2017年11月10日金曜日

【感想】ポルノグラフィティ 11thアルバム「BUTTERFLY EFFECT」2017.11.10






<序文という名の言い訳>

ポルノグラフィティのニューアルバム「BUTTERFLY EFFECT」について、アルバム全体の感想を書いたのですが、結論からいうと書けませんでした。

リリースされてから2週間以上経過しているにも関わらず、アルバムの全容が未だに掴めない。

なので、いっそ書くのを止めようと思ってたのですが、アルバムリリース直後から考えて「確かに心が動いたこと」をなかったことにしてしまうのも勿体ないので、かなり散文になってしまったこの文章を記録として残しておこうと思う。

読みづらいは、やたらと長めの文章だは、という内容ですので、ご了承ください。
どちらかというと最後に紹介する曲ごとの歌詞解釈の記事のがオススメです。


ポルノグラフィティ

 11thアルバム「BUTTERFLY EFFECT」








ポルノグラフィティのニューアルバム「BUTTERFLY EFFECT」がリリースされた。

シングル5曲を含む全14曲ということで、かなりボリュームが詰まったアルバムとなっている。14曲全てに個性があり、王道のポルノグラフィティからかつてないほど実験的に振りきれた曲まで、似通った曲が全くと言っていいほどない。

幾度となく聴き直してきたが、僕の現時点での感想は「最高の曲が並んだ物足りないアルバム」である。
なぜそう感じたのか、それを書きたいと思う。

楽曲については、別記事に数曲分書いているのでそちらをどうぞ。




モンタージュ



アルバムのオープニングは"THE DAY"。

「RHINOCEROS」以降でこのアルバムが出るまでの最初の一歩が"THE DAY"であり、更には2016年の横浜スタジアムでの「THE WAY」の本編最後での新たな一歩の決意でもある。これほど相応しい始まりはないだろう。

曲目を見て面白いのが、間に挟まるシングル曲が、リリースされた時系列(もっといえば世に出た順)に沿っていることだ。最後は"キング&クイーン"で締められる。アルバムへ向けての飛翔というような位置付けでリリースされたが、アルバムでも最後に置くことで、ポルノグラフィティにとってその先の次の一歩を示しているように感じた。

"キング&クイーン"はかなりストレートな曲で、捻くれまくってる僕には眩しいのだけど、逆にここまで潔く突き抜けてくれると逆に快感になってしまうのだ。正直アルバムを聴いて一番感動したのは"キング&クイーン"であった。





一巡してまず感じたのは「不思議なアルバムだナ」と伊集院静風に言ってしまう1枚であった。極端にいってしまえば「何だこれ」という感覚。それくらい初聴きでは捉えきれなかった。

これまでもジャンルなどあってないような活動ではあったが、岡野昭仁が歌い、新藤晴一がギターを弾いてるという部分以外はほぼ全て違うことをしている。かなり実験的だ。

各楽曲でアレンジャーたちの個性が存分に発揮されている。
たとえば"君の愛読書がケルアックだった件"と"I Believe"ではどちらもウインドチャイムの音(キラキラとかシャラーンとした音のあれ)が使われてるけど、全く違って響いている。

様々なアレンジャーとの制作はアルバム「PANORAMA PORNO」の辺りからかなり色濃くなった。その時に語っていたのが「各アレンジャーがそれぞれポルノグラフィティのイメージを持っていて、それをしっかり魅せようとしてくれている」というもの。

それはヴォーカルだけでなく、ギターもしっかり主張させて合わせることでポルノグラフィティらしさになるというアプローチだ。

つまり言うなればアレンジャーによって解釈された"ポルノグラフィティらしさ"をメタに表現しているというイメージ。
特に"オー!リバル"から"LiAR"の流れはある種、ポルノグラフィティのアイデンティティを再認識したことにそれが表れている。


このアルバムでは、更に先の新しいポルノグラフィティを作り上げようという意識を持ってアレンジしている点も見受けられる。

これだけ幅広い楽曲たちを表現しきった岡野昭仁のヴォーカリストとしての進化は外すことはできない。

楽曲ごとの表情だけでなく、曲の中での歌声の変化の付け方など、今尚その進化の歩を止めない姿勢に感服である。しかし、それでいながらもどんな歌を聴いてもきちんとポルノグラフィティの岡野昭仁という個性を宿している。
このアルバム唯一といっていいほど全編通して貫かれているのはそれだけではないだろうか。

もちろん新藤晴一のギターも相変わらず振り幅が広いのだが、それよりもとにかく岡野昭仁を感じるアルバムとなっている。
岡野昭仁という縦軸が一本通っていて、そこに新藤晴一が横軸を広げているので、見るポイントによってかなり表情を変えるアルバムだ。

よく写真を沢山並べてそれで1枚の絵を完成させるというアートがあるけど、今回のアルバムにはまさにそれに近い印象を受けた。

近くで見るとバラバラなピースたちが、アルバム全体として見たとき、ポルノグラフィティとして見たとき、音楽業界から見たときと視点が離れていくほど、実はバラバラな曲たちに意味が生まれる。

過去と未来を見据えた今現在のポルノグラフィティを詰め込んでいる、云わばポルノグラフィティの「Montage」となっているのだ。









多様性



ただし、その多様さこそがこのアルバムへの評価の分かれ目にもなるところだろう。確かに、あまりに多彩すぎてアルバムとしてのまとまりは、ほぼないと言っていい。

狙いを外しているように聴こえる箇所もあるが、これから控えているアルバムツアーで聴けば印象は変わるだろうし、今後のライヴでも違う表情になっていくことだろう。


新藤晴一の言葉を借りれば、この音楽が飽和な時代に新しい音楽を作ること、そこに今作へ込められたメッセージがあるという。

「RHINOCEROS」発売時にアルバムへのコメントとして岡野昭仁は「一曲一曲を強いものにしたい」と、新藤晴一の言葉では「アルバムのロマンを信じたい」と言葉を残している。

それを体言するように、岡野昭仁は比較的シングル方向寄りの曲作りをし、対する新藤晴一はどちらかといえばアルバム向きの曲を追求しているように映った。

僕はアルバムにロマンがあると思っている人間なので、新藤晴一のコメントに対してとても共感した。同時にそのアルバムをより多くの人に届けるために、シングル曲をはじめ、1曲1曲に力がなければいけないという岡野昭仁の言葉にも共感を抱いている。

この2人のアプローチの違いがありながら「RHINOCEROS」にはアルバムのロマンというものを感じた1枚だった。




「RHINOCEROS」はその要素たちがぶつかり、奇跡的な化学反応を起こした1枚であった。「RHINOCEROS」も個性豊かな曲が並んでいるが、通して聴くとしっかりとアルバムとして捉えることができる。
おそらくそれはアルバムの中で押し引きがしっかりしていて、バランスを取っていたからだろう。

その点で「BUTTERFLY EFFECT」ではひたすら押しの曲が多く、アルバムへのロマンが決定的に欠如したものと聴こえてしまうのだ。もちろんそういう意図のアルバムはたくさんあるが、「RHINOCEROS」の後ということで、そこにどこか物足りなさを抱いたのも事実である。

確かにシングル曲はどれも力強い。そしてアルバム曲も素晴らしいものばかりだ。しかし、アルバムにまだロマンを抱いている部分の僕が待ったをかける。今のところそんな印象である。

まるで和洋折衷のブッフェに行ったようなアルバムだ。

1つひとつの楽曲(お品書き)はとても完成度が高く、どこを切り取っても文句のない内容。しかしあまりに充実しすぎて食べ終わって「何が美味しかったんだっけ?」「最初に食べたアレ何だったけ?」となる感覚。

最初に書いた「最高の曲が並んだ物足りないアルバム」というのは、完成度の高い素晴らしい楽曲が並んだ中からアルバムへのロマンが抜け落ちた1枚というところによる。

よりにもよって、今年はアルバムへのロマンをビンビンに感じるものをよく聴いていたので、そこのギャップをまだ咀嚼しきれないのだ。


あらためてアルバムタイトルを見れば、収録曲たちは一滴の雨だ。だからこそ、降る時期も場所も違っている。面ではなく点で捉えることがこのアルバムとの正しい向き合い方なのは理解している。

《雨にもちゃんとした素敵な理由がある》

という"天気職人"の歌詞のとおり、それぞれの曲にストーリーがあり、聴く人間の心に落ちて波紋を広げる。

時には地球の裏側のように嵐となって。


"君の愛読書がケルアックだった件"の歌詞が実はとんでもなくヤッバイ内容な件
MICROWAVE歌詞解釈〜Believe when I say "I want it that way"
夜間飛行 歌詞解釈〜「偶然は愛のようにひとを束縛する」
"Working men blues"の替え歌の件についてちょっと本気出して考えてみた










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2017年11月7日火曜日

【感想】ハルカトミユキ "手紙" (映画「ゆらり」主題歌)






「人は失くした時に本当に大切だったものに気づく」


あまりにも使い古されて、陳腐な言い回しだ。

でも、なぜこんなに陳腐に聞こえるほど使い古されているのだろう。

それは教訓として過去から脈々と受け継がれていながらも、本当に大切なものを失うことが、自分にとってそう何度も訪れるものではないからかもしれない。
或いは、常にそこに"存在"する限り、本当に大切なものだということに気づかないからかもしれない。

ハルカトミユキの新曲"手紙"を聴いてそんなことを考えた。






愛とは手紙のようなものですね。
受け取るばかりで気がつかずに





無償の愛がそこにあるとして。
愛情は当たり前になってしまうだろうか。そこに愛があることが当然だからだろうか。


返事はもうこなくたって
いつまでも待てる気がします


返事はもう返ってこないと知っている。
でも雲の上にいってしまったあなたには、たとえ返事がなくても伝わっている。なぜなら私があなたから受け取ったものと同じだから。

手紙に気持ちを乗せた時、私はあなたが与えてくれたものに気づいたのだろう。だからこそ、それまでごまかしてきた愛というものと素直に向き合えるようになる。

それと同時に自分の気持ちに向けた手紙でもある。あなたがくれたもの、そっと心に遺していったもの、それを言葉にして噛み締めているそんな言葉にも聴こえた。


あの日、野音で聴いて、なんて綺麗な曲なんだろうと思った。美しいピアノも優しい歌声も、でもどこか儚げで。

一音一音が身体に届きそっと溶けて沁みていく感覚。ハルカトミユキの楽曲の中でも、最も普遍的な愛情を写した作品だ。


"夏のうた"において煙のように笑って泣いて眠った君。


どうしても苦しい時はたまに思い出してください。
幸せな時は忘れていてください。いつでも側にいます。
そう たとえば透明な 夜明けの月みたいに


"夜明けの月"では語り部分が意図的に残されていて、そしてこの曲の語りに"手紙"に出てくるあなたを重ねる。


たとえば僕が まちがっていても
正直だった 悲しさがあるから…流れていく
"流星"


僕の欲しかったものは、君ではなく。君の持つ未来と可能性だった。年を重ねた自分と、眩しいほどの黒髪の少女。
流れて消えていくばかりのもの、僕の欲しかったもの、それはもう戻らないもの。それでも《幸福だとは 言わないが 不幸ぶるのは がらじゃない》という強がり。

でもそれこそが、


Story of My Life(それが僕の人生の物語)
"Story of My Life"


なんてね。


ハルカトミユキ +5th Anniversary SPECIAL @日比谷野外大音楽堂 2017/09/02
【感想】ハルカトミユキ 3rdアルバム「溜息の断面図」全曲レビュー













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2017年11月5日日曜日

新藤晴一のカフェイン11レポ 2017.10.30放送分 「BUTTERFLY EFFECT」発売しました






※赤字が自分の感想です


ポルノグラフィティ新藤晴一のカフェイン11レポ 2017.10.30放送分



オープニングトーク




ツアーに向けてリハーサルが始まり、アルバムのプロモーションも重なって疲れ気味。
疲れすぎて尾道とかの物件を無意識に見てしまうそう。

ニューアルバム「BUTTERFLY EFFECT」をリリース。


メール;「BUTTERFLY EFFECT」毎日聴いています。アルバム曲はどれも好きだけど"MICROWAVE"の中毒性が高い。今までのポルノになかったサウンドに、自分の頭を冷蔵庫に例えてしまう歌詞、ライヴで聴きたい。

晴一:"MICROWAVE"が聴けるかどうかは当日のお楽しみに。



1曲目"MICROWAVE"



新橋駅前でサプライズライヴ




新橋駅前でサプライズライヴ。
1時間前の告知にも関わらずファンの人が来てくれ、そこにいたサラリーマンの方々も足を止めてくれた。

"Working men blues"について、気持ちを込めて作ったが、本当に働いてる人にどう届くか心配だった。

1時間前の告知だけど、ポルノT着てくれたファンの方もいた。
ギリギリの告知にも関わらず、ポルノTを着てくれたのは、もしかしたら予測をしてくれて準備していたのでは。

今浪:「着いたらちょうど終わってた」という人もいます。

晴一:あぁごめんね。自分たちでもイベントとして捉えきれてなかったから。新橋で働く人たちのためにメッセージを届けて帰ろうとだけ思ってた。
でもあれだけ人が来てくれたなら、もう1〜2曲用意しておけば良かった。

終わってから知りました(八王子市のSさん)


2曲目"Working men blues"



BUTTERFLY EFFECTの感想




しまなみテレビの10月号について。
今回は公開放送だったが、ツアー中は不定期で何かあったら放送となります。

110人集まってくれたけど、常々抱いていた「ロックスターとファン」という関係じゃなくて「田舎の兄ちゃんが帰ってきた」みたいな雰囲気になった。
最初こそワーっとなったけど、5分くらいでこたつに足突っ込んでるような雰囲気になった。まぁこれはこれでポルノらしいかなと。


コーナー:BUTTERFLY EFFECTの感想ないん?

今浪:その前にさっきの新橋について、渋谷で張ってたり、丸の内で張ってたり、タオルとか準備して行きましたという人が。

晴一;そうか。どこかに現れるというのは言ってたんだ。確かに丸の内も働く人の街だしね。
ほら、こうやって宣伝部が「サプライズだ!」と言っても読まれておろう。


メール:ニューアルバム聴きました。"夜間飛行"が特に素晴らしかったです。今回のアルバムを聴いて晴一さんは本当にメロディに言葉を乗せるのが本当に上手だと思いました。

晴一;メロディに言葉を乗せるのが上手い、ようやく認めてもたえたような。でも語感とかそういうのって実はあんまり意識してない、まぁ鼻歌で合わせはするけど。
だからたまに歌いづらいのもあって"MICROWAVE"でもあったな。「アンダーヘア」とか凄く歌いにくいけど頑張って歌ってくれと頼んだ。

歌詞によく出てくる「抱きしめたい」とかそういう言葉って予測がつく、たとえば挨拶で「チューっす」て言っても「おはようございます」のことなんだなって予想つくみたいに。でも予想してない言葉っていうのはきちんとイントネーションにハメないといけない。あ、ちゃんと語感意識してるな。

「アンダーヘア」に頑なコダワリを持つ作詞家。


曲行きますか。
"夜間飛行"について、何かあったかな。思い出したら言います。


3曲目"夜間飛行"

"夜間飛行"聴いてもらいました。

思い出したのが、カースケさんのドラムね。レコーディングでスネア一発鳴らしただけで「あ、カースケさんのドラム」だった。テクニカルな曲じゃないけど、その音色だけで聴かせてしまう。


あのドラムは国宝級。本当に素晴らしい。









カープ通信ファイナル




全国ツアーも開催間近。
現在はリハーサル4日目。いつもよりは仕上がりが早くてみんな気合いが入っている。アルバムを出したからルーティーンでツアー行くって感じじゃなくて、今までで一番良いツアーにするという意気込みがみんな強まっている。

今は色々なものが急ピッチでまとまってきている。でも5時間半くらい新しい曲たちをフル回転で弾いたあとのラジオは舌が上手く回らない。
今回は仮セットを山梨県の倉庫というか、スタジオに組むんだけどそこにリハ前に往復するんよ。それを見て、照明の具合などを意識合わせをして2時間かけて戻ってリハをする。


コーナー:カープ通信 ファイナル

公開収録で聴いたらいまいち人気のない可能性が出てきたコーナー。


2017年が終了。カープはクライマックスシリーズで敗退。

やっぱりね。4月に始まって今10月でしょ。だから横浜は上がり調子、でもカープは一年やってきた中で下がり調子のところだった。それでもなんとかなるかなと思っていたけどどうにもならなかった。
クライマックスシリーズの是非について、カープが惜敗していたらCSに一言あったけど、あれだけ大敗したら何も言えない。

来年に向けてチームに爆発力があるかが鍵。

日本シリーズはソフトバンクが2勝しているけど、横浜も日本一あるかなと思っている。


結局いいとこまで持ちかえしたけど、横浜ギリギリ及ばずだったようだね。
でも晴一さんの予想いいところ突いてたんだね



4曲目"キング&クイーン"


スタッフ、メンバー含めインフルエンザの予防接種。
ツアーは誰か1人かかってしまうと全滅の可能性もある。







では今週も閉店です。










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2017年11月4日土曜日

エリック・クラプトン ギターの売り上げ減少に「多分、ギターは終わったんだろう」







エリック・クラプトン、ギターの売り上げ減少に「多分、ギターは終わったんだろう」




『Washington Post』紙によると、エレクトリック・ギターの年間売り上げはこの10年減少しており、ギブソンやフェンダーに続き、PRS Guitarsも経営不振に陥っているという。
自身のドキュメンタリー『Eric Clapton: A Life in 12 Bars』が上映されたトロント国際映画祭の記者会見で、『Billboard』誌からそれを告げられたクラプトンは、こう話したという。「そんなに悪いとは知らなかった(笑)。僕は実態を把握していない。何が起きてるか、知らないし、どちらに転ぶかもわからない。物事には自然の成り行きってものがあり、収まるべきところに収まるんだと思う」



少し前の記事であるが、ギターを愛する者の一人として書いておきたい。

ギターの売上が落ち込んできているそうだ。


僕は音楽を好きだし、ギターという楽器を愛している。それだけにこの状況は、なかなかに由々しき事態ではないかと思う。



ギターヒーローの不在




今さら云うまでもないが、そもそも音楽自体の売上も落ちてきているし、その中でジャンルの垣根がなくなりつつあるし、ギターを使った音楽の規模は必然的にも減ってきている。

バンドという形式は決して主流とはいえなくなった。いや、もはや主流と呼べるジャンルすら不在となったのだ。

それでもROCK IN JAPANなどを見ても、バンド音楽は一定数は存在する。だが、その減ってきた母数の中で最も致命的ともいえるのが、ギターヒーローの不在である。

今の若い世代が「ギターってカッコイイ!」「ギターやりたい!」と思わせてしまうほどのギタリストが不在なのだ。
※もちろん若い人で巧い人はいくらでもいるが、それこそスラッシュやクラプトンクラスという意味で

僕はジョン・メイヤー大好きだがな!

それには90年代~00年代~10年代でのバンドミュージックの変遷が大きい。








邦楽ロックの系譜




90年代のギタリストの多くはギターヒーローに憧れてギターを始めたケースが多い。
たとえばポルノグラフィティの新藤晴一はGuns N' RosesのスラッシュやXなどに強い影響を受けている。

7~80年代のロックの系譜である。
ハードロックやメタルも元気な時代だったので、ギターへ憧れるキッズが多かった。キッズと書いたが僕はほぼ生まれていない。
なので90年代を通ったギタリストを見ると、ギターリフやギターソロへの意識が高い。





※例


だが、00年代になると様相が変わる。

邦楽のロックで代表されるアジカン、バンプ、ELLEGARDENなどが現れる。これにMONGOL800やゴイステなどを足すと、当時の学園祭でカバーされ尽くしたであろうラインナップが出揃う。

並びを見ても分かるように、ギターソロなどがあまりないバンドが多い。それよりもフロントマンの個性の強さが全面に出ているバンドばかりである。
世代なのでアジカン、バンプ、エルレといえばよく聴いたものだが、ギターに憧れるということはなかった(個人の意見です)

そんな00年代のバンドたちの影響を受けたのが10年代に目立ち始めてきた。
最近マスに受けているバンドを見ても、ギターはあまり目立たないケースはかりだ。

実際にここ数年現れたバンドでギターソロが印象的だという曲がどれだけあるだろうか。
個で見ていけばいくらでもいるが、目に見えて減ってきているのは明らかではないか。



それでも



それでも街を歩いていると、背中にギター(或いはベース)を背負った若者の姿を見かける。

どんなに業界が先細りであろうと、ギターが無くなるわけではない。いつかまた時代は巡り、バンドミュージックの再評価が訪れる。

少なくとも僕はそう信じてるし、そう信じてる人はそう少なくないだろう。

そんなことを思いながらこの記事を終えよう。

【関連記事】
ギターの神様は神経損傷 あと、少しクラプトンについて書かせて欲しい
ギターは金融資産になりうるのか ローズウッド輸出入問題












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2017年11月2日木曜日

"Working men blues"の替え歌の件についてちょっと本気出して考えてみた





今回の件は呟く程度であまり深くは触れまいと思っていたのだけど、歌詞というものについて考えるキッカケにもなったので、感じたことを記録として残しておく。

まず、何のこと?という人のために簡単に概要を説明すると、ポルノグラフィティのアルバム「BUTTERFLY EFFECT」に収録された"Working men blues"という曲についての話だ。
とてもリゲイン的な内容の歌詞で、"Working men blues"は云わば「働く"者"たちへの歌」である。

ファンの方が書いた"Working men blues"の歌詞を「◯◯バージョン」の替え歌バージョンを新藤晴一がリツイートしたことに起因する。

そこでその替え歌の是非について、ファンの間でちょっと議論があったというものだ。
替え歌自体は構わないと思うのだが、このちょっとした騒動の本質が別にあると感じて記事にすることにした。



men=human



まず明文化しておきたいのが、僕が書きたいことは替え歌の是非ではない。リツイートされていたファンの方が書いた歌詞は全く悪くなくて、むしろちゃんと、

『ちなみに「女性差別だー」「主婦なめんなー」とか思った訳ではないですよ^^』

とことわりを入れてるくらいだ。
今回触れたいのはそうことわりを入れていても、なぜかそうと取ってしまう方々の話。

「~だって頑張ってるってことを知って欲しい」という方に伝えたい。新藤晴一という人間をなめてるのでしょうか。

頭の中を冷蔵庫に例えて最新の電子レンジ欲しいという人間に対して、そう問い掛けるのは野暮というものではないか。
そもそも新藤晴一はそのようなことは百も承知な訳である。

それでもあえて"Working men blues"という曲が今の形に成ったのには理由があると思って。

この曲の背景について、新藤晴一がしまなみテレビだかカフェイレだか失念してしまったが、下のコメントを見れば今回の記事いらないくらいなのだが。


「最近誰かのために頑張れる人ってカッコイイなって思ってきた。自分のことをひとつ横に置いて、誰かのために頑張れるって人。"星球"でも書いたけど。
歌詞としては譜割りの都合で"Working men blues"になったけど、男も女も、みんなのこと」


はい。これで氷結だと思う。

このコメントに全て表れている。これでも尚、物申したいという方は面倒なので直接新藤晴一に申し立てて最高裁まで闘ってほしい。

それでこのコメントを見て感じたのが、本当に今は言葉を選ばないといけない世の中なんだな、それくらい表面的に言葉を受け取る人が多いんだなって。









行間




歌詞って文字数が限られるから書きたいことが物凄く制限される。

たとえば"Working men blues"のテーマは上にあるみたいに「頑張っている全ての人への賛辞」な意味合いがある。

新藤晴一ならそれはそれで書けなくはないし、それを100伝える歌詞も産めると思う。
でもそうした時に受け手はきちんと受け取ったとしても100しか受け取れない。

たとえば恋愛映画でなぜ知らない男女の恋沙汰を二時間見ていられるかといえば、そこに2人の人生の背景とかを描いていくからだ。
どこかで聴いたフレーズだが、最初からハッピーエンドの映画なら3分で終わってしまう。

二時間の中で描かれるシーンに自分を重ねたり、間の物語を自分の中で膨らませて物語に入り込む。もちろんエロいシーンだけを求めるとか違う楽しみ方の人もいるだろうが。

歌詞も同じで、文字数に制約があるからこそ書き手は行間にそれを委ねる。その行間をどう受け取るか、そこに解釈の余地が生まれることで100のメッセージを120にも130にも、もしかしたら何倍にもすることができる。

ポルノグラフィティを僕がずっと信じ続けてあるのは、それがあるからで。
※ちなみに"ミュージック・アワー"とかは行間なんて全くなくて、そのまま受け取って欲しいそうだ。

それこそが新藤晴一の言った「歌詞の解釈は人それぞれの自由」というとこではないだろうか。

"ラビュー・ラビュー"の男女を見て「私もこんな恋愛したい!」と思う人もいれば、小さく低い声で「爆ぜろ」と呟く人もいるではないか。

たとえば"星球"に励まされるサラリーマンだっていたっていいし、"ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~"に自分を重ねる男子学生がいたっていいわけで。

そうやって楽しむことだって間違っているわけではない。

"Working men blues"を聴いて「~だって頑張ってる」って主張したくなった方はもう一度歌詞と向き合ってみてはいかがだろうか。

歌詞に出て来なくても「みんな頑張ってるんだ」って想いはちゃんと行間に込められている。

だって新藤晴一はとっくに書いてるもの。


誰だってそれなりに人生を頑張ってる
時々はその"それなり"さえも誉めてほしい


そんな事を考えました。


★歌詞解釈シリーズ



AGAIN歌詞解釈~「遥かな昔海に沈んだ架空の街の地図」とは

スロウ・ザ・コイン歌詞解釈~人生の分岐点と正解の道

月飼い歌詞解釈~東から漕ぎだした舟が向かう先

ジレンマ歌詞解釈~ジレンマが示すもの

Hey Mama歌詞解釈(+和訳) 〜あなたのパパは何者?

TVの中のロックスター、憧れと現実

THE WAYのダイアリー00/08/26に涙した理由

LiAR歌詞解釈~揺れてるばかりの記憶のあなた

メリッサ歌詞解釈~自分にとってのメリッサとは

アポロ歌詞解釈~変わらない愛のかたち探してる

Part time love affair歌詞解釈〜パートタイムの恋人

パレット歌詞解釈~泣いた月と唄う鳥の示すもの

PRIME 歌詞解釈〜変われない自分と変わらない願望

稲妻サンダー99歌詞解釈(?)〜99秒、33文字の歌詞に3000字書いた全記録

アゲハ蝶歌詞解釈~夏の夜に咲いたアゲハ蝶

素敵すぎてしまった歌詞解釈~Wonderful Tonight

ラスト オブ ヒーロー歌詞解釈~ヒーローは逃げない、一度も

夜間飛行 歌詞解釈〜「偶然は愛のようにひとを束縛する」

"君の愛読書がケルアックだった件"の歌詞が実はとんでもなくヤッバイ内容な件

MICROWAVE歌詞解釈〜Believe when I say "I want it that way"

"Working men blues"の替え歌の件についてちょっと本気出して考えてみた

170828-29歌詞解釈 赤いボタンの上の僕らのピースする

ポルノグラフィティ新曲"カメレオン・レンズ" 歌詞徹底解剖 新藤晴一文学の集大成














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