遂に発売された。
『嘘喰い』の最新刊、コミック45巻である。
発売日(今日)の朝に新宿駅の本屋さんで買って出勤中に読んだくらい楽しみにしていた。
まず大きな衝撃があった。
まさか、
まだ「実写映画化企画進行中」とは。
何巻も前からやっているけど、一体いつまで進行中なのだろうか。
コミック出るたびに期待してるんだけど。
※ネタバレ踏みたくないので積極的に情報収集できない
さて、前巻から始まった屋形越え
ネタバレ含みます。
真鍋匠
前巻のラストでようやく姿を現した元密葬課の長、真鍋匠。
嘘喰い45巻より
彼は蔓延しているドラッグの煙を吸わぬよう極限まで呼吸を制御することでトランス状態になっていた。
近づくものにはこわれそうなものばかり集めてガラスの少年時代の破片のごとく攻撃をする。
嘘喰い45巻より
彼には彼なりの賭郎への想いがあった。
それは「死」と「滅亡」について。
消滅した密葬課、だが果たしてそれは「死」なのか。
屋形越えによって、賭郎も確実に変化がもたらされる。ある意味では一度「死ぬ」こととなる。
その死は決して滅亡ではない。
モンゴンゴのようにそれ後の繁栄に繋げていくのだ。そして、その礎となるべく戦っているのだ。それは真鍋匠を賭郎に引き込んだ切間撻器の想いでもあった。
嘘喰い45巻より
しかし、その願いは門倉雄大の前に潰えてしまう。
課長は過去がそこまで深くは描かれてないし、プロトポロスではほとんどギャグキャラだったけど、そんな姿は跡形もない。とにかく格好いいキャラになったなと思う。いや、元々カッコイイし、人気あるんだけどね。
門倉雄大
門倉雄大もまた、最初とはまるで違うキャラへと変貌を遂げる。
ほんとにあった!呪いのビデオに出てきそうなビジュアルのことではない。
嘘喰い45巻より
門倉がここまでのキャラになったのは迫さんの意図するものなのか、それとも作者の予想を越えた変化であったのか訊いてみたい。
サヴァン症候群を発症してからの門倉の覚醒は凄まじいものがあったが、屋形越えに相応しき者にはなれなかった。
しかし門倉は闘いの中で立会人としての本当の自分の目的を取り戻す。
嘘喰い45巻より
ここからの門倉さんはいきなり強く成りすぎではと思っていたけど、よく考えると課長、普通に喋ってるのでガス吸っちゃったんじゃないのか。
その一方でちゃんみだとマルコの争いも同時進行していく。
マルコがちゃんみだや課長ではなく門倉を勝たせたことには強い意味があった。
マルコはプロトポロス入ってからとにかく活躍の場がなかったからこうし、少しでも重要なアシストの見せ場があって嬉しい。
ちゃんみだは唯一自分のハンカチを所有しているので、この後の闘いの結果如何では時間切れで勝てる可能性もあったんだね(後述)。
でもこういう幕引きも、らしくて良いなぁと思った。
さて、課長を下した門倉はすっかり待ち合わせスポットと化した伽羅の亡骸の前である男と対峙する。
嘘喰い45巻より
夜行妃古壱
嘘喰い45巻より
脱落したと思われていた夜行妃古壱は実はハンカチをすり替えていた。
勝利のためには時間終了時に自身のハンカチを持っていなければならない。
これによりお互い相手が自分のハンカチを持っている状態となり、相手を倒した方が勝者となる。
先に書いた弥鱈が勝利する条件として門倉と夜行の決着がつかない場合である。
その場合は自身のハンカチを持ってるちゃんみだが勝者となった。
話を門倉と夜行に戻す。
夜行さんはここで門倉を屋形越えに相応しい者と認める、しかし、だからこそ憤る。零號として。
この憤りはかつて切間撻器が夜行に見せた姿だよね。それが零號という存在なのだ。
嘘喰い45巻より
衝撃的な伽羅の亡骸が2人の間に立ちはだかるシーン、それも零號であった伽羅の存在がもたらせたもの。
485話で課長が伽羅に対してこう云う場面がある。
だが、今や彼を知るものは
その脳裏にこう刻まれている"誰もが認める最強、元・零號立会人"であり
彼こそこの"屋形越え"に相応しいと…
死して尚
彼はその遺伝子を運び続けている
その脳裏にこう刻まれている"誰もが認める最強、元・零號立会人"であり
彼こそこの"屋形越え"に相応しいと…
死して尚
彼はその遺伝子を運び続けている
モンゴンゴのくだりで云うセリフだけど、伽羅もまた死して尚、「死」と「滅亡」そこからの「繁栄」を繋げている、だからこそ門倉と夜行の間に立ちはだかったのだ。
嘘喰い45巻より
遂に門倉を制してハンカチ集め勝者となった夜行。
彼は嘘喰いとお屋形様の前に現れ、いよいよ最終決戦"屋形越え"が開幕する。
賭郎勝負 ハンカチ落としゲーム
夜行の提案したゲームは「ハンカチ落とし」である。
獏さんのお望みの勝負である。
ものすごくシンプルなゲームだが、『嘘喰い』においてハンカチは最重要ともいえるアイテムである。
立会人たちはそのハンカチにプライドを賭ける。
ストーリーにおいてハンカチを落とすこと、それは闘い、號奪戦の合図でもあった。
ハンカチ争奪戦を経て、屋形越えもハンカチを用いた勝負というのはこれほど相応しいものはないのではないかと。
基本ルールはとてもシンプルで、ハンカチを落とす"D"と発見する"C"を交互に行う。
Cが振り向いた時にハンカチが落ちてればセーフ、もしハンカチが落ちてなければペナルティが課せられる。
嘘喰い45巻より
シンプルな運任せのゲームを心理戦にするための追加ルールは「臨死」のペナルティ。
この臨死にする薬と蘇生させる薬が万能すぎる気はしないでもないけど、まぁこれくらいリアリティをそぐものではないだろう。
そういえば、ジャンケンのくだりめちゃくちゃ笑った。
48人の組織って最初何のことかと思ったらAKB48のことか。
嘘喰い45巻より
勝負開始直後のため、ここからどんな展開を迎えるか分からない。ちなみに僕の知能指数では到底展開の予想がつかないので、次の巻を待ちわびることにする。
ちなみに僕の予想は実は嘘喰いの左目には佐田国の視覚再生技術が使われていて、フロアに仕込んだカメラで俯瞰で見れるようになっているというトリックである。カメラはもちろん梶が仕込む。
そんなわけねーだろ。
何度か書いているが、エアポーカーはギャンブルマンガ史上最高傑作と呼べるほどのものだったので、果たして最終決戦どれほどの勝負が展開されるのか想像つかない。
ハードル上がりすぎてしまってるよね。
でも、それよりこの闘いが終わったら『嘘喰い』は完結してしまうんだよな、と考えると寂しいものだ。
僕らは夜行さんと同じく2人の闘いに立会い見守るだけである。
にしても本当にプロトポロス、特にエアポーカー以降の迫先生の画力がどんどん凄いなってる。
今の絵で最初の廃ビル脱出を書いたらどうなるか見てみたい。
嘘喰い1巻表紙と最新439話の貘さん pic.twitter.com/2XVKUoIO0F— 沙竹唯 (@satakeyui) 2015年10月1日
次巻(46巻)の感想は → 【感想】嘘喰い46巻~屋形越え編 獏は本当に"見えてる"のでは?
【感想】嘘喰い47巻〜屋形越え ハンカチ落とし(臨死ゲーム)編 ハンカチ落としは佳境へ
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