2019年3月29日金曜日

イエモン「9999」最速先行試聴会レポ~ロックはなぜダサくて最高に格好いいのか







THE YELLOW MONKEYのアルバム「9999」の最速試聴会に行ってきた。

そこで何が起きたか、そしてそこで感じたことを残したい。

※レポと書いたがアルバム曲の中身にあまり触れてはないのでご了承の上、お進みください


THE YELLOW MONKEY(イエモン)「9999」最速試聴会レポ~ロックはなぜダサくて最高に格好いいのか








「9999」試聴会








結論を書けば、試聴会とは名ばかり、生演奏でのアルバム完全再現ライヴであった。

とんでもないことをしてくれたものである。

この試聴会はアルバムに因んで9999人を無料招待して日本武道館で行われた。

メンバーが登場するかどうかはアナウンスされなかったが、日本武道館でわざわざやるくらいなので「まぁ、出るだろ」というムードが漂っていた。

それにしても9.9%くらい考え、話していた「アルバム全通しで生演奏なんてやらないよね」という考えを、そのままやるとは。

もちろん明らかに幕に隠されたステージがあり、試聴会というレベルじゃないPA卓があるので、ライヴはあるのは間違いなかったが。それでもあまり過度に期待しすぎてはいけないというブレーキを掛けていた。「2~3曲生演奏やる」くらいの期待値に止めていた。

そもそも、入場からしてかなり特殊なのだ。

チケットには「アリーナ・1階スタンド 自由席」という物凄く大雑把なことを書いてあった。どうすんだよ、と。
当日までアナウンスはなく、結局本当に入場列に並んだ順に好きな席に座るというスタイルであった。

たぶん若手バンドでやったら大混乱になっているだろうが、イエモンファンは凄い、ちゃんと埋まっていっていた。もちろん入場した時は「どこ行けばいいんだよ」と列が詰まっていたが、それくらいで。席もちゃん詰めて座り、大きな混乱も(たぶん)なく、5分押したくらいで始まった。

僕はといえば、仕事帰りに行ったが、午後休で行った相方さんが席を確保してくれ、4列目のエマ側というとんでもない“神席”で見ることができた。

3月はポルノグラフィティの横浜アリーナで前から2列目の新藤晴一前という“神席”で見たので、本当に僕は死ぬのではないかと思えるほど、信じられない席が続いた。

先着順ということで、より熱が強いファンが前に片寄ったこともあり、前方エリアは異常なほどの盛り上がりを見せた。いくつか声があった「代々木の復活ライヴくらい盛り上がった」というのも過言ではない。僕は生で見ていないが。

幕が落ちた瞬間に人の大きさのTHE YELLOW MONKEYがいた。それだけで、もう感動的である。

僕も影響を受けて聴いているものの、やはり相方さんは筋金入りのファンなので、なかなか叶わなかった「イエモンを日本武道館で見たい」という願いが、これで成就したのだ。しかも、こんな良席で。

ライヴに行くときは「これからライヴに行くんだ」と鼻息を荒くしていくが、今回はそこまでの覚悟を持っていなかったので、その分の反動は大きかった。

映画「ゾンビーバー」にジョン・メイヤーが出てきたくらいビックリした。




ギター好きとして、一月の間に大好きなギタリスト2人をこんな近くで見れて、なんて幸せなんだろう。ちなみに相方さんは終始、僕も聞いたことない乙女の声で「エマちゃ~ん♥️」と叫んでいた。


アルバムを曲順通りで生演奏でMCなしで、と突っ走るつもりだったようが、"Horizon"の吉井和哉の「やらかし」があり、そこで緊張の糸が切れて普通に喋り出すところが、THE YELLOW MONKEYらしい。

それでもひとたび演奏に入れば、圧倒的な演奏を見せつける。

本来アルバム曲の印象を書くべきであろうが、あまりに衝撃をたくさん受けすぎてポンコツすぎる僕のキャパシティを越えてしまった。








4/6にBSスカパーで放送するようなので、是非そちらを見ていただきたい。

印象で言えば、今回の狙いというガレージっぽい荒々しい楽曲もあれば、月をフィーチャーしたバラード"Changes Far Away"、「飛びます 飛びます Balloon Balloon」というコーラスが癖になる"Balloon Balloon"、軽快なリズムと言葉遊びの"Titta Titta"など、バリエーション豊かな楽曲が並んでいる。

アルバムに込められた「ストーリー」は、これから発売になるCDを聴き込み考えていきたい。










ロックとは








ロックが世の中に少なくなってきている。

いや、ジャンルなど今や意味を成さないほど、音楽は多様化を極めている。

もはや音楽でムーヴメントなど起きる、起こす時代ではない。

それでも、やっぱり僕は今日もロックを聴いている。

ロックはどの時代も泥臭くて、ダサくて、青臭くて、最高に格好いい。

ロックは、なぜ格好いいのだろう。

オアシスの名曲"Don't Look Back In Anger"にこんな歌詞がある。


But please don’t put your life in the hands
Of a Rock ‘n’ Roll band
Who’ll throw it all away
だけどロックンロールのバンドなんかに
お前の人生を委ねるなよ
全部放り出したような連中なんだから


ロックとは、コンプレックスなのだ。

THE YELLOW MONKEYには吉井和哉が認める「洋楽へのコンプレックス」がまとわりつく。そもそもがシニカルなTHE YELLOW MONKEYというバンド名、真意は本人の中にあるだろうが、世間でいう解散への引き金の一つになった1996年のフジロックフェスティバル。

洋楽ロックへの憧れと日本人であることのコンプレックス。

しかし、今のTHE YELLOW MONKEYはそれを乗り越え、日本人として本当に格好いいと信じたサウンドを鳴らしたのだ。

吉井和哉特有のロックと歌謡曲の融合や言葉遊びで、日本人にしかできないロックを打ち鳴らした。

コンプレックスを乗り越えた先に、それを自分たちの個性という武器にした。

アルバムについてエマはこうコメントしていた。

「最初、アルバムのタイトルを日付にしてもいいなと思ったんですよ。その日付でやれるものを全部詰め込んだアルバム」

そんな音楽を今のTHE YELLOW MONKEYは鳴らしている。






ロックは反動の音楽だ。

ロックは反発の音楽だ。

ノエル・ギャラガーが「こんな連中信じるな」と言った音楽を、今でも愛している。

それはその言葉が「お前自身を信じろ」というメッセージに聞こえるからだ。

だから、僕は今日もロックを聴いている。

ロックを愛している。



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