2019年10月5日土曜日

ポルノ全アルバムレビュー5th「THUMPχ」









ポルノグラフィティ全アルバムレビューも早くも5枚目のオリジナルアルバムとなった。11th「BUTTERFLY EFFECT」は書いているので、早くも折り返しである。

と思っていたのに、前回あるオチをやりたいがためにベストアルバムにまで言及してしまったので全く折り返しにはならなかった。

それはさておき。5枚目「THUMPχ」はベースTamaの脱退で2人体制となったポルノグラフィティが初めてリリースしたアルバムという、一つの節目となった大切な作品である。

見ていこう。
アルバムついでに言うけど12thアルバムがどうなるか、まだ見ぬ未来が楽しみで仕方ない。


ポルノ全アルバムレビュー

5th「THUMPχ」








アルバムについて




「THUMPχ」読み方は「サンプ サンプ サンプ」。「THUMP」は何かを打つ音という意味があって、それが転じて「ドキドキ」という意味もあり、「ドキドキするようなアルバム」ということで名付けられた。

白×ピンク×黒を基調としたポップな印象のジャケット。
ギターやメンバーのシルエットも小さいながら描かれているが、まず目に飛び込むのは、中央に鎮座する、座してはいなくて浮いてるけど、通称「THUMP MAN(サンプマン)」と呼ばれる異形のキャラクターだろう。

当時、THUMP MANに対して「怖い」「夢に出てきそう」「なんか、ヤバい」という愛情溢れる言葉がファンから上がっていた。そこそこ印象的なキャラクターで徐々に可愛く見えてきたが、当時はまだ「ナビゲートキャラクター」がなかったので、アルバム以降見かけることはほぼなくなった。どうでもいいが、THE YELLOW MONKEYが再集結後にメインキャラクターとしたTYM(タイム)を見て僕はTHUMP MANを思い出した。





というか僕は地味に下に描かれているモルボルみたいなキャラクターの正体のが気になる。

どうでもいい思い出話をひとつ書くと、このアルバムのフラゲ日が、高校の身体測定で、昼くらいに学校へ行けば良かった。なので兄にCDプレーヤーを借り、朝一開店と同時くらいにアルバムを買い、電車で聴きながら学校へ向かったのが「THUMPχ」を初めて聴いた思い出だ。もはやCDプレーヤーなど過去の遺物と化していて、時代を感じる。

シングル4曲、全14曲とボリュームもなかなかあり、楽曲もいつも言えることだが、バラエティに富んでいる。それでも改めて通して聴くとあまり散漫な印象も受けないように思う。

何でだろうと考えてみると、アルバムの曲の多くが今や未来を描いていることが多いからではないだろうか。過去を想うような曲は"何度も"と"シスター"が強いが、他の曲は過去を振り返りながらも、そこから未来を見据えるか今を見据えると言った曲が多い。

意図せずかもしれないが「嘘でも前に」という決意のもと、新しく歩みだしたポルノグラフィティのアルバムにそんな楽曲が並んでいることが、それを思わせたのかもしれない。

同時に、このアルバムが優しい曲が最も多いのではと思う。その中で"Twilight, トワイライト"のような曲が中央に置かれ、最後に"Let's go to the answer"が来るという、それだけでも終わらないという部分もあるだろう。


では多彩な曲たちを見ていこう。

※アルバム曲についてがちょっと長くなるので、各シングル曲については省略しますので、シングルレビューを参照してください



1. Ouch!!

作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一


ストーンズライクな、乾いてエッジの効いたギターカッティングのリフがオープニングを告げる。

ポルノグラフィティの曲ほとんどに言えることだが、CDではポップな印象でも、ライヴで聴くととてもロックな曲になるということがある。

これはその最たるもので、「THUMPχ」を引っ提げたツアー「SWITCH」の春公演でオープニングで演奏された際にはCDでは感じきれなかった格好良さが際立っていた。

「SWITCH」秋公演以降ライヴでは演奏されてなかったと思うので、今のポルノグラフィティでやったらとても映えるのではと思っている。

歌詞について。歌詞にあるような「女心」が、正直ちょっとステレオタイプ過ぎるなというきらいがあり、少し狙い過ぎてるなと思える。もちろんこういう心理もあるのだろうが、強調しすぎると一周してフェミニズムへの皮肉にも見えてしまう。

ただし、男がそれくらいのアホという存在なのは21世紀どころか、2019年になった今も変わらないと思う。

おそらくになってしまうが、今の岡野昭仁のヴォーカルであればもう少し違ったニュアンスで聴こえるかもしれないし、ライヴで如何に楽しいかもっと多くの人に知って欲しいので、ライヴで聴きたい。




2. ネオメロドラマティック

作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma



2曲目としてアルバムに勢いをつける。
こうして聴くと改めてシングルとしての強さを感じる。

詰め込まれた歌メロを歯切れよく歌い上げる岡野昭仁のヴォーカルという、ポルノグラフィティの武器を最大限に活かした曲。


ネオメロドラマティックの歌詞の意味を読み解きました
ポルノ全シングルレビュー17th「ネオメロドラマティック/ROLL」



3. 東京ランドスケープ

作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma


5周年ライヴとして行われたスペシャルライヴ「Purple's」で未発表曲として披露された1曲。

静と動が混雑する楽曲は、本間昭光作曲×岡野昭仁作詞の組み合わせによる。

アルペジオのリフの中、淡々と歌う冒頭から、衝動溢れるBメロへ展開しそのままサビへ。2番でも繰り返し、ギターソロ、ラストサビで臨界点を迎え、最後はまた淡々としたリフと歌に戻る。

歌詞を書くとしてはとても難易度が高い曲だが、岡野昭仁の歌詞は東京の持つ焦燥感を描きながら、そこに立ち向かう姿を歌う。いま聴くと「夢は続いてる」「思ったよりやれてる?」というフレーズは、より感慨深い気持ちになる。

うねる濁流のようなネガティブもポジティブも呑み込んでいく。それでも主人公が決意するのは、進み続けるということ。

その決意も夢も、今なお続いている

灰色の東京の景観(ランドスケープ)の下。



4. We Love Us

作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁


温かみのあるサウンドと、日常の中のあるシーンたちを切り取った歌詞。

後半で「We love me and so we love you.」というフレーズ。直訳すると「私たちは私を愛している、だからあなたも愛しています」というニュアンス。「自分を愛せないなら人を愛すこともできない」「人を愛せるなら自分自身も愛せる」など、様々なメッセージに置き換えて受け取ることもできる。

「SWITCH」ツアーでは本編の最後を飾り、最後のこのフレーズが繰り返され、岡野昭仁は「唄え!」と僕らに託した。互いを讃え合うように、ライヴという場所に生まれた愛情を噛みしめるように、その合唱は美しく響いていた。


ある朝と晩の景色。

実はそこまで歌詞のことを深く考えていなくて、個人的に今回アルバム聴き直していて一番心に刺さった。

メイクをする君への想い。


まるで笑みを絶やした事のない可愛らしい人みたい


これ普通だったら、かなりキザだしクドい台詞だ。それをあまり感じさせない上に、「普段可愛らしいと思ってないのか?」という疑問も生まれない。それくらいさりげなく歌われる。

一番心に刺さったのが最後のフレーズ。


We love me and so we love you 弱い時
We love me and so we love you 寒い夜
We love me and so we love you 終わる時
We love me and so we love you



一番で「いつまでだって絶え間なく続けばいい」と歌われるのに対して、最後には明確に「終わる時」という言葉になる。
今さらながら、それに気づいてハッとした。

ならば、その後が"黄昏ロマンスにつながるということに恐ろしさすら感じる。

もちろん「終わる時」は1日が終わる時という捉え方もできるが、けれども既に2番で「一日の終わりを共に迎える」という言葉もあるので、あえて最後に持ってくるということは、それは意図しているようにしか思えない。




5. 黄昏ロマンス

作詞・作曲:新藤晴一


"黄昏ロマンス"に感じる残酷なまでの優しさ。

それは、終わらなければいいなと願う日常にも、終わりはやってくるということ。人の生に永遠などないからこそ、日々を思う。

時間だけは永遠に繰り返し、優しいまま残酷に消えていく。


ポルノ全シングルレビュー16th「黄昏ロマンス」




6. Twilight, トワイライト

作詞・作曲:岡野昭仁


アルバムの中で「核」と呼びべき、重要な役割を果たしているのが、この"Twilight, トワイライト"だ。

「SWITCH」ツアーでも"ヘソ"として演奏され、その長尺のアレンジが印象に残る。そんな記憶もありながら、直近で東京ドーム「神VS神」でも演奏され、(嬉しくも悲しい意味としての)色褪せぬ魅力を放った。

新藤晴一のエッセイ『自宅にて』によると、アルバムで一番最後にできた曲であり、この曲ができて良かったと思えた曲でもある。

フィクションとしての歌詞の世界を広げることもできれば、こうして現実世界を切り取っていくこともポップソングの役割であり、使命でもある。

「夜ごとリフレイン」という言葉。リフレインはギターリフなどの言葉のとおり、繰り返されることを意味する。繰り返される鳴き声は悲しみだけだろうか。悲しみを生み出すものは、過ちだ。人の業、繰り返される過ちが、夜を悲しみに染める。

主人としての「Twilight」、繋がれた飼い犬の「トワイライト」。あらためてタイトルが秀逸だ。彼方(あちら)の黄昏時は、此方(こちら)の暁。その逆もまたしかり。
なぜなら「Twilight」という言葉そのものが、黄昏でもあり、暁という意味も持つのだから。

極端なほど左右(LR)のチャンネルに分けてミックスされたアレンジ。序盤は右チャンネルは岡野昭仁の声しか聴こえない。
それがさらに対極を連想させる。

そんなトワイライトたちが、"黄昏ロマンス"から繋がっているという皮肉的でもある。



7. ROLL

作詞・作曲:岡野昭仁



今まで強く意識していなかったけど、"Twilight, トワイライト"のアウトロの最後に、微かにアコギのアルペジオが入っている。それがふと止んだところへ、歌始まりの"ROLL"がくるということが、ただ皮肉的なばかりでないと思わせてくれる。

ポルノグラフィティは楽曲の降り幅が広いので、アルバムでも曲の流れを繋げていくようなことはほとんどない。けれど、"黄昏ロマンス"~"Twilight, トワイライト"で前半が終わり、"ROLL"~"シスター"につながるという流れは大きな意味があるなと思う。

"ROLL"については過去何度か書いているので、そちらを。

一言だけ書くなら、名曲


ROLL歌詞解釈〜男女問わず人を惹き付ける名曲の理由とは



8. シスター

作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma


2人体制となったポルノグラフィティが「リスタート」として初めてリリースしたシングル。

哀愁溢れる、どこか異国情緒のある空気をまとっている。
ここでも最後に「たそがれ」という言葉が出てくる。

シングルとしては"シスター"~"黄昏ロマンス"というリリースだったが、アルバムでは"黄昏ロマンス"からの一連の曲たちが"シスター"に辿り着くという流れができているのが興味深い。


シスター歌詞解釈〜あなたのために祈る事なら今の僕にも許されるでしょう
ポルノ全シングルレビュー15th「シスター」




9. ドリーマー

作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma



ここまでの哀愁をすべてぶっ飛ばすような、男の妄想全力疾走ソング。トラックリスト(曲目)が発表された時にこんな妄想ソングだとは思わなかった。

それは「ドリーマー(dreamer)」という言葉がタイトルになっているもののほとんどは、「夢見る人」「夢を追い続ける人」みたいなニュアンスで使われることが多いからだろう。

"シスター"もPVが舟が出てきて新たな船出を描いているけど、次にいきなり妄想の海へ漕ぎ出すのだからポルノグラフィティは油断できない。

最後にやったのは2009年の東京ドームだったか。何かでやったような気もするが。何にしてもハチャメチャなテンションでライヴでもとても楽しいので、もっとやればいいのになと思う。

Cメロへの展開、カズー(笛っぽい楽器)の音色から、一文字ずつ録音したものをパッチワークで組み合わせた「タダイマ画像ガ乱レテイマスモウシバラクオ待チ下サイ」というフレーズで、まさに「壊れた」展開となる。

それでもからドリーマーという名の妄想男が、どこかいとおしく見えてしまうのは、結局懲りないというところにある。

ドリーマーをこじらせた場合は、ビーチサンダルを履いた指に挟まる砂のようにまとわりついて離れなくなってしまうタイプになるけれど、なんとなくそうはならない気がする。

たぶん、それは「いつも勝手に想ってごめんなさい」なんて思ってしまうアホな素直さもあるからかもしれない。とりあえず、自分がドリーマーした通り「罪なき」ままでいて欲しいと願う。




10. 社員 on the beach

作詞・作曲:新藤晴一



これほど「タイトルオチ」な曲はないのではないか。絶対タイトル付けた時点で満足してる。

サラリーマンを描いたつもりで誤魔化しているが、完全に仕事放り出して南の島に行きたい気持ちを全面に出したギタリストが透けて見える。
それにしても"Hard Days,Holy Night"然り、"ひとひら"然り、新藤晴一の描くサラリーマンみんな帰れなさすぎる。

そうだとすると、デッサンシリーズよりも何よりも「今の気持ちを素直に綴った歌詞」がこの曲なのではないか。

ティンパニが良いアクセントになっていて、曲を引き立てている。ポップなアートワークのわりに軽めの曲が少ない「THUMPχ」では唯一のお気楽ソングでもある。

但し、お気楽なのは妄想だけで、現実には結局仕事に戻るというオチが、サラリーマンには実はかなり痛烈なオチだ。

悔しいことに、これを書いてる僕は実は結構仕事ヤバい状況で、恐ろしいほどにこの曲に共感を抱いてしまっている。



11. プッシュプレイ

作詞・作曲:新藤晴一



これもまた5周年ライヴで披露された新曲のひとつ。それはシングル「ネオメロドラマティック/ROLL」のカップリングとしてライヴ音源が収録されている。

かつての憧れと夢。

折しもこれを書いているひと月前に東京ドーム「神VS神」のオープニング曲として"プッシュプレイ"が演奏された。

かつて破天荒な生き様に生きたロッカーたち。
彼らがハチャメチャに見えたのは、闘っていたからだ。

あの混沌とした時代は終わった。しかし、人は変わらない、変われない。混沌はカタチを変えて、今もなおそこにある。
閉塞した埃っぽい地下室のように、全てが表には出て来ない。

そんな時代と今のミュージシャンは闘っている。

東京ドームの姿、そして新藤晴一の「世界を目指すことが挑戦ではなく、ポルノグラフィティのこれからに必要なこと」という言葉。

僕らの憧れているロッカーは、まだ闘っている。




12. うたかた

作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma



NAOTOによる二胡の演奏が印象的。
儚く淡い恋、その歌詞がまた秀逸だ。岡野昭仁の歌詞の中でも白眉と呼ぶべきものである。

冒頭に登場する蜉蝣(カゲロウ)。蜉蝣は水中で1年ほどを過ごし、脱皮して成虫になると地上に出る。しかし、成虫になってからは、数時間~数日で命が尽きてしまう。主人公はそんな蜉蝣に、叶わぬ想いを重ねるが、それだけでは終わらないところに、"うたかた"の歌詞の魅力がある。


「東の野にかげろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」


柿本人麻呂の歌である。ここでいう「かげろひ」は炎であり、蜉蝣ではなく陽炎のことだ。陽炎は春によくある明け方太陽によって地面が温められ、光が屈折してゆらゆらとゆらめく様のこと。俳句でも春の季語となっている。ちなみに蜉蝣は秋の季語。

なので蜉蝣と陽炎は同音意義語であり、陽炎は蜉蝣に由来するとも言われている。


『蜻蛉日記』(かげろうにっき)の題は日記の「なほものはかなきを思へば、あるかなきかの心ちするかげろふの日記といふべし」に由来する。あるかないかわからないもの、蜉蝣(蜻蛉)は成虫でも弱々しく飛ぶ姿に人は儚さを重ねてしまう。

かのように、蜉蝣とは人にとって儚い存在とされ、主人公もそれを重ねるけれど、蜉蝣は儚い存在という訳ではないという説もある。蜉蝣は成虫になるまで1年ほど水中で生きている。実は昆虫の中でもそこまで短命という訳ではない。

成虫になってからの命が短くとも、それまでは水中で生きているのだ。成虫になるのは、繁殖し子孫を残すため。つまりは、蜉蝣は儚くはなく、その生を全うしているという見方もできる。

儚さ、それは外からは見えない、胸のなかにある。


こんな気持ちを知っただけでも
幸せだと言えるのだろう
胸は爛れ締め付けられても
どうか恋を咎めないで
せめてしんと眠りにつかせて


だとすれば、儚く遠いあなたへの想い。それが成就しなかったとしても。優しい主人公がこの抱いた気持ちは、無駄ではない。



13. 何度も

作詞・作曲:新藤晴一



当時のアルバムインタビューでインタビュアーの方が第一声で「名曲!」と言っていたのが印象的だった名曲。

ほとんどまんまクラプトンクラプトンを彷彿とさせる柔らかいガットギターのサウンドが心地好い。まさに歌詞の「ポロリポロリ」というように、夜の世界にひとつひとつ音符を置いていくようだ。

"うたかた"で「せめてしんと眠りに就かせて」というフレーズで終わった後の"何度も"が「楽しげな話が尽きたように黙った月の夜」で始まる。眠りについた世界を主人公が眺めている。


名前のない公園に錆び付いた
ベンチとシーソーと
世界を簡単にひっくり返せた
鉄棒も眠る


この歌詞よ。新藤晴一という男の目を通せば、何気ない光景が、こんな唯一無二のフレーズとなる。世界をひっくり返すのはベンチでも、シーソーでもない、世界は自分の想いでいくらでもその姿を変える。

それはきっと窓から見える"世界"。眠った公園も、屋根の猫も。


もう無理しなくてもいいよ


という言葉が、聴くたび心に沁み入る。
そのまま捉えれば歌詞のストーリーに沿った言葉、しかしこの言葉がいつもそれ以上に響く。

主人公は言葉にならない気持ちを抱いている。
足したり引いたり、理知的にもならない不毛な計算は、自分が本当はわかっている感情を認めたくないから。

それでも、最後には「答えはわかっているから」と認める。

改めて聴いて、"うたかた"と"何度も"の喪失と主人公が辛いながらも受け止める決意をするという部分でも、似通っている。

とりわけ"何度も"の公園。それは後に"AGAIN"で描かれる公園とダブってしまう。ならば、この2曲の前が"プッシュプレイ"であり、この後に決意としてのあの曲が来るということが、やはり僕は、重ねずにはいられない。


AGAIN歌詞解釈~「遥かな昔海に沈んだ架空の街の地図」とは




14. Let's go to the answer

作詞・作曲:岡野昭仁


アルバムの締めとしては"何度も"で終わる方がアルバムらしさが出るが、ポルノグラフィティは「その先」を見せるたてにあえてその後にアッパーな"Let's go to the answer"を「宣言」として入れた。

特徴のひとつとして、この曲のレコーディングメンバーは小畑ポンプ(ドラム)、野崎森男(ベース)、NAOTO(ヴァイオリン)、ただすけ(オルガン)と当時のライヴでのサポートメンバーでレコーディングされている。それだけにポルノグラフィティの「今」がそこに込められている。

2番のAメロでは様々な曲のタイトルが言葉遊びで繋げられている。岡野昭仁は「言葉遊びをしたかった」と当時のインタビューで言っていたが、それは自分たちの歴史を今一度見つめ直したということでもあるのではないか。


「answer(答え)」とはなんだろうか。
それは、"何度も"の主人公のように、もうわかっているもの。

15周年のツアーで岡野昭仁は言った。



15年前の1999年9月、メジャーデビューを迎える僕たちは大いなる夢を抱いてました。その当時と今を比べると、どこか現実的で打算的になってる自分がいると気が付きました。それでいいはずがない。いいはずがないから、これからも君たちの心を貫くような音楽を、君たちの人生を変えてしまうぐらいの音楽を。この音楽シーンを、壊してしまうぐらいの音楽を、君たちに届けることを夢見て、これからも進んでいきたいと思う。わしらの遠吠えに、まだまだついてきてくれますか。


15周年のお祭り騒ぎ、だからこそ中盤でこの決意を宣誓し、"Let's go to the answer"を歌ったことで、強い慟哭に襲われた。ここで、それを言えるから、ポルノグラフィティが好きで、いつまでも信じてついて行けるのだと。

それだけでも十分なのに、20周年でまだまだ僕らを驚かせるような、まさに僕らを貫くような曲を何曲も打ち出した。そして集大成の東京ドームという舞台で"プッシュプレイ"でオープニングを飾り、最後に「あのロッカーまだ闘ってっかな?」と歌い上げた。

この人達には、敵わない。

ポルノグラフィティは今もなお、僕らを「THUMP」させ続けている。



【ライヴレポ】ポルノグラフィティ “NIPPONロマンス ポルノ'19~神vs神~” Day.1
【ライヴレポ】ポルノグラフィティ “NIPPONロマンス ポルノ'19~神vs神~” Day.2

ポルノグラフィティの生存戦略 描く未来図としての海外進出


★アルバムレビュー


ポルノ全アルバムレビュー1st「ロマンチスト・エゴイスト」
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【全曲感想】ポルノグラフィティ 11thアルバム「BUTTERFLY EFFECT」
【感想】ポルノグラフィティ 11thアルバム「BUTTERFLY EFFECT」2017.11.10




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