフィティのライヴが心の底から好きなんだ。


水を得た種は、やがて大きな果実を宿す。

その果実はまた生物たちの喜びとなるだろう。

生物たちが落とした種は、そこからまた新たな種を生み、広がってゆく。

それが人生なのかもしれない。

一切の人生の果実は、その人の蒔いた種子のとおりに表現してくる
〜中村天風(思想家)


【セットリスト】
2026.05.29 三重県文化会館大ホール
00. アゲハ蝶(サビのみ)
01. サボテン
02. 月飼い
03. IN THE DARK
04. 一雫
05. Plastic viper(新曲)
06. アポロ
07. I Believe
08. 峠の鬼
09. 土竜
10. デッサン#4
11. 暁
12. 渦
13. Zombies are standing out
14. SETOUCHI BOYS
15. ヴィヴァーチェ
16. アゲハ蝶
17. THE REVO
18. はみだし御免
19. 愛が呼ぶほうへ

EN1. ミュージック・アワー
EN2. ライラ








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