2023年9月28日木曜日

アゲハ蝶の歴代ライヴアレンジを総括する








先日THE FIRST TAKEで"アゲハ蝶"が演奏され、瞬く間に100万再生を突破した。

それを記念してYouTubeで過去にライヴで披露した"アゲハ蝶"が5曲厳選され2時間限定でオンエアされた。

僕は都合で見られなかったんだけど、いい機会なので自分なりに今までの"アゲハ蝶"のアレンジを振り返りたい。

基本映像化されている作品が中心だけど、一部自分で書いておきたいものは映像化されていなくても取り上げることとする。

一応時系列でいきます。





1. "BITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002






2002年の「5thライヴサーキット BITTER SWEET MUSIC BIZ」ツアーの最終日の日本武道館公園。

冒頭でクラップコーナーがあり、パーカッションっぽい音色が心地よい。

間に1日休みはあるとはいえ、全4日間の最終日ということもあり、岡野昭仁の喉がかなり辛そうなライヴである。

その状態でブレスを放棄したような"アゲハ蝶"のような楽曲はとても辛そうだ。



2 . 5th Anniversary Special Live "PURPLE'S" IN TOKYO TAIIKUKAN 2004






5周年記念ライヴでありながら、Tamaが脱退し、2人になったポルノグラフィティが初めて行ったライヴでもある。

それでも周年ライヴであるだけに、初っ端から"ミュージック・アワー"という景気の良さである。殺意?

"アゲハ蝶"は比較的オリジナルに近い形で披露されているけど、見どころはサポートでベースとして加わった野崎森男が苦心しまくって弾いているベースである。

毎度思うけどアホみたいに多彩なポルノグラフィティの楽曲を演奏しているサポートメンバーは凄いなと思う。給料を倍にしてもいいと思う。


ちなみに時系列でいくと「SWITCH」ツアーファイナルでも"アゲハ蝶"は7曲目("Free and Freedom"と"何度も"の間)で演奏されていたがDVD化の際にはカットされている。

今からでも遅くないから「SWITCH」完全版Blu-rayはよ。怒らないから。


「マジで?」と思ったレベルで忘れてたのでアレンジなど全く記憶にございません。



3. "OPEN MUSIC CABINET" LIVE IN SAITAMA SUPER ARENA 2007






ライヴ終盤(本編ラスト前)で披露。

アレンジというよりは、これもサポートメンバーによる影響が大きい。

このツアーのサポートメンバーは7名体制である。

キーボードでただすけの他に、本間昭光も参戦。自分が本間昭光を生で見たのこれが初めてだったので「"アゲハ蝶"つくってくれてありがとう」と拝むような気持ちで見ていた。



もう1つはパーカッションが加わっている点。
坂井"LAMBSY"秀彰(ラムジー)のパーカッションがライヴ全編通してもとても効果的で、これも見どころである。



4. 横浜・淡路ロマンスポルノ'08 〜10イヤーズ ギフト〜 LIVE IN AWAJISHIMA






正直ようやく「アレンジ」と紹介できるアレンジとなった。

センターステージに集まり、篝火に照らされた幻想的な雰囲気で演奏された。もっというと何かの儀式っぽい。

全体的にはアコースティックなアレンジだけど、パーカッションやカホンなどの打楽器が厚みある土台となり、そこにNAOTOのヴァイオリンが軽やかな音色を羽ばたかせる。


これだけで金取れる。

間奏で打楽器のキメに合わせて炎が燃え上る演出とか、本当に良いよね(語彙力)。

ただ、このアレンジが最も大きな効果をもたらしたのは、横浜スタジアムの豪雨ライヴだったことは言うまでもない。




5. "ロイヤル ストレート フラッシュ" LIVE IN YOYOGI DAIICHI TAIIKUKAN 2009







フルではなくメドレーの中の1曲として演奏されている。

場所はラララ以降である。

10周年記念でシングル満載だけにとても疲れるライヴだったので、これだけ短くされた"アゲハ蝶"でも右腕が痛かった記憶がある。



6 . 東京ロマンスポルノ'09 〜愛と青春の日々〜(未映像化)


初めての東京ドーム公演。

"アゲハ蝶"は10曲目に演奏されたんだけど、それまでの9曲が容赦ないほどファン向け(シングルが当時最新の"アニマロッサ"と、"ラック"しかない)というストイック過ぎる仕様だったので、ここでようやく「メジャーな曲きた」という印象だった。

初めての5万人のワンマンということもあり、東京ドームに響いた5万のラララはとても感動的だった。

それにしても全35曲といい、セットリストがストイック過ぎる。


東京ロマンスポルノ'09 ~愛と青春の日々~ ライヴレポ 回顧録前編











3.11の震災後はじめてのライヴとなったライヴ。

そのロマンスポルノ本編のラストを、"アゲハ蝶"が飾った。

数ある曲からこの曲を祈りとして演奏し、最後の最後にメッセージとして"∠RECEIVER"を演奏するのが、ポルノグラフィティなのだ。

その中でまさに本当のアゲハ蝶が会場を舞っていたのが、ポルノグラフィティの祈りが届いた証だと今も思ってる。

僕は当時父が単身赴任で福島にいたので、震災後に訪れた際は、ずっとこの"アゲハ蝶"と"∠RECEIVER"が頭に響いていた。











8. 12thライヴサーキット "PANORAMA×42” 2012ポルノグラフテー(未映像化)


ツアー本編では演奏されていないが、沖縄のスペシャルライヴで演奏された。


「SWITCH」ツアーの沖縄公演でエイサー隊との共演があり("NaNaNa サマーガール"のMVにちょっと入ってる)、その再演となった。

"アゲハ蝶"前にこちらも本編にない"Twilight,トワイライト"が演奏されているのも、その流れの踏襲である。

自分の中で思い入れの深い"アゲハ蝶"の1つである。
というか、ライヴで1番泣いたのがこの"アゲハ蝶"である。

理由は本当に今でも言葉にできないんだけど、沖縄の土地の空気とか、"Twilight,トワイライト"にやられたとか、エイサー隊、ステージメンバーの演奏とかもあって、本当に特別なアレンジだった。


【PANORAMA×42】沖縄の空に舞った"アゲハ蝶"に泣いた夜のこと



9. 13thライヴサーキット“ラヴ・E・メール・フロム・1999”
























15周年ツアー

アレンジの特徴としては新藤晴一がエレキ(このツアーメインで使っていたクリス・コーネル モデルのES-335)を弾いていることだ。

その音色がとても新鮮だったんだよね。

そういえばあのギター最近見ないな、くれないかな。



10. 神戸・横浜ロマンスポルノ'14 〜惑ワ不ノ森〜





冒頭でセンターステージでかぐづち-KAGUZUCHI-によるファイヤーダンスが披露されて、08に続きまたしても儀式ムンムンな雰囲気のアレンジとなった。

ラララ前の低音がバリバリに効いたアレンジとか、実はあまりない雰囲気だと思う。

ネウロの魔界から化物を連れ出してきそうなレベルの魔改造。

それにしても、夏の野外ライヴと"アゲハ蝶"の相性の良さはビールと餃子に匹敵する。



11. 横浜ロマンスポルノ'16 〜THE WAY〜 Live in YOKOHAMA STADIUM
























続いても横浜スタジアム。

といっても、これまでのデーモンの召喚みたいな儀式めいたものとは一変して、まだ空が明るいうちにセンターステージで披露した、アコースティックアレンジである。

ここまで完全なアコースティック感のあるアレンジって初めてじゃないかな(08はアコースティックという印象を超越(こ)えすぎている)

毎度"アゲハ蝶"が演奏されると自分のSAN値がチェーンソーでゴリゴリ削られるんだけど、これが1番爽やかで気持ちいい、平常心で穏やかな心境で聴けた"アゲハ蝶"だと思う。




12. PORNOGRAFFITTI 色情塗鴉 Special Live in Taiwan























台湾ライヴ。

これだけ演奏されてきているけど、ライヴハウスで演奏された"アゲハ蝶"は数えるくらいしかない。そもそもライヴハウスガ少ないからなんだけど。

過去にテレビ放映とかはあったかもしれないけど、映像化されているのはこれだけじゃないかな。知らんけど。

アンコールで演奏されていて、死ぬほど陳腐な表現しか出て来ないんだけど、やっぱり「音楽に国境はない」って思う。

当たり前だけど、現地の方ほとんどが100%歌詞を理解しているはずもなく、それでもポルノグラフィティの音楽がこれだけ届くんだって。

世界中の人が音楽に心を踊らされば、世界はもう少し平和に近づくと本気で思っている。



13. ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017







2017年にポルノグラフィティは初のROCK IN JAPAN FESへの出演を果たす。


ロッキン文化の歴史を知っている人なら「ポルノグラフィティがロッキンに出る」というだけで、一大事件だった。

そんなフェスのメインステージに登場し、過去最大規模のライヴを見事に成功させた。

割合で言えば7割以上はファンでない観客になると思うんだけど、そんな様々なミュージシャンを愛する人々が一つになって歌う"アゲハ蝶”は、もはや親目線で涙するほどのものだった。

映像は「ブレス」のシングルに収録されている。

【ライヴレポ】ROCK IN JAPAN FES 2017 DAY.4 後編 ポルノグラフィティ・ハルカトミユキ


14. しまなみロマンスポルノ'18 ~Deep Breath~(未映像化)


20周年イヤー突入を記念して敢行されたロマンスポルノライヴ。

しかしながら、その2daysは様々なドラマを生むことになる。

その事は当時の自分が余すことなく書いてるので、そちらを参照いただきたい。

SONGS ポルノグラフィティ×密着・20年目のふるさとライブがダメ、本当にダメ

【ライヴレポ】しまなみロマンスポルノ'18~Deep Breath~ネタバレ&セットリスト


"アゲハ蝶"はラストの"ジレンマ"前、本来はアンコール枠で演奏された。
観客席中央に高々設けられたビールのピー箱のステージで、ポルノグラフィティ高らかに"アゲハ蝶"を雨空に放った。

ふり返れば二言目には「雨」しか言葉が出ないようなロマンスポルノだったけど、その分多くのものをもたらしてくれた。

間違いなくポルノグラフィティの僕らの距離を、より近づけたライヴだったと思う。

20周年イヤーのターニングポイントがあったからこそ、今のポルノグラフィティがある。



15. 20th Anniversary Special LIVE"NIPPONロマンスポルノ'19 〜神vs神〜"






















そして満を持して訪れた20周年。

東京ドーム2daysで行われたこの祭典は、本人たちの想像を超える大成功を収めた。

ファンとしても誇らしくなるようなこの2日間でも、もちろん"アゲハ蝶”は演奏されている。

両日とも本編ラスト前に演奏されて、再び5万人の観客たちの歌声を響かせた。

と言っても映像にも音源にも残っている通り、初日は岡野昭仁が入りのクラップ間違えるわ、途中のラララでギタリストが「ウェーブやろう」なんていうから色々グダグタになっていたりする。

けどまさにデビュー20周年記念日となった2日目は完璧に決めたところが、ね。
この2日間の"アゲハ蝶”でポルノグラフィティの魅力トッピング全乗せになっている。



16. CYBERロマンスポルノ'20 〜REUNION〜





20周年の華々しい祭りのあと、世界は新型コロナウイルスによって一変してしまった。

そんなコロナ禍で初めてのライヴを行った。
観客は半分、マスク着用、声出し禁止、ライヴ配信を同時に行うという形式となった。

これを書いてる2023年9月はライヴもほぼ元通りになったが、今もコロナウイルスは猛威を奮っている。

そんなライヴだが、ポルノグラフィティはあえて2曲目にいきなり"オー!リバル"を演奏したりする。

変わらないライヴを見せる、実際に声は出せなくとも伝わる、そんな事を確かめたような瞬間だった。

それと同様に"アゲハ蝶"も声出し不可という状況であえて選曲された。

声を出せない僕らが託したのは《ツイート》という祈りであった。

予め募集していたツイートたちが蝶となり、画面を舞っていく。それは配信を見ているものへ向けたAR演出だ。

こうして可視化された"声"が、先の見えない世界を彩る希望になったのだ。

そん映像は「テーマソング」のシングルの特典映像になっているので是非見て欲しい。



ということで、全てではないが映像化されているものを中心に振り返ってみた。


こうして見返すと、アレンジの変化も多彩だが、何よりどれも演奏されたタイミングがハッとさせられるものが多い。

そして振り返ると、やっぱり自分の人生にはいくつもの大切な"アゲハ蝶"が飛んでいたんだなと思えた。

沖縄のこととか、いま思い出しても書いてて泣けてしまったくらいで、もはや好きとか嫌いとかいう次元で済まなくなってる。

自分の場合は"アゲハ蝶"がそれだったわけだが、きっと音楽を愛する人の胸にはそれぞれ、大切な1曲があると思う。

そんな曲と出逢えることは、それだけで幸福なことだと思う。

それぞれの胸の中にある幸福を抱きしめ、また次のライヴを待とう。



ポルノグラフィティのライヴで演奏して欲しい曲 TOP20

ポルノ全シングルレビュー 6th「アゲハ蝶」


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