2020年3月17日火曜日

#TLロマンスポルノ に飛んだ青い鳥






先日、ポルノグラフィティのファンたちは久しぶりにひとつとなった。

ツアー「UNFADED」のライヴ映像をみんなで同時再生して、共通のハッシュタグ「#TLロマンスポルノ」を付けて盛り上がろうという企画である。






ひとつの記録として、そのことについてと、「UNFADED」を見ていて思ったことを残しておきたい。


※TOP画はPR TIMESより引用






#TLロマンスポルノ




僕は雪のなか外に出ていた(色々とホワイトデーである)ので、残念ながら映像を見ることができなかった。けれど、企画はいつも読んでいただいてるお世話になってる方なので、少しでも協力したいと思い、僕は脳内再生しながら参加することにした。

ライヴ当日、WOWOW、発売された映像作品と15回しか見てない人間ではあるが、それでも記憶を辿れば次から次へと頭に「UNFADED」が甦るのだ。

いざ同時再生が始まると、活動がない+世間の暗いムードに圧されていたファンたちは、何かの抑圧から開放されたように、叫ばずにはいられなかった。

結果的に、ハッシュタグ「#TLロマンスポルノ」がトレンド入りを果たすほど凄まじい盛り上がりを見せた。そのトレンド入りを見たファンが何事かと思い雪崩れ込んでくるという、ローリングストーンの雪だるま状態である。

楽曲やMCへの反応、それはライヴの時に心に抱くそれで、ライヴ・ビューイングであっても心のうちにあるものをここまで吐露することはできない。

その盛り上がりっぷりに、脳内再生がいらないほど、今どんな映像が流れているかありありと見えたほどだ。

皆が同じライヴ映像を見るという点ではWOWOWでの放送があるかもしれない。それも同じではあるのだけど、WOWOWは入会していないと見れないという点がある。

そして、ひとつだけ決定的なポイントがある。

それが、ポルノファンの枯渇だ。

数日前にKing Gnuの井口理のオールナイトニッポンに、久しぶりに生きている岡野昭仁がサプライズゲストとして出演し、番組が終わってしばらく「岡野」などがトレンド入りしていたほど盛り上り、ファンの気持ちが高まっていた(昂っていた)ことも大きかったかもしれない。

今なお活動の糸口さえ見えない、強いていえば公式ホームページの一コママンガくらいなものである。

「アポロ」と書かれた商品が新発売されれば気づいたらレジに立っているし、ちょっとでもニュースに出れば拡散される。

この精神状態でいきなりライヴ見たら死ぬんじゃないだろうか。



不要不急の世界で




それに拍車をかけるように世界的なコロナウイルスの流行のせいで、ライヴという場所が今は世間からは少なからず危険な場所とされている。

それでもミュージシャンたちは音楽を奏でる場所を守るため、様々な画策をしている。いや、画策など生易しい、まさに生存戦略である。

世間にとって音楽は不要不急な存在かもしれない。

けれど、そんな音楽を、ライヴを味わっているあの瞬間だけは、何もかも忘れることができた。

それは、他ならぬポルノグラフィティとファンが築いてきた関係があるからだ。

ポルノグラフィティが歩み続けたからこそ、様々なことを経験してきた。

未曾有の震災と津波によって多くの命と心が奪われ、日本が壊れてかけてしまった時も、計画停電で真っ暗な世界のなかで、僕はポルノグラフィティを聴いていた。

先日つま恋のライヴレポを掘り起こして読み返したが、今でもあのライヴが始まった瞬間のことが忘れられない。あの場所に戻ってこれた、ポルノグラフィティの2人がステージにいる。それだけで涙が止まらなくなったのだ。

世間にとって音楽は不要不急のものかもしれない。

しかし、少なくとも僕にとっては、壊れそうな心を何度も救ってくれたのがポルノグラフィティの音楽なのだ。

訳知り顔の奴が勝手に語る不要不急は、僕を生かしている音楽なのだ。

きっと、そんな人も多いと思う。

「#TLロマンスポルノ」というハッシュタグが繋いだのは、そんな心なのかもしれない。

これに似た感覚は少し前にも味わった。

東京ドーム公演「神vs神」のディレイ・ビューイングだ。収録されたライヴ映像なのに、みんな声をあげ、タオルを回した。何かに届けたいわけではなく、自然にそうなってしまうのだ。

理屈ではない衝動を呼び起こすのがライヴなのだから。

ならば、今回の同時に再生されたライヴ映像もまた、ひとつのライヴだったのだ。

そんなことを思っていると、心に青い鳥が吹き抜けた。








青い鳥




脳内で曲を流しながら、悪いくせでまた歌詞について考えてしまっていた。

それは"カメレオン・レンズ"に差し掛かったところ。


不吉な声でカラスが鳴いた あれは僕が君の空に放した
青い鳥なのかもしれないね 美しい羽だった


それぞれが違う空を見つめていて。けれど同じ場所を見つめていて。

それから終盤で"パレット"が演奏される。


パレットの上の青色じゃとても
描けそうにない この晴れた空を
ただちゃんと見つめていて ありのままがいい


そのフレーズを思い、このライヴではやってないのだけど、そのフレーズが"天気職人"が思い浮かんでしまって。


晴れたらちょっとだけ青い色を借りて
痛む心に鳥を描こう いつかは風が吹き抜けてゆくでしょう


描けないものと描けるもので、一見相反するように感じるかもしれないけど、僕はそうではないと思っていて。
青い空とは何を示しているだろうか。

"パレット"においてはありのままを見つめること、"天気職人"ではありのままの天気に背中を押してもらうこと、どちらも想いを空に重ねている。

"メリッサ"などにもあるように、新藤晴一にとって鳥とは想いを開放するための存在であることが多い。

そんな鳥が舞う空。

春が近づき、気持ちのいい空を見上げて思う。

空はこんなに青いのに、そこに目に見えない"何か"も舞っている。

同時に様々な想いも舞っている。

それは決して明るいものばかりではない。時には黒く染まってしまうかもしれない。

それでも人は空へ放つ。

それぞれの心に抱いた願いを、祈りを込めながら。

青い鳥を。








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