2024年3月11日月曜日

【完全ネタバレ】PG wasn't built in a dayツアーセットリスト考察






ポルノグラフィティ19thライヴ・サーキット

「PG wasn't built in a day」

 僕はさいたまスーパーアリーナ公演2daysを見届け、このツアーの参戦を終えた。

ということで、さいたまスーパーアリーナの内容を踏まえ、このツアーのセットリストを振り返りたいと思う。初日の名古屋から面白い変遷もあったので、その辺りを記録しておきたい。

あと、ついでにメモってたさいたまのMCを残しておきます。



※注意:ツアー「PG wasn't built in a day」のネタバレ含みます






声出し解禁



1. Century Lovers
2. テーマソング
3. キング&クイーン
4. Mugen


考察するまでもなく「声出せ」枠である。

ライヴレポでも書いたけど、今まで"Century Lovers"が初っ端というのが有りそうでなかったので、「こういう手があったか」と『初手天元!?』みたいな気持ちになった。


集英社『ヒカルの碁』より


※過去にあったかもだけど、あくまでも自分が行ってるライヴではという意味で


このセクションの核となったのは"テーマソング"だろう。

コロナ禍においてリリースされた「ポルノグラフィティ〝新始動〟」となったシングル。

それは「声出しが解禁になったらまた一緒に歌おう」という約束でもあった。


その約束が、このツアーで遂に果たされた。

イントロのドラムが鳴り、その歌が会場を見ましたときのステージメンバーの笑顔を、僕は忘れないだろう。
それだけではない。スクリーンには、大きな口をあけて歌う観客たちの姿が映し出された。


それはメンバーが、ファンがずっと思い描いてきた光景。

頭に何度も思い浮かべた光景のままに、想像をはるかに超える歌声とともに広がっているのだ。

僕は計3回ツアーを見たけど、3回とも泣けてしまった。

長く苦しい、いつまでも出口が見えないトンネルを、僕らはようやく抜けたのだ。




さいたまMC集①




【両日】
新年早々に、能登半島で大きな震災がありました。被災された方々へ、お見舞い申し上げます。
こうした大変なことがあって、僕らのようエンターテインメントに携わる人間には、できることは限られていて。
それでもできることは、今日というこの日を皆で楽しんでエネルギーを蓄えて、明日からそのエネルギーを被災地の方へ届けることじゃないかと思います。だから、今日は目一杯楽しんで帰ってください!


【1日目】
昭仁:さいたま盛り上がってますか!10年ぶりのさいたまスーパーアリーナ、めちゃくちゃデカいですね。
アリーナ!そして、レベル!
……レベルは200から上まで総称してます。


【2日目】
昭仁:さいたま盛り上がってますか!昨日も凄かったけど今日も凄いね!
アリーナ!そして、昨日間違えてしもうたんだけど。昨日ね、「レベル!」って言ったんよ、「レベル」って何だ。「スタンド」ですね。スタンド!盛り上がってますか!


【1日目】
晴一:数日前にね、気のおける友人たちとゴルフに行ったんですよ。それで「次どこでやるの?」って聞かれて「さいたまスーパーアリーナ」って言ったの。まぁ、友人たちはもう慣れてるので、どこでやるって言っても反応ないんだけど。
それを聞いたキャディさんが、いつもの所だから俺が何やってるかは知ってるんだけど「凄いじゃないですか!」って言われたんですよ
昭仁:それは、本当に驚いているか、うちらが舐められているか、どっちかやね


【2日目】
晴一:僕、このツアーからコンタクトにしたんですよ
昭仁:50手前にしてコンタクト初めてって
晴一:それで、よく見えるなぁってなってるので、今日はここにいる全員と目を合わせて帰ります!
計算したんだけど、何時間かライヴあって、おはギターも弾きよるから、1時間くらいあるとして、1万5000人で、1人0.2秒みたいです。
昭仁:0.2秒!
晴一:それなら、いけるな。今日はみんなと目を合わせて帰ります!



再会




05. REUNION
06. 俺たちのセレブレーション
07. アニマロッサ
08. メリッサ/ミュージック・アワー


何か、というテーマ性はないと思うんだけど、この流れだと"アニマロッサ"が意外な選曲だったと思う。

再会の"REUNION"〜祝福の"俺たちのセレブレーション"という流れからの"アニマロッサ"だったので、意表を突かれた感覚となったのだ。

改めて考えると"アニマロッサ"は「信念」の曲である。

そうすると「君の為に僕は居るから」という歌詞は、コロナ禍を経て再会を果たした僕らのセレブレーションに、なんて嬉しいメッセージなのだろう。



MC集②



【1日目】
昭仁:さいたまスーパーアリーナ10年ぶりってことで。僕覚えてるのは、昔ライヴをやったときに、あの高いところ(400〜500レベル)から、タオルを落としちゃった人がいて、それの滞空時間の長さにビックリしたことありますよ
晴一:エピソード、弱っ!


【2日目】
昭仁:そういえば、何日か前にテレビの「モニタリング」って番組で。僕は少ししか見てないんだけど、Toshiさんが"サウダージ"をカバーしてくれたんだって。「尊敬する後輩です」みたいなこと言ってくれたみたいで
晴一:そうなんだね。俺は見れてなくて、ちょっと俺のiPhone持ってきて!
昭仁:ここじゃ見られないでしょうよ
晴一:YouTubeとかにあるんじゃないの?
昭仁:それは違法なやつとかでしょうが。TVerで見なさい、TVerで
そんなこともあるんですが、僕らも先輩として。前にROCK IN JAPAN FESに出演させてもらって。僕らはあまりそういうフェスとかには出たことなかったので、楽屋で大人しくしていたんです
晴一:周りが入れ墨びっしりみたいな人たちばっかりでね
昭仁:それでも「ポルノグラフィティ聴いてました」とか声をかけてくれてね。
晴一:入れ墨びっしりの手を「お、おう……ありがとう」って握り返してね。

昭仁:その中で1人、若手のバンドの子で「ポルノグラフィティを見て僕はギターを始めたんです」って言ってくれる子がいて。その時に新藤はちょうどいなくて、僕が「ありがとう」とか当たり障りない会話をしてたんです。
そこに新藤が戻ってきたの。そしたら、その子が「ぼ、ぼくポルノグラフィティで……ギターを……始めて……」って新藤に向かっていうの。そのまま号泣しだして
晴一:俺は「変わってるね」って返したんだよね
昭仁:そうそう、それでいつまでも手を握ってて、そこにポツッとおるワシよ。
長くやってると、そんなこともありました


※ちなみにこのエピソードはハンブレッダーズのギターukicasterとのことです。



センターステージ



09. Sheep~song of teenage love soldier~
10. ジョバイロ


センターステージでのアコースティック編成。

意図とかそういうものはなく、純粋にファンを楽しませる選曲だと思う。

ちなみに"Sheep〜"について岡野昭仁が毎回「特典映像ではやっていたけど、ライヴでは久しぶり」みたいなこと言っていたんだけど、心当たりないんだが?

そんな特典映像どこにありました……??????

俺が知らない世界線にあるの????

「DISPATCHERS」とかでやったかな?と思うけど、もはや記憶が定かでない。


【追記】
DMいただいて解決しました。
「テーマソング」の特典でライヴ会場で演奏した特別映像で演奏していたようです。
そういえば当時話題を見た気が


周年ライヴって比較的シングルがメインにはなるけど、こうしてちゃんとファンを殺しにくる曲をしれっと出すから怖い。


"ジョバイロ"もアコーディオンを効かせたアコースティックなアレンジは、また一段と大人の魅力溢れるアレンジになっていた。しゅき……



今と命




11. フラワー
12. 夜間飛行


センターステージ終わりに、雨宿りのバッタのイラスト映像が流れる。

この2曲に通ずるものは「立ち止まる」ということだと思う。
この立ち止まるは「停滞」という意味ではない。

自分の今居る場所を見つめ直す

という意味があると思う。

正直"夜間飛行"を何でここにもってきたのか、僕を召すため以外の解がなかったんだけど、色々考えていて1つの答えが浮かんだ。


今この一瞬を噛みしめる喜び


である。ライヴは人生で1番楽しい時間だけど、それもいつか終わってしまう。

ぶっちゃけこじつけでしかないし、絶対僕を殺すための選曲だと思うんだけど、そう考えると色々腑に落ちた。

だって、僕らはこの日のために楽しいことばかりではない人生を、頑張って生きてきたのだから。

誰のためでない、この日のために僕らは命の火を燃やしている。


ピース




13. オレ、天使
14. 170828-29
15. アビが鳴く


このツアーの核となるブロックだと思う。

こじつけ含めてあれこれ書いてきたけど、ここだけは明確な文脈を感じさせられる。

ここまでの曲たちで「自分の今居る場所」を見つめ直した。

そこは「今生きてる人間は100年後には誰もいなくなってしまう」世界。

いずれ居なくなっていく存在に、尊いメッセージなど必要ない。そんな天使の嘆き。

それを表すように続く、"170828-29"。

演出の効果もあるが、純粋にこんなにアリーナツアーに映えるのかと思うほど、原曲とはまた違ったインパクトを受けた。


ここは誰が望んだ世界か?

最近よくない話題を見るたびに「ここは地獄かな?」と思ってしまう訳だけど。

それだけでなく、名古屋のライヴレポでも書いたが、実際に今まさに戦争が続いている世界に生きている僕らにとって、こんな残酷で生々しく響く言葉はない。

誰のために血は流れるのだろうか。
誰のために命は失われなければならないのだろうか。


そして響く"アビが鳴く"。

「音楽なんてそんなもんか」

そう伝える天使に言葉に、ポルノグラフィティは真っ向から伝える。

「音楽なんてそんなもんだ」

と。

しかしながらそれは、音楽の持つ力の弱さではない。

人間は、弱いのだ。
だから人は音楽をつくり、音楽を聴く。

それが人生なのだ。


新藤晴一はテクノロジーと人類の対比を描いてきた。

人を殺す兵器も、人を喜ばせる音楽も、人がつくり上げてきた。

このタイミングで映画「オッペンハイマー」が日本公開されるのは、なんの因果だろうか。

潰えない人の願い。平和への想い。


……そうか、だからだ。


千年に響き渡る」のはアビの鳴く声。

次の千年の恋人たちに 誰も解いたことない謎を残そう

絶対意図してないのはわかってる、わかってるけど、だからこそ恐ろしい……。
これに気づいて、いま本気で震えている。

ポルノグラフィティが変わらぬ願いを伝えたからこそ、この繋がりが生まれたのだ。

次の千年に繋がるように、当たり前に続く平和が、明日に続きますように。

僕らは、ピースサインを掲げる。


僕が1番ゾッとさせられたのは、こんな残酷なリアリズムを、こんなエンターテイメントに昇華してメッセージを届けてくるポルノグラフィティなのだ。

説教臭くなく、それでも見たものの胸に確かに残るメッセージ。

それはポルノグラフィティのメッセージが、主張ではなく問い掛けだからである。

これって"170828-29"の曲と、そこに込められた「ピースサイン」の意味を知っているからこそ出来ることだと思う。

このメッセージがちゃんと届くと確信しているから、このツアーで初めてライヴに来た人にもファンがちゃんと伝えてくれると信じているからこそ。

ポルノグラフィティは、答えを伝えなかったのだ。

こじつけるのが僕の業だけど、ここだけはこじつけで済ませる訳にはいかない。



解放区




晴一:このツアーに向けて曲をつくってきました。25周年ということで、どんなことを書こうかと思って。
この25年って経済用語で言うと「失われた何十年」っていうのと重なるんだって。でも自分たちのことを振り返ると、決して失われたものばかりじゃなくて。こういう景色を見られることもあるって。
だから、あんまり「頑張れ頑張れ」言うもの違うかなと思って。今日じゃない明日とか、それだけじゃないものもあるんじゃないかって。
そういう曲を書きました。聴いてください、曲名は、"解放区"と言います。


16. 解放区


名古屋初日はいっぱいいっぱいで気づかなかったんだけど、"解放区"においてスクリーンにはミサイルによって破壊された遺跡が直っていく様が映し出されてたんだよね。

Cメロまでの曲もアップされているし、自分はこの曲について沢山書かなきゃいけないことがあるので、それはいずれ。

とにかく、"アビが鳴く"がきて、そこから先にこのメッセージをもってくるポルノグラフィティが、僕は本当に怖くなったし、これだからこの人たちが大好きなんだなって痛感した。

この曲のメッセージをもって、そんな場所を「解放区」と呼んでくれたことに、どれだけ救われたことだろう。





生きていれば、来てほしくない明日が、しがみついていたい今日が、必ず訪れる。

それでも明けてしまう明日という日が、絶望しかないこともある。

だからこそ、今この夜だけでも居場所をくれる。
こんな場所がいつでもあるのだと教えてくれる、それがポルノグラフィティのライヴなのだ。

"解放区"という曲の一端には明確にライヴという場所も含まれていて。

だからこそ、Cメロの「それすらできない夜はここにおいで」というメッセージに、ただ胸をうたれる。

明けない夜を求めて、僕らはこの場所に戻ってくるのだ。




祝祭



17. 空想科学少年
18. ハネウマライダー
19. アポロ
20. サウダージ
21. オー!リバル


基本的にはライヴとにかく盛り上がれゾーンである。レディオヘッドからゼブラヘッド過ぎる。

それでも"空想科学少年"はここまでのセクションのメッセージを引き継いでいる気がするし、"アポロ"は言わずもがな。

それでも、このアリーナツアーで初めてきた人まで呑み込む流れであることは間違いない。

"ハネウマライダー"は名古屋初日はアンコールでのアコースティック演奏だったので、普通にこの流れできてビックリした。

その辺はアンコールのところで。

とにかく楽しい、これぞポルノグラフィティのライヴという時間。

今回のツアーのここの流れって特に「フェス的だな」って思えて、この5年でフェスに出演する機会が増えたのも影響あるのかと思った。


個人的に印象的だったのは"サウダージ"。

冒頭はピアノからアカペラに近い音で岡野昭仁ピンスポで歌い出すんだけど、その歌声の凄まじさに圧倒された。

これだけの曲数を歌ってきて、この終盤でこれである。化け物か、マジで。

ひと昔前のライヴなら、終盤になるほどとても歌うのが苦しくなりがちで、なんなら声が出し切れないライヴも10年前なら、たしかにあった。

なのに。

人間って歳取るんだよな?ってくらい、この人は声帯が年齢に反比例して強靭になっていく。もちろんそれは、日頃の努力の賜物なんだろうけどさ。

それでも普通なら年齢とともに衰えていってもおかしくない一方で、見るごとにメキメキ実力を上げていくアラフィフって、何なん? マジで。

今の岡野昭仁に本編最後で"光のストーリー"を歌ってほしい。

その本編ラスト。"オー!リバル"になったのは、当然ながら声出し解禁のライヴの集大成という意味合いからだろう。

しかしながら、ライヴという場所が「Soul & Soul 」であると感じさせられたことが、これほどにあっただろうか。

全力で楽しませようとする魂と、全力で楽しみたい魂は、こんなシナジーを生む。

あえてシナジーという言葉をつかったのは、ミュージシャンとファンという関係性だけではないからだ。

ミュージシャンを支えるため、多くのスタッフが、多くのプロモーターがいる。

このライヴを楽しみたいという数十万という人がいる。

たかがそれで、十分ではないか。





アンコール




さいたまスーパーアリーナ公演に行って驚いたことがある。

それはもう書いてしまってるけど、初日の名古屋でアンコールで披露された"ハネウマライダー"が本編でバンド編成で演奏されたことだ。

つまり、間違いなく違う曲がここにくる。

その時点で心臓がバクバクしすぎて壊れそうだった。


昭仁:アンコールありがとうございます。さぁここまでもたくさん「歌え!」とか「手を叩け!」って言ってきたけど、まだやってもらうよ?
君たちなら自然に手を叩いたり歌ったりできるでしょう。ではいってみましょう。聴いてもらうのは"アゲハ蝶"です。



22. アゲハ蝶


!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?


殺す気か? ポルノグラフィティ。

最後のピースが完璧にハマったような、そんな感覚。






ここまで読んでくれてるような重病人たち(いつもありがとうございます)には言うまでもないけど、僕の人生で1番大切な曲である。

繰り返すが、名古屋初日はここで"ハネウマライダー"だった。

それはそれで良かったけど、アコースティックだけにタオル回しも控えめで、聴くか盛り上がるかで、ちょっと分かれてた雰囲気があった。

その点で"アゲハ蝶"って、もうみんな役割を判ってるから、アコースティックだろうとなんだろうと、あんまり影響されないんだよね。

個人的にはここでは、"アゲハ蝶"が最適解だったと思う。


だからさ……もう曲名とイントロで……いやもう素直に言うわ。


「聴けて聴けて嬉しいんだよバーロー」ってなったよね。


俺、何度"アゲハ蝶"に心を破壊されればいいんだ? 一生? そうだよな。

ある意味、初日を見なかったら気づかなかったツアーの進化なので、それはそれで貴重な経験ができた。


メンバー紹介



晴一:こうして25年やってきて、こういう場所に立たせてもらえることは有難いことで。でもね、ここに立たせてもらえてるのは、お互い様だからね。
俺たちを25年やらせてくれてるのは、君たちだからね。もちろんこれからも、皆をガッカリさせないようにやっていくつもりだけど、お互い様だからね。飽きたりしないでよ?


岡野昭仁のよく言う「運命共同体」が、新藤晴一になると「お互い様」になるの笑えるけど、解釈一致しかない。


昭仁:えー改めて3連休に、いっぱいやりたいこととかあるだろうに、それでも僕らのライヴを選んでくれてありがとうございます。


昭仁:25年やってきて、よくインタビューでも「活動を続けてきて」みたいに聞かれるんです。
そこで「紆余曲折がありました」とか「山あり谷ありでした」とか言えたら良かったじゃけど。
思い返すとね……「順風満帆」だったんです。
もちろん細かいところでは山あり谷ありもありましたが、全体を見れば順風満帆だったなって。
それがなんでかって言ったら、やっばり君たちなんよ。僕ら2人だけだと、進む道が半透明みたいになって、どこを進んだらいいか、こっちの道でいいか迷うことがあるんです。
その時、君たちが「行け!」とか声を届けてくれるんです。だから僕らは進んでいけるんです。


昭仁:事前に告知がありましたけど、今日の思い出を持ち帰ってもらうために、撮影OKの時間を設けました。曲の間だけ、お手持ちのスマホで撮影してもらえればと思います。
でも、盛り上がってもらわんといけんからね? 無茶なことを言ってるのはわかってる。でもやってくれ。


23. ジレンマ


僕はさいたまは両日スタンド席で遠かったので、撮影はほぼ諦めて楽しむことにした。





カメラ越しでなくても、この眼に焼き付いた会場の風景を、一生忘れないだろう。

特にさいたま2日目、僕はこのツアー最後だったので、名残惜しさに泣きそうだった。まぁ、こっそり泣いてた。

なんて楽しいツアーだったんだろう。
なんてポルノグラフィティは楽しいのだろう。


3連休なのにポルノを選んでくれて? 当たり前だ。この夜を、選ばずにいられるか。

ちなみに、このツアーのソロ回しで皆川真人は"まほろば◯△"を弾いていた。
そして、tasukuはさいたま公演でこの楽曲のフレーズを弾いた。


1日目:ミュージック・アワー
2日目:ギフト


ちょっと話がそれるんですけど、2023年のROCK IN JAPAN FESでポルノグラフィティは"ギフト"を演奏したんです。
本当にサプライズで、僕はやられてしまった。

改めて考えた時に、この時の"ギフト"はポルノグラフィティから僕らへの感謝だったんじゃないかって。

だって、ギフトって生まれ持つものであり、それを誰かに届けることでもあるから。

誰しもが持つ自分を動かす歯車をギフトと呼ぶなら、お互い様な僕らは、ポルノグラフィティを動かす歯車にもなれる。


だからね、"ハネウマライダー"の歯車のメッセージが新藤晴一の言った「お互い様」として噛みしめることになる。


僕に特別な才能は何もない。

それでも、好きな人たちに、こうしてエールを届けることができるのだ。

これからも俺を狂わせてくれ、ポルノグラフィティ。
これからも狂った文で、応えるから。

"アゲハ蝶"に続いて、本当にさりげなく殺しにかかるな。
※そんな狙いあるわけないんだけど、"ギフト"は僕から正気を奪うので許して。


あと書くタイミングなかったんだけど、今回のツアーのさいたま公演で、初めて田中駿汰のドラムを体感した(前ツアーで行った会場と名古屋初日ライブ全部玉田豊夢だった)。

僕が玉田豊夢のドラムを愛して止まないことは書いてきたが、それとはまた違う、新しい息吹をポルノグラフィティの楽曲に吹き込むような、そんな若き力強いドラムに圧倒された。
純粋にスゲーって言いながらビートを喰らってた。

不思議な縁で彼が所属していたバンドBrian the Sunを、僕はかつてさいたまスーパーアリーナでやってる「VIVA LA ROCK」で見ている。
それでCD買って聴くくらい、気に入ってたんだけど、まさかこんな形で、この場所でポルノグラフィティと交わるとは。人生は不思議なものだ。



最後の音が鳴り止んで、大きな歓声が会場を包んだ。

歓声やメンバーの名前だけじゃない。

「ありがとう」

という言葉がステージに何度も届けられ、噛みしめるように、彼らはお辞儀を返した。

コロナ禍のライヴでも、この言葉は声で伝えなくてもちゃんと彼らには届いていた。

それでも、ようやく伝えられた。



"解放区"のところで「明けない夜を求めて、僕らはこの場所に戻ってくるのだ」と書いた。

だが、本当はとっくに知っている。

明けない夜はないのだと。

だからこそ、新しい夜を求め、僕らは日々をまた生きていくのだ。

光が眩しすぎる日も、もう一歩も歩けなくなるような日も、それでも僕らを待ってる夜はある。

だから

胸張っていけ

自信もっていけ


その声が、まだ僕らの心臓を震わせてくれるから。




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