2018年9月27日木曜日

"Zombies are standing out"に向けて"全く役に立たない"ゾンビ豆知識







ポルノグラフィティの配信シングル"Zombies are standing out"のリリースが決まった。

配信はなんと発表から3日後。


というか、今晩0時。

他のアーティストではしばしば見かけることはあるが、ポルノグラフィティもいよいよそんな時代になったのだなと感慨深くなる。


このシングル発表に伴って公式サイトに掲載された言葉に、とにかくワクワクさせられた。




 「Zombies are standing out」では、今やポップカルチャーの代表的なアイコンである「Zombie」を喪失感や諦念に抗い、何度でも立ち上がる象徴として用いており、その「Zombie」の持つ世界観を骨太なロックサウンドに乗せたナンバーとなっています!!

そして今回の楽曲は『Sony WALKMAN A50シリーズ』のWEB CMソングとなっており、楽曲のVideo ClipとWEB CMのコラボも必見です!!



ゾ、ゾンビ!?


この人たち前のシングルがポケモンの主題歌だったんだぞ。
なんか真っ白なPVで子どもたちに、パパみたいな顔見せてたんだぞ。

おそらく配信されたら感想を書くだろうが、ゾンビについて書き始めたら、おそらく読んだポルノファンの方々が軽く凄く引く可能性が高い。

新曲についても色々見ていたが「ゾンビ!」という方と「ゾンビ……」という方が真っ二つであった。

なので、先にこの記事で「ゾンビとは」について予備教材として書いておきたい。


もしかしたら、新曲を聴く上で役立つ情報があるかも……と思ったが公開されたMV見る限り全く関係ないや!







ていうか、格好良すぎるだろう。


初めて聴いたとき格好良すぎて思わず噎せ返ってしまった。


正直、瞬間最高のテンションでいえば人生のオールタイムベスト1位記録しました。

それくらい興奮度合いがヤバい。正気でいられない。

曲に関しては、配信したらたっぷり書きます。


新曲の役には立たなくてもゾンビが苦手って人に伝わればと書いてみる。



ゾンビとは




そもそも「ゾンビって何?」というのを簡単に。


ブードゥー教から派生していくのだけど、ボコと呼ばれる司祭によって死者が甦るという概念である。

映画としては1923年に公開された「恐怖城」で初めてゾンビが登場したとされている。
その後も怪奇映画などで登場するが、現在一般的に想像するゾンビの概念を作り出したのはこの映画だろう。

1968年公開の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」である。






この映画は昨年2017年に亡くなったゾンビ映画の巨匠であるジョージ・A・ロメロ監督によって撮られた。
ゾンビといえばこの人という監督である。

この映画において、ゾンビのイメージ造形が完成する。すなわち、


・死んだ人間が甦る
・食べること以外の本能はない(知能はない)
・頭を撃てば死ぬ
・ゾンビに殺された人間もゾンビ化する
・走らない
・頭を破壊すると殺せる


など、一般的に思い浮かべるゾンビはそこで画一されているのだ。

それで"定義"と呼べるものが生まれたことで、その後それに坑がってセオリーをぶち破る作品も登場する。

たとえば2004年公開 ザック・スナイダー監督の「ドーン・オブ・ザ・デッド」はそれまでの"ノロノロ歩くゾンビ"という概念をぶっ飛ばして"走るゾンビ"というものを誕生させた。






そして2009年公開 ルーベン・フライシャー監督の「ゾンビランド」ではそのセオリーを"お約束"として逆手に取り、主人公のコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)はゾンビ映画で死んでしまうフラグを"ルール"として、それを元に生き残りを図る。





かのように、ゾンビ映画とはある意味ロメロによって画一されすぎてしまった側面もある。だからこそ、それを打ち破ろうと画策してきたのだ。

おまけで、ジョージ・A・ロメロ監督に最大限の愛を注いだコメディ「ショーン・オブ・ザ・デッド」は一部グロめのシーンはあるが、大名作なので是非見て欲しい。





レコードを選別しながらゾンビに投げつけるシーンは大爆笑ものである。

ゾンビもの興味あるけど、グロいのは……という方はブラピ主演の映画「ワールド・ウォーZ」がオススメ。家族で見れるレベルのゾンビ映画。






こうして様々なゾンビ映画が古今東西創られてきた。

そして、ゾンビとは決してフィクションとして描かれるだけでなく、別の側面もある。



ゾンビ作品が伝えるメッセージ




ある程度ゾンビ好きな人の間では有名ですが、フィクションの世界におけるゾンビとはメタファな訳ですよ。

何のメタファかというと「時代」を写すものであった。


ロメロ監督はゾンビの映画を何作も撮ってきたけど、描いたのは「社会風刺」なんですよね。

たとえば先にも挙げた「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でゾンビを通して描いたのは公民権運動やベトナム戦争である。


そして、何よりゾンビ映画が描こうとしているのは。


それこそが「人間が一番怖い」というもの。


というか僕はあんな曲をいま創ってしまう「ポルノグラフィティが一番怖い」


ゾンビ映画(ドラマ)などは、最終的に自分が生き残ればいいというエゴが先ん立ち、大抵は人間同士の抗争へと発展する。







自身が生き残るために、他の生存者を出し抜こうとするエゴ。これが最も醜いとさえされるメッセージとなる。

そう。ホラーの行き着くところは「人間が怖い」ということなのだ。たとえ死後であろうとなかろうと、それは人間の憎悪によるものなのだ。

そしてゾンビが描くのは"終末感"


それが戦争などで、人々が感じる「末期」の気持ちと重なり、共感となる。
同時に「世界破滅しねーかな」みたいな考えの人間たちにより強く響く。


つまり、ゾンビとは異質な存在ではない。


もっと身近にいる存在なのだ。



ゾンビとは?




ではあらためて問おう。


ゾンビとは何であろうか?


僕が好きなアーティストはこう書いている。


ぞっとしちゃうほど正論で
親切ヅラしたジェラシー


ショートしちゃってる愛憎で
こんがらがっちゃってるイノセンス
不気味な正義感 近眼のゾンビ

ハルカトミユキ "近眼のゾンビ"





※なに?このMVとか言わないように


ここで歌われるゾンビとはそう、すなわち思考を放棄した人間たち、なのである。

何も考えず、与えられるものだけを受け入れてただ呼吸し食事して生きている人間をゾンビとしているのだ。


そしてジョージ・A・ロメロはこう言い残している「ゾンビとは、我々自身だ」


さぁ、ゾンビたちよ。


今こそ立ち上がれ。








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