ライフ・イズ・オークショニア
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
・村雨 礼二
・獅子神 敬一
片伯部班
・時雨 賢人
・山吹 千晴
片伯部班からは捜査2課の刑事コンビが参戦している。
つまりギャンブラー側の主人公の真経津晨は登場しない。
アプリのコメントとかでもあったけど、このギャンブル中、御手洗暉含め主役がどちらも登場しないのに、最高レベルに盛り上がってたの恐ろしい。
※こんなで主人公の電卓大丈夫か?と心配する人もいるだろうが、今後しっかりと「一番狂ってるのやっぱりコイツだった」と思わされる展開が待っているのでご安心を
『ジャンケットバンク』はギャンブラーも行員も、揃いも揃ってキャラが濃いので、誰がメイン張ってても物語の推進力を損なわないという強みがあるということだ。
ゲームの進行役は宇佐美主任が務める。
最後で改めて言及されるけど、宇佐美は賭け場を権力で歪める刑事2人の抹殺のため、片伯部と協力してこの交流戦を組んだ。
これから銀行内で起こる戦争を見越しての行動だ。
真経津をデギズマンと疑い、村雨を仕向けたのもそうだけど、もう宇佐美は村雨のことを完全にギャンブラーでも医者でもなくて、ヒットマンとして見てる。
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
そこから死の淵で覚醒に至る理由が、相手から目を背けず、死ぬ気ですべての可能性を考えることであった。
しかしながら、決して要因はそれだけではなくて、もう1つ獅子神が覚醒した理由がある。
それは「自分の弱さを受け入れる」ことだ。
虎になることはできなくとも、自分と向き合い、持っているものをすべて受け入れる、ここにも覚醒の理由が描かれている。
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
たとえ10巻本編で1コマしか出てこない主人公でも、この勝負の影の重要なキーマンになっているのだ。
村雨 礼二
抹殺戦に定評のある 村雨 礼二さん(29)(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
獅子神の覚醒を受け、遂に村雨は動き出す。
これだけ強キャラぶっておいて電流1くらっただけでゲホゲホ咳き込む弱さのギャップ、反則だろ。
村雨が本領発揮してからの展開は、特に同情の余地もなかった時雨と山吹さえも可哀想に見えるほど。
最初はあんまり思い入れのない敵だったけど、最後には好きなキャラになるのも地味に凄いし、ズルい。
何もかも思い知った時雨 賢人さん(34)、山吹 千晴さん(28)
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
時雨と山吹については、山吹を切り捨てようとする時雨の判断に対して、普通なら仲間割れ展開に持ってきそうなところを、山吹が「それがオレ達の常識だ」と冷静に受け入れる。
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
(ところで獅子神、村雨側は当日ギリまで対戦相手明かされてなかったけど、調べる暇あったのか?)
獅子神について自分は「幸せな仲間に出会えて良かったよ、あなた」という想いである。良かったよ、ほんと……
それにしても、どんなクソ野郎が相手でも「死んで欲しくねぇ」と思ってしまう獅子神の心理、よく分かるよ……
さて、個人的に一番ヤバかったのが、ここで明かされた村雨の兄の存在。
時雨はこの情報で、村雨を揺さぶるつもりであった。読者的にもこの時点では、兄との確執を想像させられる。
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
時雨と山吹の関係性とかもそうだけど、読者の想像を裏切って期待を超えるの巧すぎるのよ、田中先生。
(『ジャンケットバンク』好きな方は是非、『エンバンメイズ』と『概念ドロボウ』も読んで欲しい)
(『ジャンケットバンク』好きな方は是非、『エンバンメイズ』と『概念ドロボウ』も読んで欲しい)
つまり初登場時のブチ切れは、大マジだったのだ。
※なお手術自体はただの趣味の模様
総括。
考えてみたら『嘘喰い』のエアポーカーも、上層の苦労はともかく、下は5枚の手札出し合うだけなんだよね。
それにどちらも基本座りっぱなし(よく考えたらどっちも足固定されるゲームだな)で、動きも少ない中でこれだけ魅せるのは、マンガとして凄いことだと思う。
記念すべき100話でピカソ顔2連発という景気の良さとか、獅子神の過去をなぞった最高のラストシーン(101話)まで、ちょっと完璧としか言いようのない完成度であった。
ちなみに、ここまでハードル上げまくりましたが、この後の展開も最高に面白いし、現時点の最新話(110話)では、個人的マンガ史上最高の一コマに選びたいシーンまで登場している。
これからも『ジャンケットバンク』から目を離せない。
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※なお手術自体はただの趣味の模様
誠意、大切
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
この掘り下げが個人的にはぶっ刺さって、たぶん僕の境遇が兄のいる弟なのもあると思う。
この回でどうしようもなく好きなキャラクターになった。
この回でどうしようもなく好きなキャラクターになった。
この場面って物語としても、それを打ち明けるほど獅子神のことを認め、信頼しているという証としても機能している。もはや、お見事としか言いようがない。
個人的に好きな描写が、この村雨の独白前に、ささやかだけど目のアップのコマが挟まれている。
この真ん中の細長いコマ
(引用:集英社『ジャンケットバンク』より)
これ、すごくさりげない演出なんだけど、この細長い=一瞬の間に、村雨はとても深い洞察と思慮を経て、獅子神に打ち明ける決意をしているんだよね。
村雨って絶対、自分のことをペラペラ自ら話すタイプじゃないじゃないですか。
それは基本的に人を信頼しないからで、そんな村雨がここまで獅子神に自分の想いを打ち明けたって展開が胸熱すぎて、スラダン映画のリョータかよってくらい泣ける。
自分の賭けを成立させてくれた獅子神への感謝と、最大限の信頼をもって、村雨は自分語りをしたのだ。
これほど泣ける自分語りがあるだろうか。
ゲーム自体は1~4の札を4人で出し合うだけというシンプルなゲームなのに、キャラクターの魅力とシンプルながら奥深い心理戦で魅了されてしまうのが"ライフ・イズ・オークショニア"だ。
考えてみたら『嘘喰い』のエアポーカーも、上層の苦労はともかく、下は5枚の手札出し合うだけなんだよね。
あと『嘘喰い』のエアポーカーもそうだったけど、タッグ戦でこういう、パートナーへの信頼で敵を討つみたいな展開が自分は好きなのかもしれない。
かように、"ライフ・イズ・オークショニア"は、前半の獅子神のジャンプ的な覚醒と成長、後半は村雨の圧倒的な俺TUEEEE展開と二度美味しいうえに、2人のパーソナリティの掘り下げまである、神回連発のゲームだったのだ。
お世辞抜きに色々とマンガを読んでいて、1年に1回遭遇したら最高というレベルの神回が、毎週のようにくる感覚。
そりゃベストバウトにもなるわ。
どうしよう、マジでこのマンガ最高なのだが。
最大級の感謝を込めて、この記事を終えます。
↑11巻の記事も書きましたので是非よろしくお願いします。
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