2019年3月30日土曜日

Mr.Children 君がいた夏の歌詞に込められた本当の意味は







Mr.Childrenが初めてリリースしたシングル「君がいた夏」。25周年ツアー「Thanksgiving 25」で久しぶりに披露された。

イントロのスライドギターが甘酸っぱさを誘う、まさに青春を描いたような曲であるが、僕はこの歌詞に込められた意思に対してひとつの解釈を持っている。

それが言及されてあるものを見たことがないような気がしたので、この春という真逆の時期に筆を取った次第である。



Mr.Children 君がいた夏の歌詞に込められた本当の意味は








一夏の恋












描かれるのは一夏の恋。

この曲のタイトルが1988年公開の同名の映画「君がいた夏」(日本公開は1989年)から取られていることは、ファンの間では有名な話かもしれない。
(僕も熱心にファンだが、ミスチルファンのコミュニティに属してないので、どうなっているかはわからない)






後程それと照らし合わせて書いていきたい。

まず、色々と目を通した結果、歌詞について「夏限定の恋」という捉え方をしているものが多い。

夏にしか会えない、秋になればまた離れてしまう君を想う恋の曲として聴いても十分、甘酸っぱく切ない気持ちになる。

最初期にしてMr.Children、桜井和寿らしいフレーズも詰め込まれていて。

特に「おもちゃの時計の針を戻しても何も変わらない」というフレーズは秀逸だ。

そもそも、普通の時計でさえその針を戻したとしても何も変わることはない。
それを「おもちゃの時計の針」とすることで、さらに幼さ、ノスタルジーを掻き立てる効果を持たせている。

それはクルクルと地球儀を回して世界中を旅してる気分になるのと通ずる。

たとえば夏休みに帰る田舎でしか会えない君。

comicoで連載してる『パステル家族』というマンガがあるのだけど、そこで主人公の女子高生のマヨは一家で母方の田舎に帰省するエピソードがある。





田舎で昔一緒に遊んだはとこである"こまち"とマヨの兄タクオとの恋のエピソードが切ない。タクオはかつてこまちに憧れを抱いていた。しかし、憧れは憧れのまま、時は過ぎ大学で里美ゆかりに恋をする。

一方こまちは久しぶりに再会したタクオがマヨたちの兄としてしっかり成長した姿を見て恋をするが、タクオの荷物に里美ゆかりの写真を見つけ、全てを悟る。










夜の海岸で想いを語り合う二人、そこでこまちはある決意と想いを打ち明ける。ダメだ、思い出しただけで泣けてきた。ここからは読んでもらいたい。この後のひいおじいさんのエピソードも読む度泣いてるレベルで大好きな作品の大好きなエピソードのひとつだ。

長くなってしまったが、そのシーンが"君がいた夏"ととてもかぶって、僕はアニメ化したらここで是非使って欲しいと願っている。

脱線してしまったが、かのように夏の恋を描いたものは、どうしても切ないものだ。

しかし、僕はそれだけでは終わらないと思っている。










君がいた夏




タイトルの基になった映画「君がいた夏」のストーリーを踏まえて歌詞を見ると、歌詞がまた違って見えることと思う。

映画のあらすじを引用する(ネタバレあり)


プロ野球選手ビリー・ワイアット(マーク・ハーモン)は、落ちぶれて漫然と失意の日々を送っていた半年前、母(ブレア・ブラウン)からケイティ・チャンドラー(ジョディ・フォスター)の自殺を電話で知らされた。ビリーにとってケイティは生涯忘れられない人であった。6歳年上の従姉であるケイティは、ビリーが大人になる過程の中で、いつも彼をけしかけ励ましていた青春の思い出だった。

そのケイテイがビリーに、彼女の遺灰を葬って欲しいと遺言を残したのである。彼女の両親(リチャード・ジェンキンス、クリスティーン・ジョーンズ)は墓地に埋めるようビリーを説得するが、ケイティの遺志を汲み取った彼は、幼なじみの親友アレン(ハロルド・レイミス)をも巻き込んで、それを葬る場所を捜し始めた。

やがてビリーは、かつてケイティが一度空を飛んでみたい、と洩らした海辺の展望台を訪ね、そこが2人にとって忘れ得ぬ場所であることを思い、まるで空を飛ぶが如く、そこから遺灰をまくのだった。甘く切ない青春の日々を旅したビリーは、そこで忘れていた何かを見つけ出したことにより改めて今、自分の青春に決着をつけるのだった。

映画-Movie Walke




幼き頃に憧れを抱いていたケイティの死。そしてケイティとの思い出を巡る。

夏の憧れと恋。それを想うということで、歌詞とも響き合うものだが、改めて日本でそれを重ねるとしたら。

夏は、の季節。

もういなくなってしまった君、夏にしか会えない君、秋になればいなくなってしまう君、いつまでも残る君への想い。

夏にしか還って来ない君、"君がいた夏"がそれを想う曲だとしたら。


また夏が終わる もうさよならだね
時は二人を 引き離して行く
おもちゃの時計の針を戻しても
何も変わらない Oh I will miss you


Mr.Childrenは、桜井和寿は、やはり天才なんだと思う。

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