海外のアーティストのライヴ映像を見ていて凄いなと思うのが、観客のほとんどがスマホを片手に見ていること。
写真や動画なりをSNSで人と共有したり、自分の思い出にしているのだろう。日本でも最近は撮影を解禁しているアーティストが増えてきたが、基本的には禁止という場合がまだまだ多い。
気持ちは分からなくはないのだが、ライヴが好きな自分にとっては、少しモヤモヤした気持ちが生まれる。
今回はそんな話である。
生で見る特権
このモヤモヤの正体が何だろうと考えたときに思うことがある。
それは撮影に夢中で音楽を生で味わうことの喜びが薄くなってるのではということだ。
動画では決して残らない興奮、腹に響くバスドラの音も、ベースのうねりも、これは間違いなく生で見る特権なのだ。
以前とあるカメラマンの方がしたツイートが話題になったことがある。
それは、
ライブハウスで『非常識』だったことが、『常識』に変わりつつある中で、個人的に思ったことです。 pic.twitter.com/0vZVQrSwZ5— 齋藤タカヒロ (@kiiroiro_22) 2016年9月6日
というものだ。
手を伸ばせば触れる距離で、バンドマンが必死に音を鳴らしてるのに、それをデジタルの画面を通して観るなんて、本当にもったいないことだと思う。
という言葉にすべてが表れている。
もちろんこれはライヴハウスの話なので、スタジアムライヴとかであれば、まぁスクリーンの画面見てるのと代わらないよなとは思うが。
それでも、やはり熱気や音の厚みは生でないと伝わらないものではないだろうか。
見ている人への配慮を
人気アーティストのライブ、スマホ撮影OK
という記事では、藤井フミヤのライヴ例が紹介されているが、その写真にちょっとモヤっとしたものを感じてしまう。
もう1つスマホなどで撮影することで起きる弊害がある。
液晶の明かりである。ただでさえ年々画面が大きくなり、画面が明るくなった。
それを終始掲げていては、視界に入ってどうしても邪魔になる。
暗転などの演出も、ぶち壊しに成ってしまいかねない。
気にするなと云われればそれまでなのだが、暗い場内でずっと白い画面が出ていたら目につくだろう。
もっといえば、アリーナでは撮影のために目線よりも高く掲げるだろうから、後ろの人にとっては視界を塞ぐ行為にもなりかねない。
アーティスト自身が許可していることなので、僕が是非とかとやかく言える筋合いではないのだが、撮影OKであってもその辺は気を遣える人になりましょう。
かといって無いのも困る
一方で僕はこの客席からの映像に助けられていることも多々ある。
なので、一概に否定してしまうのも忍びない立場なのだ。
どういうことか説明すると、僕は海外のとあるドマイナーバンドが好きである。以前記事にもしたFaber Driveというカナダのバンドだ。
Simple Plan好き必見!カナダ発のバンドFaber Driveの初来日を切実に願う
マイナーすぎて、国内盤は出ていない、当然来日なんてしない、というか最近は活動すらしていない。
なので、ライヴを見るには必然的にカナダに行くしかない。
そうなると、頼りはYouTubeにアップされている客撮影のライヴ映像のみである。
スマホとかでの撮影なのでブレてたり、音が割れてるなんて当たり前である。
しかし、それでも見れないよりは良いに決まっている。ということで、僕はYouTubeにアップされてるライヴ映像はほとんど全て見たと自負している。
このように、観客撮影の動画に助けられている自分もいるので、上記の発言との齟齬(そご)がある結果となってしまう。
無論、本当は生で見たいのだ。合唱したいのだ。
しかし、そのためにはカナダに行く時間と金がいる。というかツアーやれ。
同情するなら金をくれ。
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