2018年12月29日土曜日

ポルノファンへハルカトミユキの歌詞と音楽をプレゼンさせてください







ゆとり世代は黙っていながら、心の奥に狼を宿している。


ポルノファンの中にもきっとハルカトミユキの音楽が響く人がいるはずだ。

実はブログをやってる目的の1つがそれなのである。

ハルカトミユキは度々名前を出すので見覚えあるという人もそれなりにいると思う。そうやって名前を刷り込ませていくことが目的であるので、見覚えあるなら企みが成功にあると言える。

ブログを通じて、ポルノグラフィティのファンの方たちには歌詞や言葉を大切に受け止めてくれるというのがわかった今、あらためてハルカトミユキというアーティストを紹介したい。

紹介するからといって、好きになってくれというわけではない。
そもそも音楽とはなかなか薦められて好きになるというものではないからだ。しかも「流行ってる」からとかそういう理由で聴かれるようなアーティストではない。

それでも、好き嫌いではなく、こんな言葉たちが必要だった、という方がきっといるはずなのだ。
それが伝われば幸いなので、できれば目を通して、聴いてもらいたい。そして、この記事がより多くの人に届けばと思う。






ハルカトミユキとは




まずはハルカトミユキとは、という紹介から始めたい。

ギターヴォーカルのハルカ、そしてキーボードコーラスのミユキによる二人組である。
たまにネタにされるが「ハルカ トミユキ」という謎の名前の人ではない。

あとは公式から引用させてもらおう。


歌人・ハルカ(Vo/Gt)と奇人・ミユキ(Key/Cho)による2人組バンド。

短歌をこよなく愛する、歌人・ハルカのアイドルは、ニューウェイヴ短歌の旗手、穂村弘。
80’sオタクの奇人・ミユキのアイドルは、Queenの鬼才フレディ・マーキュリー。

大学で知り合った2人は、2012年11月、1st e.p.「虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。」でインディデビュー。
続けざまに、2nd e.p.「真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。」をリリースし、「Vanilla」「ドライアイス」等、キャンパスで書きためた名曲を連発する。

この無駄に長いタイトルは、実は短歌。
インディCDリリース以前から、ハルカは、ライブ会場で自作短歌集を販売しながら、
歌人として活動していた。


そんな経緯でリリースを重ね2013年にアルバム「シアノタイプ」でデビュー。

音楽性に関しては初期はフォークを基調としたオルタナティブロックが中心であるが、現在に至るまでの活動でその音楽性は広がる一方である。
あまりにもジャンルレスに縦横無尽の曲が飛び出してくるが、それこそポルノファンにしてみれば何も違和感がないことと思う。


百聞は…ということで、ここからは実際に曲を聴いてもらった方が早いだろう。



ドライアイス








ただ生きていて
これから何も信じられなくてもいい
そう願うように抱きしめるけど
僕の体じゃ溶かせなかった


初期の代表作。今でもライヴでは大切に演奏される曲である。僕が好きになったキッカケの曲でもある。

この曲については僕が何か書くよりも、歌詞を書いたハルカ本人のコメントを引用したい。


「ドライアイスは、冷たすぎて触ると火傷するよ。」と幼い頃に聞いたとき、とても衝撃的だったのを覚えています。冷たくて火傷する?
今はそのことがよくわかります。実際ドライアイスに手をつけたわけではなく、生きていく中での実感として。

どこにも出口がないような絶望に陥ったとき、気持ちも体もボロボロに成り果ててしまったとき、一体どうしたらいいんだろう。そしてそれを傍から見ている立場だったとしたら、 一体何ができるんだろう。そんな中で書いたのがこの曲です。
どんな希望の言葉も、安っぽく中身のない綺麗事のようで、ただただ唸るようにして泣いたとき、喉の奥から絞り出てきた言葉が「ただ生きていて」という願いでした。
それはなまぬるい希望ではない、ドライアイスのように極限まで凍りついて初めて生まれる熱、焼け付くように熱い命の熱だと感じました。
それこそが最後に私達が見つけられる、闇の中の本当の希望なのではないかと。



「どんな希望の言葉も、安っぽく中身のない綺麗事のようで、ただただ唸るようにして泣いたとき、喉の奥から絞り出てきた言葉が「ただ生きていて」という願いでした。」というコメントが刺さる。

絶望の中で唄われる希望。望みが絶たれると書かれる「絶望」という言葉の先にある、本当の希望。それは決して、安直に唄われるような希望ではない。

絶望があるからこそ、希望が生まれる。闇だからこそ光が強くなるように。言葉では簡単に言えても、その希望を見出だすには痛みを伴う。それを「ドライアイス」と重ねたことが絶妙だし、この曲で唄われるメッセージこそが、ハルカトミユキが唄うテーマそのものである。



シアノタイプ








ああ 少しだけ未来のこと期待してしまうから
ああ できるだけ気づかれないように笑った





メジャーデビューアルバムの表題曲。
それだけあって、今もなお「UNFADED」の魅力を持つ曲だ。

"シアノタイプ"とは「青写真」のことで未来図のようなニュアンスを秘めている。

演奏されるたびに、心の片隅をキュッと掴まれるような感覚になる。




世界








行かなくちゃ、もう
生まれてしまった思い
手を振って
幸せであれ。
時間は
綺麗なままで
残酷に消える
ずっと、愛してる



2015年に「毎月新曲をリリースする」と宣言した。
そこで最初に配信リリースされたのが、この"世界"である。

ここからハルカトミユキは新たなステージに行くことになる。毎月リリースされていった曲たちは初期を感じさせる曲もありながら、ダンサンブルな曲や前衛的な曲もあり、試行錯誤の繰り返しだった。

その中で今でもライヴでは毎回のように唄われるのが"世界"である。この曲が唄うのは「旅立ち」。

旅立つことは世界を開くことであり、それまでいた世界を見直すことでもある。











近眼のゾンビ








他人の部屋の中
土足で上がり込んで
勝手に掃除してみる
手垢だらけの言葉 土産に



あまりに不可思議な世界観のMVは置いておいて、「ゾンビ」というワードがあるからこそ、今お勧めしたい曲である。

歌詞の内容もポルノの"Fade away"とかが好きな人は刺さる歌詞だと思う。

まさに今の風潮に違和感を感じる人には感じるものがあるだろう。




手紙








愛とは手紙のようなものですね
受け取るばかりで気がつかずに
涙あふれ 滲んでしまう
それでも求めてしまいます







映画主題歌として書き下ろされたナンバー。普遍的な魅力を持つバラード曲である。多くを語る必要はないほど、おそらくどんな人にも伝わるテーマだと思う。

この曲が主題歌となっている映画「ゆらり」も号泣必至の作品である。大きくわけて3つのパートがあるのだが、3つのパートすべてで泣いた

こういった作品が大好きというのもあるが、本当に素晴らしい作品なので、大切な人がいる人、大切な人を失った人、すべてに見て欲しい。

ちなみにシゲこと戸次重幸が出ていて、とても良い役で、泣かせてくれる。



17才








たとえば夕陽さえ色褪せてしまった日は
誰かの勇気まで疑ってしまう日は
また声もなく泣きそうな自分を
目を閉じて許してみて






最新曲。ハルカトミユキ史上、最もポップに振り切った曲である。

アニメ「色づく世界の明日から」のオープニングテーマで、アニメもとても好評なようで、新しい層にも届く曲となった。

一度聴いただけでも十分に響く曲であるが、ハルカトミユキがこれまで歌ってきたテーマを踏まえて聴くとまた印象が違うのではないかと思う。もし興味を持っていただけたら、色々なハルカトミユキを聴いた後にあらためて聴いてもらいたい。

そんなことについては、以前感想記事にまとめたので、参照していただけると嬉しい。


なかなか人にアーティストを薦めるのは難しい。
それでも、誰か一人にでもハルカトミユキが届けば、こんなに有り難いことはない。

ここまで書いて止まってたうちに、ある発表があった。

そんな2人が来年ベストアルバムをリリースすることになった。

そして、それに合わせて新たなバンドツアーも発表された。

もし興味を持ったのなら、是非チェックして欲しい。






【感想】ハルカトミユキ "手紙" (映画「ゆらり」主題歌)
ハルカトミユキ"17才" の歌詞を読みとく アニメ「色づく世界の明日から」主題歌
2017年を振り返る アルバム・オブ・ザ・イヤー TOP5



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